アノ曲、どのブルースハープで演奏する?

marineband ボーカリストのための楽器

今回は、僕の大好きな楽器、ハーモニカのことについてです。

ブルースやロック、フォークの音楽ジャンルに使われているハーモニカのことを通称、「ブルースハープ」といいます。別の呼び方では「10ホールズハーモニカ」「マウスハープ」など、いろいろあります。(今回は以下、ハーモニカとします)

今回は、少し吹けるようになった人から必ずと言ってよい程、起こる疑問にお応えすることにしましょう。

ハーモニカ初心者
ロックっぽくかっこよく吹きたいんです。

室長
曲のキーは?ああそしたらこのキーだとニュアンスが出ないよ。

ハーモニカ初心者
Cの曲キーをCのハーモニカで吹いているんですけど・・・

アノ曲に選ぶハーモニカのキーは何(初級編)♪

まず、曲のキーとハーモニカとの関係、その曲にどのハーモニカを持って演奏するのか?これをポジション奏法(略してポジション)といいます。

いくつかのポジションがあるんですが、曲のキーと持つハーモニカとの関係を表したのが下の表です。

曲のキー ハーモニカのキー ポジション奏法
C C 1st(ストレート)
C F 2nd
Cm B♭ 3rd
Cm E♭ ナチュラルマイナー
Cm A♭ 4th

同じCのキーなのに、持つハーモニカのキーはCまたはFの2本。

マイナーの場合は3本のハーモニカでCmの曲が演奏できてしまいます。

何故こんなことが起こるのでしょうか?

およそ、どの楽器でもそうですが、ある楽器を覚えて練習する場合、以下のことは避けては通れません。

✔ その楽器の構造
✔ その楽器を演奏するにあたってのメリットとデメリット

例えば、鍵盤楽器の場合両手を使ってコード演奏ができますし、右手でフレーズを弾きながらということもできます。ただし、ギターのようにカポタストをチョイチョイと動かして調の変更はできません。

ギターの場合、鍵盤のように両手が自由なわけではなく、左手はネックのフレットを押さえて右手だけでコードを鳴らしますよね。しかし、チューニングを自由に変えることができます(オープンチューニング、DADGADチューニングなど)

ハーモニカについても全く同じことがいえると感じています。

ハーモニカ(ブルースハープ)のメリットとデメリット

まず構造です。

10個の穴にそれぞれ吹き吸いができます。

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
ファ ファ

この音配列を「移動ド」で見ていくと、どの調の曲がきても同じ音の配列のため、一度体に覚え込ませるとラクにはラクなのです。

これは

✔ 1本のハ―モニカで幾つかの曲のキーを吹ける

ということに繋がってきます。

ところが、

✔ 演奏する音楽のジャンルや音楽性と絡めてハーモニカを使い分けなければならない。
✔ 楽器の構造上、1本のハーモニカでは表現しきれない音が出てくる。そのため2本3本持って演奏することは多くある。(例:転調の時)

といった構造上のデメリットを抱えている。これは他の楽器も同じなのです。

五度圏の図の読み方

sircle of 5th

五度圏(この図は反時計回りで5度進行)

先ほどの何故?の答えです。

それは、、五度圏、またはサークル・オブ・フィフス(circle of fifths)の円チャートを見れば分かるからです。

1stポジション
曲のキーと同じキーのハーモニカを持つ

2ndポジション
曲のキーから時計回り(右回り)で隣のキーのハーモニカを持つ
今持っているハーモニカのキーの反時計回り(左回り)で隣が曲のキー。

3rdポジション
曲のキーから時計回り(右回り)で2つ目のキーのハーモニカを持つ。曲のキーの1音下のハーモニカを持つ。
今持っているハーモニカのキーの反時計回り(左回り)で2つ目が曲のキー。

5th02_ovtext

上の図は、ワンバイブスの制作(作詞作曲)コースで使っているコード理論のテキストです(このテキストの著作権は、てつろう先生に帰属いたします)

よく見ると、時計回り(右回り)で5度進行の描き方をしていますね。先程の5度圏の図とは描き方が逆です。

それにしても何故、

時計回り(右回り)で5度進行の描き方をしたり
反時計回り(左回り)で5度進行の描き方をしたりするんでしょうか?

五度圏だから

  • 完全5度上へ C→G C(ド)D(レ)E(ミ)F(ファ)G(ソ)
  • 完全5度下へ C→F C(ド)B(シ)A(ラ)G(ソ)F(ファ)

という言い方なのです。けれど、ハーモニカ奏者にとっては

  • 完全4度上へ C→F C(ド)D(レ)E(ミ)F(ファ)
  • 完全5度上へ

この言い方の方が2ndポジションが理解しやすいからです。

5度下=4度上 ですから。

五度圏のことについては、こちらのサイトにかなり詳しく載せてあります。

図そのものも詳しく描かれているので、こちらを参考にしてください。

☛こちら 五度圏(サークル・オブ・フィフス)/音楽理論講座

アノ曲にはこのポジション

では、アノ曲で使っているハーモニカはどのキーで吹いているんだろう?どのポジションで演奏しているんだろう?

僕の独断で思いついたまま曲を選んでみました。

可能な曲はYouTubeのリンクを貼っておきましたので、よかったら曲名をクリックして参考にしてください。

◆キラキラ星
1stポジション

◆聖者の行進
1stポジション、2ndポジション

10ホールズハーモニカに慣れるには定番の課題曲が上のふたつです。聖者の行進は1stポジションと2ndポジションのニュアンスの違いを知る為の良い曲なんですよ。

◆12小節ブルース
Honest I Do(Jimmy Reed)
1stポジション

Juke(Little Walter)
2ndポジション

I Ain’t Got You(Sugar Blue)
3rdポジション

曲の雰囲気によって、プレイヤーの好みによって1stポジション、2ndポジション、3rdポジションに分かれます。

Love me do(The BEATLES)
2ndポジション

ナノ・セカンド(UVER WORLD)
2ndポジション

Custard Pie(Led Zeppelin)
2ndポジション

Bad Obsession(Guns N’ Roses)
2ndポジション

ロード(虎舞竜)
3rdポジション

巡恋歌2012ライブ(長渕剛)
ナチュラルマイナー(マイナー1st)

ハーモニカレッスン 体験レッスン受付中

ワンバイブスでは、ハーモニカレッスンも行なっています。一般にいわれている10ホールズマウスハープ(ブルースハープ)を使ってのレッスンです。レバーの付いているクロマチックハーモニカではありません。

このレッスンは、室長のみの担当、マンツーマンレッスンとなります。


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