前回の「個人レッスンとグループレッスン」のお話はいかがでしたか?
今回は、トレーナーとの相性ついて深堀をしていきましょう。
前回も書きましたが、この一連の記事では、個人レッスン側ではなくグループレッスン寄りに立ってお話を進めていることをご了承ください。
また、ボイストレーニングのコースや内容についてのことではなく、レッスン形態の面から書いています。つまり形と進め方です。レッスンの中身ではありません。
▼前回のコラム記事です。
さて、あなたは体験レッスンを終えて入会しました。
自分の声が良くなると思うと期待でワクワクです。
レッスンは、体験レッスンを担当したトレーナーが行なう場合もありますし、別トレーナーの場合もありますね。
今日はあなたにこれからレッスンを受けようとするトレーナーがどんなスタイルで教えようとしているのか?どのようなタイプなのか?
その見分け方を伝授いたします。
ボイストレーナーとの相性は「合う」はずがない?!
いきなりすみません。
でもね、逆に考えてみてください。
なんて思っていると、期待が外れた時にがっかりする。
それどころか
なんて事にもなりかねません。
トレーナーは一生懸命にやっているのに空回り。
これではお互い可哀相です。
なので、まずは
- ボイストレーナーとの相性は「合わない」ことを前提に考える
- トレーナーのスタイルと、トレーナーのタイプ
この2つを考えなくてはなりません。
トレーナーとの相性を考えていく場合、このポイントは外せませんから。
ただし、受け入れ難い方は
と参考にしていただけると嬉しいです。
合わないことを前提に考えるとは?
夫婦だって家族だって元々は他人同士ですよね。
いつかもお話しましたが、価値観、マインドセット、ビリーフ、ストッパーなど、人によって大切に考えていることやメンタルブロックは違います。
同じ日本語で話していても、意味付けが違うのです。
仲の良い時はいいんですが、仲が悪くなると相手の言葉にフィルターをかけて解釈します、、、よね。
伝えたのに、伝わらない。
つまり、人は相手の話の内容というよりもどんな目線で言うか?相手との関係の中で伝わったり伝わらなかったりするんです。
話し手の量ではなく、受け手の量で分かったか、理解できたかどうかが決まる・・・。
これは紛れもない事実ですよね。
言語であれ非言語であれコミュニケーションは難しいです。
だからこそこの仕事をしている以上
伝えなければ、伝わらない
そう感じるのです。
マイナス発想ではなく、相手との違いを理解するために、まず相手とは合わないと思ってみる。
そこからスタートしていけば、相手の考え方、大切にしているものコトなどがだんだん分かってきます。そうすると相手との距離がだんだん近づいてきます。
これは、体験レッスンをやってすぐに分かることではありません。
と。
お互いに添って、次に合わせていくことが大切です。
楽観視していて、こんなはずじゃなかった!と感じるよりよほどマシです。
トレーナーのタイプとスタイル
次に、タイプとスタイルを見ていくことにします。
タイプもスタイルも似たような単語ですが、その違いはあるんでしょうか?
【タイプ】
ギリシャ語で「打撃」を意味する「týpos」という単語が語源。
①キーボードで文字などをタイピングする(打つ)はギリシャ語からきている。
②人間をある基準で分類して、共通する特性となる印象付け。商品など物の印(しるし)。
③形や型、種類。【スタイル】
①からだつき、姿、格好。
②服飾・頭髪などの型。
③表現形式、表現様式、文体。
④個人や集団などに固有の考え方や行動のパターン。
今回の場合、【タイプ】は②の意味、【スタイル】は④の意味で話を進めていきます。
トレーナーのタイプ
✔ アーティストタイプ
声楽の先生からポップミュージシャン、ロックミュージシャンまで。
アーティストです!誰が見ても「この先生、ライブ活動やっている」と判断できそうな香りをムンムンに漂わせています。
このタイプは、ボーカリスト、楽器も演奏するシンガー・ソング・ライターのタイプに分けられます。
また、声優やナレーションの仕事をやっている(いた)人が、トレーナーの場合もあります。明らかにミュージシャンタイプとは異なります。
アーティストタイプのトレーナーの場合、ライブを観ればその先生の特徴が分かる場合もあるんですが、そうでもないのです。
何故なら、トレーナーをしている時のキャラとミュージシャンをしている時のキャラでは、全く違う人がいるからです。それはそれで面白いんですが、当の本人は
