メロディをしっかりと歌うということは、ピッチの安定にも繋がります。
- 上がるメロディ
- 下るメロディ
- 細かなメロディ
- 離れたインターバル 3度、取り難いインターバル
いろいろな組み合わせがありますが、今回は4.離れたインターバル、特に3度-5度-オクターブに絞ってお話を進めましょう。
その前に、ピッチとインターバルの復習です。
ここで注意していただきたいこと。それは「音程」という意味です。実は、音程にはふたつの意味があるのをご存知でしたか?
【音程】ピッチとインターバル
✔ピッチ(pitch) とは、音の高さ(高低) の調子のこと。音程が悪いという言い方は、ピッチが悪いということ。
別の意味では、基音そのもののことをピッチともいう。
✔インターバル(interval)とは、 音の高さと低さの間隔( 隔たり) のこと。
例えば、
「ドとラの6度のインターバルは、ピッチがとりずらい」という言い方をします。
オクターブ練習♪
ただし、初心者の方にはいきなりオクターブのインターバルは難しいです。無茶な発声をして喉を傷めてしまうからです。後で書いていますが、まず2度音程や3度音程、5度の音程から練習しましょう。
▼ピッチ、音程の関連記事はこちらも参考にしてください。
さて、今回の内容を一言で言い表すとこうなります。
と、思った方は、・・・このまま読み進めてください。
上の譜面は、オクターブ練習の一例です。他にもオクターブ練習のためのメニューはあると判断しますので、ボイトレに通われている方は、担当トレーナーにメニューを貰いましょう。
オクターブ練習の前にする基礎の基礎
いきなり、オクターブの練習は無理ですね。
まずは、ルート(1度)と2度、またはルートと5度の音を発声します。
続いて3度の練習です。メロディがメジャーになるのか、マイナーになるのかは、3度の音で決められるからです。
例えば、Cのコード弾きで1-5-1度(ドソド)を発声する感じと、Cmのコード弾きで同じインターバルを発声するのとではかなり感じが違います。これは慣れていないのが理由で、慣れてくるとコードの雰囲気と勘どころが添うようになってきます。
上の譜面の5小節から8小節までがメジャースケール
9小節から12小節までがマイナースケールでの練習となります。
ここで、練習の順番!ルートに対して、どの度数から先にやるか?つまり
ドレドレド なのか
ドミドミド / ド♭ミド♭ミド なのか
ドソドソド なのか
できる順番は生徒さんによるところが大きいので、しっかりとピッチがとれそうなインターバルから始めましょう。
オクターブ練習の注意点
先ほども書きましたが、メロディがメジャー(メジャースケール)か?それともマイナーなのか(マイナースケール)?この違いを意識しながらオクターブの練習をしましょう。
始めはオクターブを出すだけでも大変でしょう。しかし、この感覚を感じ始めないと、主旋律に対してのハモリをするときに、困ってしまうのです。
なので、Cのオクターブで発声することと、コードの中でオクターブを発声すること、両方をやっています。
1オクターブを行ったり来たり
まず、裏声で出せる1オクターブの音域を探しましょう。
そんなあなたの疑問は◎です。
1オクターブをやるときに一番やってはいけないこと。それは首で音程をとってしまうことです。オクターブ下は顔を下に向けすぎ、1オクターブ上は顔を上に向けすぎています。これまでの経験上、地声でやると10人中8~9人の生徒さんがこの動きをやります。
では裏声で低→高→低で1オクターブ練習を行うとどうか?これで試してみると、首を上下に動かしすぎて発声する人が、半分以下に減るのです。(当教室比)
2オクターブを行ったり来たり
譜面の13小節目から2オクターブ練習です。1オクターブが出来るようになったら今度は2オクターブにチャレンジ!この場合は1オクターブが出来てから2オクターブという順序にしましょう。いきなり2オクターブからですと、喉を傷めるリスクが大きいからです。
難しいのは低→中→高→中→低とスケールが進んだ時の中音(真ん中の音)です。やってみてください。はじめは悔しいほどとれないものです。
チャレンジ3オクターブ
しっかりと身体の使い方、息の流し方、声帯の使い方が繋がってくると、3オクターブは発声できます。簡単に言っているようですが、他スクールの生徒さんでも出来ている動画を拝見していますし、ワンバイブスの生徒さんでも綺麗に3オクターブが発声出来る人(あざみ野教室・阿佐ヶ谷教室各1名)、出来そうな予備軍も含めると何人もいます。
3オクターブは、しっかりとした練習を繰り返せば出せるのです!
地声、ミックス、裏声、ホイッスルボイスに近い発声など、いろいろと工夫して試していますね。
これも、真ん中の音のコントロールが難しくなります。体調に左右されることも大きいため、身体の使い方とイメージングをどう添わせていくかが大切です。
オクターブ練習のポイント-体幹出来れば納得出来ること
オクターブの音を安定させるためには、イメージと身体の使い方のマッチングが大切になります。ではどのような点に注意すればよいのでしょうか?
まず
足の親指に意識を向けてみましょう。次に内転筋です。
足の親指→内転筋→体幹と意識を順番に移していくことで、身体が整ってきます。この部分、バレエを演っている方なら「うんうん」と納得してもらえる筈です。足の親指と内転筋は繋がっています。内転筋を鍛えることは発声にもいい。特に広音域を発声する場合に有効です。外反母趾の方や内転筋の弱い人の場合、また股関節が硬かったり、肩甲骨が動きにくい人などは感じにくいかもしれません。
▼身体は繋がっています
足の親指→内転筋→体幹があなたのオクターブの発声を助ける大切な要因のひとつです。繰り返し練習し、身体に馴染ませること。これが『ブレない安定感のある声でメロディを歌える』ことに繋がってくるのです。