現在、ほとんどのボイトレスクール、ボイトレ教室はマンツーマンレッスン、または個人レッスン(以下、個人レッスンとします)の形をとっています。
個人レッスンをやっているトレーナーの方、又はレッスンを受けている生徒さんは、この形態をどのように感じているのでしょうか?
今回、個人レッスンとグループレッスンという記事を書くにあたって、2つのことを明記しておきます。
- まずどちらの立場で書くのか?
- 次にレッスンの何を書くのか?
です。
この記事を書くにあたって僕は、グループレッスン寄りの立場に立ってお話してゆきます。
そして、レッスンの何を?というのはボイストレーニングのコースの内容ではなく、レッスン形態の面から話を進めていくこととします。
以前、概要として書いていた記事がありますので参考にしてください。
▼参考 ボイトレの形態、内容をじっくりと検討(第4回)
個人レッスンの特異性♪
敢えて特異性と書いています。
どういうことかというと、レッスンのブッキングや形態に備わっている特殊な性質、それが個人レッスンをとおして感じとれるからです。
個人レッスンの特異性、それは、良くも悪くも当たり前という感覚になり易いことかな。
そんなふうに感じています。
ここで、
- 個人レッスンの良いところ
- 個人レッスンの抱えている問題点
個人レッスンの良いところ
当然個人レッスンをやっていると長所がたくさん出てきます。
長所がたくさんあるから、だからこそ、
ボイトレのレッスン=個人レッスン
という形態が広がったんだと考えています。
個人レッスンの良い点を生徒さん側の立場から考えていきましょう。
✔マンツーマンで教えてくれるのであなたに応じたペースでレッスンが進められる。
よく言われる「あなたに合ったレッスン・・・」というのがコレです。
分からないところは繰り返し訊くことができます。
忙しくてもレッスンに通うという必要性を習慣に変えていけば、あなたにとってとても良いレッスンの形態となります。生活、生き方にメリハリがつきますからね。
✔トレーナーと仲良くなれる。
スクールの講師規約によっては生徒さんとスクール以外での付き合いは禁止している所もあります。
しかし、トレーナー自身が音楽活動をやっている場合、自分のライブに呼ぶことはOKという場合もあるようです。
因みにワンバイブスでは、トレーナーと生徒さんの交流はお互いの、スタッフ同士の報告、連絡、相談の元、自由に行っています。
✔トレーナーの技(わざ)を盗むことができる。
ひと昔前の職人、昭和の時代の匠でしょうか(笑)
僕は元々、印刷、写真製版業をやっていた職人上がりだったので
という言葉の響きは嫌いではありません。(^^♪
歌が上達してきた生徒さんのニュアンスが担当トレーナーのそれに似ているということは、時々起こることです。
個人レッスンの抱えている問題点
では、次に問題点を挙げていきましょう。
個人レッスンだからこそ、次の悩みが出てきます。
今度は、トレーナー側の立場から見ていくことにしましょう。
✔ 当キャンをされてしまうと、がっかりする。
仕事や病気などで、やむを得ず当キャンする場合もありますよね。
でもこれが続いたりすると、結構辛かったりもします。
何故か?それは、
✔ 当キャンをされてしまうと、レッスンにならない。
これが理由です。
当キャンだとレッスン代が発生しなくなる。または事務も兼ねている教室では事務代ということでお給料が発生する。また、ひとコマ消化という仕組みで1レッスン分を支給している所もあります。
✔ そこに別の生徒さんが入っていれば、レッスンになっていた。
これが個人レッスンの抱えている大問題のひとつだと考えています。
つまり、休んだ生徒さんの代わりに別の人がそこに入ることができればいいんですが、
〇曜日のこの時間は、元々は当キャンした生徒さんのレッスン時間
だったはずです。
元々予約を入れていた時間帯は他の生徒さんは入れません。
ギリギリでも動ける余程暇な人?ならば、
と、対応できるんでしょうが、普通に考えると個人レッスンという形態でやっている以上、難しいですよね。
✔ 固定の時間で開始か?フリータイム制か?
当キャンでなくても、振り替えが大丈夫なスクールもあります。
この振替レッスンという仕組みも様々ありまして、
- 無料で出来る
- 無料で出来ない=その月の1回の振替は無料。2回目からお金をとられる
- その月の中でならできる=月をまたいでの振替は出来ない
などです。
あなたが別の日に振り替えようと思い連絡してみたら、トレーナーの都合がつかなかったりする場合もありますね。
✔ 甘えが出てくる
これは、生徒さん側だけでなく、トレーナー側にも同じことが言えます。
長くレッスンをしていただけることは嬉しいのですが、マンツーマンで行なってきたからこそ、お互いの視点がぼやけている。これに気がつかない場合があります。
例えば、生徒さんの伸び方の客観的判断です。
スクール内オーディションや歌の到達度のチェック、ナレーション審査など、相対評価がある場合はいいんでしょうが、そうでない場合は、トレーナーがそのことに気づかないこともあるんです。枝ばかり見ていて森を見ることが出来ていない。これはトレーナー側の責任です。
✔ 遅刻は歓迎?
あの、、、
電車の遅延や急な事情の場合なら、遅刻しても別ですよ。
毎回平気で堂々と5分~10分遅れてくる場合はどうなんでしょう?(昔、そんな生徒さんがいました)
見て見ぬふりをする、または正当化する。
それ、、、お互いのためにならないから違うでしょうwww
個人レッスンは、お互いにとって好都合な仕組み?
さて、いったい何故
- 個人レッスンの良いところは生徒さん側から
- 個人レッスンの抱えている問題点はトレーナー側から
まとめたのでしょうか?
もちろん
- 個人レッスンの良いところをトレーナー側から
- 個人レッスンの抱えている問題を生徒さん側から
お伝えもできます。
個人レッスンの良いところをトレーナー側から
個人レッスンの良いところをトレーナー側から語った場合、単なる自己満足となってしまうからです。
もちろん他との差別化を図ることは大切です。
ポイントは良い点だけをお伝えすることではなく、生徒さんの課題を解決するために他スクールとどのような違いがあるのか?こちらが解決してあげられるヒントや体制が整っているか?
これらを体験レッスン受講の方に伝えることではないでしょうか?
当教室としては、まだまだ改善の余地があると思わざるを得ません。<m(__)m>
個人レッスンの抱えている問題を生徒さん側から
これは生徒さん方に逐一伺わないと分からないことですよね。
なので、いろんなスクールがアンケートをとって反映しているワケです。
むしろこちらの方が大切。
そんな気がします。
最近、日本語教師を仕事にしている方が生徒さんとして話し言葉ボイストレーニングを受けていただいています。彼女から伺った話です。
生徒さんのターゲットをどのあたりに絞るのかにもよりますが、ある気づきを与えられたと感じました。もちろん良い気づきです。
さて、グループレッスン寄りの立場でお伝えするお話はまだ続きます。
個人レッスンが当たり前だというあなた。トレーナーであれ、現行どこかのスクールでレッスンしている生徒さんであれ、体験レッスンを受けたいと思っている方であれ、グループレッスンについて考えてみませんか?
今後ともご興味のある方は、どうぞお付き合いください。