という気持ちでしょう。
もちろん、一連の自己プロデュースという意味でアーティストとインストラクターのキャラが延長線上で繋がっている人は何人もいますけど。
さて、これらのタイプの人は、プロフェッショナルと言われています。途中で確認したり細かく指示を与えると、露骨に嫌な顔をされます。与えられた仕事をどうするのか?を最初から分かっているからです。
レッスンも完全なマニュアルに沿って行なうよりも、そこに自分のオリジナリティをスパイスとして加えたい人が多いようです。
確立されている練習法に、あれこれ口出しされるのは嫌だ!その感覚に近いかな。
この気持ちは僕にもよく分かります。
ですが途中報告がないと、集団や組織全体の方向性が曖昧になるのも事実です。
✔ ビジネスパーソンタイプ
話しことばのトレーナーに多いタイプです。
音楽活動を一切してこなくてトレーナーになった方もいます。この事実からもボイストレーニングは音楽だけのものではないことが分かると思います。
認知心理学や脳科学などの分野とコラボをした内容を伝える。また、スピリチュアル系の内容と声とを結びつけてレッスンをしている。そんなトレーナーもいます。
このタイプの人は、アーティストタイプとは逆の振る舞い方の人が多く、途中報告をちゃんとしてくれます。小さなところで確認しておかないと大きなミスに発展しかねないので、リスク管理という意味にもとれます。
とは、ドラッカー大先生のお言葉です。
✔ 事業主タイプ
このタイプには、スクールの校長先生、社長、教室の長、あとは協会(コミュニティ)のトップの方も含まれています。
こういった方々が直接レッスンをしています。もちろんレッスンという現場をやらないトップの方もいらっしゃいます。
考え方がユニークで、また、そうでないとトップになっていなかったでしょう。僕がお逢いしてきた校長先生、社長の方々には、強いオーラが発せられ存在感がありました。
✔ 複合タイプ
敢えてこう書きましたが、こんな器用な人はいるんだろうか?僕には無理だぁwww
出来たとしても底が浅くなってしまいます。
トレーナーのスタイル
トレーナ尾のスタイルを考える時、NLP(Neuro Linguistic Programming-神経言語プログラミング)でお馴染みの優位感覚を使ってみると良いでしょう。
人間には五感がありますが、出来るだけシンプルに考えたいといった焦点化の原則によって、よく使う感覚(=その人が分かりやすい感覚)が決まっていると言われています。
それぞれ同じものを見たり、同じ体験レッスンの内容を受けたとしても、認識や反応の仕方が異なって伝わるのです。
✔ イメージ先行(視覚優位)
図やイメージで物事をとらえる傾向のあるトレーナーです。イラストを描きながら説明をします。
身振り手振りが大きく声のトーンが高めで早口の人なら、このタイプでしょう。
中には、妄想?をイメージさせる人もいるようでとてもユニークです。それで声の出た生徒さんもいますから。
✔ 身体感覚(身体感覚優位)
判断するときに直感を大事にする、といわれています。
「感じ、ぬくもりのある声、つかめている、しっくりこない」などの言葉を使うようでしたらこのタイプです。擬態語なども良く使いますし、抽象的な表現をすることも。
そう言えば、女性のほうが「ふわふわ、ぽわぽわ、ギュっと」などの擬態語をよく使うとされています。
営業職の方、ヨガトレーナーの方はこのタイプが多いという話ですよ。
✔ 理論的(聴覚優位)
理論的に筋道を立てて考える傾向にあるタイプです。
たまに、説明しているのとは違い、「ぶつぶつ」と独り言を言っているようであれば、このタイプでしょう。
さらに、用語を定義づけしたり数字を使うことで、話の組み立て方に説得力を持たせています。
このタイプの人も「ざわざわ」「ガ~ン」などの擬音語を使う傾向にあります。
✔ 複合タイプ
上の3タイプの複合型のトレーナーもいます。
ボイストレーニングはもちろんのこと、コミュニケ―ションや伝え方など他の勉強や練習もされています。
常に適材適所に使い分けようと試みています。優位感覚が異なれば、生徒さんの反応の仕方や振る舞い方が異なる。それを身をもって経験しているからです。
今回は、グループレッスンそのもののお話ではありませんでした。
しかし、トレーナーと生徒さんとの相性のお話は、必ず出さないとなりません。ここを通過しないとグループレッスンについて語れなくなってしまうからです。
今後ともご興味のある方は、どうぞお付き合いください。