あなたの周りの友人知人の中で、練習や勉強を一生懸命にやって、本番に望んでいる人はいませんか?または、あまり練習や勉強をやっているようには思えないんだけれど、本番で物凄く力を発揮するタイプの人?
あなた自身はどうでしょう?
一生懸命練習したのに、本番で悔しい思いをしたり、練習の成果が本番では期待以上だったり・・・。それほど取り組んでいないのに良い結果が出せたり・・・。
今回は、表現力を考えるにあたって大切な柱となるアウトプットするまでのプロセスについて考えていくことにしましょう。
パフォーマンスに活かすために♪
僕は常々感じていたのです。幾つかのタイプ分かれているんではないかと感じたのは、過去に何本ものライブを演っていた頃、周りのミュージシャン仲間と話していた時に出た話題がきっかけでした。
20代の頃の会話が、ヒントになったワケです。あなたのタイプを知ってパフォーマンスに活かしましょう。
タイプ分けで使われるジャンル
今回のタイプ分けで使われるジャンルは、
僕はそのように感じています。
- 音楽の分野 ボーカリスト、楽器のプレイヤー
- 広い意味での演技全般の分野 役者さん、声優さん、朗読
- ナレーションの分野 ナレーター
- ダンス、パントマイム等 ダンサー
- スポーツの分野 アスリート
- 教育の分野 講師、教師、インストラクター、トレーナー
さらに、営業をやっている方や何かの国家試験や資格試験を受ける方、それも年に1回~2回しかないので、計画を立てて行なわなければならない「ピークを合わせていく型」の試験を受ける方など・・・。
どれも当てはまりますが、内容のフォーカスが絞られないので、音楽、演技、、朗読、ナレーションに絞ってお話を進めていきます。
どのタイプでアウトプットする?
これには、大きく分けて3つのタイプがあります。このタイプ分けは、あくまで僕のこれまでの経験値の中から分けたものなので、絶対に正解ではありませんw
いろんな意見があっても良いかと考えています。
あなたが、広い意味で表現者としてパフォーマンスを行なっていくうえでの参考にしてもらえたら有難いです。
1.作り込み型
作り込み型とは、毎回毎回少しずつ個人練習を重ね作り込んでゆく。そして、本番に臨むといったタイプです。練習は絶対に裏切らないと考えており、自分が立てた目標に近づく努力を惜しんでいません。この型の人に
と言うと、急にやる気をなくします!(モチベーションではありません)
この作りこみ型は、下位区分として2つに分かれます。
1-1.完コピ目指そう型
完全コピーを目指す人の型です。細かなニュアンスも聞き漏らすことなく聴き込み、高い再現を目指します。(音楽の場合)
次に発話発語の分野です。モデルリーディングなどの教材がある場合、プロソディシャドウイングを採り入れ、練習メニューとして完コピを目指すやり方もあります。(朗読の場合)
▼コピーとカバーの違いはこちらを参考に
▼シャドウイングの記事はこちら
1-2.リスク回避型
これは、解釈によって良い意味にも悪い意味にもとれます。
例えば、
演技やナレーションに当てはめて考えてみると、ディレクターやプロデューサーの考え方と自分の台本の解釈、ナレーション原稿の解釈に違いがあった。そのため、自分が感じていることを表現せずに、指示のまま表現した。
また歌う場合では、
今日はライブで歌わなければならないのに、風邪をひいている。●●●という曲のトップノートB♭をミックスボイスで出したい。でも今日の調子だと無理。裏声を使うか、メロディフェイクをして無難に済ますか。
誤魔化しと言えばそれまでですが、声がひっくり返るよりも良いでしょう。調子が良くない時のパフォーマンスをどうするか?この辺りの判断は、表現者であるあなたの考え方によるところが大きいのです。
2.引出し組み合わせ型
現状、この型の人は、ある程度経験を積んでいる人が多いような気がします。どのくらいの経験を積めばよいかというと、それは人それぞれなので正直何とも言えません。
この型の人たちと話していると、自分のナチュラルな型、フラットな型という表現軸を持っており、状況に合わせて変えていくことが出来ます。
言い換えると、表現貯蔵庫の中に幾つものパターンがあって、現場の状況に応じて出したり、引っ込めたりすることが出来ています。
それを持っていないとブレるからです。ディレクターやプロデューサーの指示によって変えてみた。気づくと、何が良いのか分からなくなってしまった!ということが起きてしまうからです。
パズルにピースをはめ込むように、順列や組み合わせで、表現のパーツを大きなメッセージに変えてゆけます。
音楽の世界でも、役者でもナレーターでも朗読でも、この型を持っていると応用が利きます。
3.アドリブ主体型
その時その時の感覚で演っているように見受けられます。
こんな例はどうでしょう?FB友の投稿にあったのを一部引用します。
- あまり演り慣れていない曲をお互いを良く知っているメンバーと表現する(演奏したり歌う)。
- 知っていて、かつ演り慣れている曲を初めてのメンバーと表現する。
- あまり演り慣れていない曲を初めてのメンバーと表現する。
長嶋さんタイプのような人は、「3番」を選ぶんでしょうかね?次は「2番」かな?
3番は、失敗した時のリスクがものすごく高いものです。1~3のどれが高リスクになるのかは、選ぶ人次第でしょう。
自由に表現するためにはリスクも知っておく。この型の人たちは一番体感できている人かなと。
楽器や歌をやってない方は、分かりますかね?
ジャズの演奏や演劇の世界では、インプロビゼーションといって即興で表現をします。これらの経験を積んでアドリブ主体型になっていくのです。
自分のタイプにハマりすぎない
自分のタイプが分かってくると、そのタイプをフォーマットにして、パフォーマンスを当てはめてゆく段階になります。
僕は、20年近くかかって、築いた型が「引出組み合わせ型」でした。ある程度作り込んでいって本番ではその場の状況、雰囲気に変えています。
ところが、そのスタイルに固執し過ぎてしまうと表現の幅がなくなります。
僕の場合でいうと、
- ディレクターの指示や状況によって、完コピを試してみる
- 思い切り自由にアドリブを入れてみる
自分のスタイルを超えたところに新しいパフォーマンスの芽が見つかる!
体調や気持ちの面などを入れると難しい場合もありますが、僕はこんな考えでいます。
タイプもスタイルも似たような意味ですが、分けて考えてみましょう。
✔ タイプは、何らかの基準で分類して、その共通する特性をとりだした型、
✔ スタイルは、姿や格好。個人に備わっている考え方や行動のしかた、
です。
自分のタイプをスタイルにし過ぎない!
これが大切だなあと感じています。