前回は、「ボイストレーニングでつまずかないポイント(その1)」としてお届けしました。
声よりも聲という表記を意識してみると、つまずくポイント4つが上がってきました。
- 用語
- イメージ
- イメージからの感覚
- 感覚から知覚への流れ
常にこの4つを意識しましょう。そしてボイストレーニングの8つの項目と繋げながら、具体的にどこでつまずくのか?それをあなたなりに考えてみましょう。
なお、関連記事についてリンクを貼っておきますので、関係ありそうだと感じたあなたはご覧になってください。
声を伸ばすためにつまずかない8つのポイント♪
今回このコラム記事から次のヒントが得られます。
✔ あなたの伸び悩んでいる原因が見えてくる。分かる。
✔ あなたの伸ばしたい課題が明確になる。
✔ ボイストレーニングを習っている人にとって、点から線につなげられる。
✔ ボイストレーニングを習っていない人でも、どこがつまずきやすいのかを予め知ることで、敷居が低くなる。
▼「知っておきたいボイストレーニング8つのアプローチ」動画はこちら
1.姿勢・フォームでつまずかない
正しい姿勢は、身体をカチンコチンに固めた姿勢ではありませんww
姿勢とフォームを異なる意味で解釈している人と、同じ意味でとらえている人がいます。どちらが正しいかを論ずる前に、あなたは姿勢、フォームというとどのような意味でとらえていますか?
習っている方も初めての方も、ここはもう一度確かめておいてください。
2.腹式呼吸でつまずかない
腹式呼吸は、お腹周りの筋肉群を使って行なう呼吸であって、お腹に空気を入れる呼吸ではありません!空気は肺にしか入りません!
腹式呼吸は大切ですが、腹式至上主義に走らないようにしましょう。何でもかんでも原因と対策を腹式や支えの理由にしないことです。トレーナーによっては、腹式呼吸よりも喉の使い方を重要視する方もいらっしゃいいます。
3.発声でつまずかない
お腹から声を出す。肚から声を出すとの違いは?
喉を開けて(広げて)発声する。喉を開けるって?
喉を詰めてはいけないの?
口を大きく開けて発声するのが正しい。顎関節症の人はどうするんでしょう?
大きな声を出す。これが良い声に繋がるのでしょうか?大きな声と響く声、共鳴する声との違いは何でしょうか?
4.リズムでつまずかない
拍、ビート、拍子、テンポ、タイミング、リズム、グルーブなど、似たような用語のおさらいをしておきましょう。
音楽の分野でいうところの「拍」と言語教育の分野でいう「拍」の違いは何でしょう?
そして、リズム感を磨いてゆくと呼吸も音域も伸びるメニューがあるとしたら、どうしましょう?
5.音程でつまずかない
もう一度、「ドレミファソラシド」「ドシラソファミレド」に立ち返りましょう。下線を引いてある音同士の隔たりは、半音です。
音程にはふたつの意味があるんだということ。そして、これらは、音の高さを音階という用語で表すだけでなく、音の役割をしっかりと掴むものだと考えると、「移動ド」といった音楽理論がより分かり易くなります。
6.音域でつまずかない
裏声は、高い声が地声で出なくなった時に使う息が混じった高音域の声なのでしょうか?
裏声とファルセットって同じなんでしょうか?違うのでしょうか?
ブリッジと喚声点、フェリンジャル(ファリンジル)ボイスは同じ意味?
胸声―中声―頭声、チェストボイス―ミックスボイス―ヘッドボイスは同じ?
7.発音でつまずかない
4.発声でつまずかないのところでも触れていますが、大きな口を開けることが正しい発声だとすると、腹話術師は皆、正しい発声をしていないことになるんですね。。。
何故腹話術では、口を閉じたままで発語発話が出来るのでしょうか?
8.フレーズの処理でつまずかない
最後にフレーズの処理についてです。ここでは、特にビブラートに絞ってお話しましょう。
色んなビブラートの掛け方がありますよね。しかし、このサイトでは、あまり細かくビブラートの種類は問うていません。何故なら、大きく分けてビブラートは2つのタイプにしか分かれないからです。
大雑把に分けた時、どちらがやり易いのかを
感覚~知覚~体感付け
これらのイメージをしながら、考えながら、感じながら練習していきましょう。
ビブラートには高低型か強弱型のどちらかでかけられると判断します。高低も強弱も声の要素として入っていますね。
- 高低型
複数の高さの音を交互に小刻みに演奏するテクニックで*バッテリーとも呼ばれる。2つの異なる高さの音を相互に反復する場合は*トリル。 - 強弱型
*トレモロ(同じ高さの音を連続して小刻みに演奏する技法)に近い。カーレースでの近づいたり遠ざかったりする車のエンジン音をイメージするとよいかも。
【*バッテリー/トリル/トレモロ】
この用語も同じ音楽の用語でありながら、使う楽器によって意味合いが異なりますし、トレモロとトリル、バッテリーは区別をつけずに使われている場合が多々あります。
まとめ 各項目を関連付けてみるとつまずかなくなる
以上の事柄は、ググれば、検索結果として出てきますし、このサイトにもいくつかは載せてあります。検索窓で検索していただけると有難いなと感じています。
さて、こういった棚卸作業は、1回やってOKというものではないのです。PDCAのサイクルではありませんが、繰り返し回してチェックすることが大切です。
何故なら、歌う曲のジャンルによっても変わるでしょう。課題曲が変わるごとに行なうのも自己評価としては大切なことなのです。
歌が上達している生徒さんは、メタ認知能力のある人なのです。メタ認知とは、俯瞰して眺めることで、自分自身と対話できるようになる能力です。メタ認知能力のある人は、自分の歌声を客観的に聴ける人です。自分の歌を録音して自分で聴ける人なのです。そして評価をトレーナーだけに依存するのではなく、地震で評価できるようになるのです。
声を良くする。歌が上手くなるだっけではなく、このような能力もボイストレーニングで養われるワケです。凄いですね~♪
【PDCAサイクル】
PDCAサイクルとは、Plan(計画)・Do(実行)・Check(評価)・Action(改善)を繰り返すことで、各段階のレベルを向上させる(スパイラルアップ、spiral up)。
様々な業種や分野で取り入れ、活用されている生産管理や品質管理などの管理業務を継続的に改善していく手法。
【メタ認知】
現在進行中の自分の思考や行動そのものを対象化して認識することにより、自分自身の認知行動を把握することができる能力をいう。知覚、情動、記憶、思考などを客観的に捉え、評価した上で制御することを意味。 この認知→評価→制御のサイクルができる心理的な能力が、「メタ認知能力」と呼ばれている。
具体的には、学習計画を立てる、計画を見直̪し変更する、自分を振り返り評価するなど。