こんにちは。今日は人前で歌ったり演奏したりすることについて、見ていくことにしましょう。今回は、ボイストレーニング教室やスクールで行なわれているライブについて書いていきます。
歌う、表現するパフォーマンスを考えるひとつのきっかけとなれば幸いです。
ボイトレスクールや教室で行なえる生徒さんのためのライブとは?♪
スクールや教室で行うライブには、いわゆる発表会のようなものから、プロミュージシャンをお迎えして行なう本格的なライブまで、さまざまな形態があります。
スクール、教室代表の方々のご苦労を思うと、
と言いたくなります。
今回の内容をひと言で言い表すと、
- 音楽スクールや教室が行うライブの実情(室長のこれまでの経験より)
- 生演奏に対しての著作(財産)権のこと
このふたつに絞られます。
人前で行なうライブにもレベルがある
ただライブといっても、レベルがあります。ここではミュージシャンの実力といったレベルではなく、ライブ=人前で歌うことについてのレベルです。
【当サイトの記事より引用】
レベル5 ブルース、ジャズ等のセッション
レベル4 セトリ(曲順表)のあるライブ
レベル3 オープンマイク
レベル2 カラオケライブ
レベル1 普通のカラオケレベルはあくまでも目安で、室長の考えです。
【セッション】
元々の音楽用語としては、合奏の意味です。複数のミュージシャンが共に演奏することを指します。昔はギグやジャム、ジャムセッションとも呼ばれていました。ブルースやジャズのセッションの意味が強かった時代もありました。今のセッションは、譜面があり、パートを決めて行なう。誰でも参加できるといったオープンマイクとしての意味合いも強くなっているようです。
【オープンマイク】
誰でも飛び入りで参加できるステージで、広い意味でのライブです。 お店のマイクを飛び入りのお客さんに開放します。お客さんがお店のマイクを使って、音楽の演奏や歌唱、詩の朗読、寸劇、お笑いのネタ披露、手品、紙芝居などのパフォーマンスを行えるわけです。 欧米ではとてもポピュラーなイベントです。ここ数年、日本でも広まってきています。
スクールや教室で行なうライブの良い点と問題点
良い点
生徒さん目線
- 人前で披露ができる
- 成果を客観的に見ることができる(自己評価できる)
- プロレベル、あるいはプロミュージシャンのバックで歌える
- 1回のライブが10回分のレッスンに匹敵する(昔からよく言われていたことでした)
教室目線
- 生徒さんの内発的動機づけにつなげることが出来る
- 出来ない部分を支援してあげられる
- 仕組みの作り方によっては結構な収益となる(本音です・・・)
- 主催者、代表者、スタッフの発想を持ち寄ってユニークな催しを考えられる
問題点
生徒さん目線
- 教室のライブに依存する(自らライブのできる環境が整っている。にも関わらず、毎回教室に求めてくる)
- 中にはお客さんを呼ばない出演者もいる(呼ぶ方法が分からないのではなく、呼ばない、呼びたくない→主催者サイドとしては、赤字にはしたくないし、周知の意味もww)
- 教室の発表会やライブを卒業公演みたいに考えてしまう人もいる
教室目線
- 生徒さんの本当の課題を顧みず、ライブイベントの流れに無理やり押し込めてしまう
- 参加する生徒さんが限定されてしまう(毎回参加者が同じ生徒さんwww)
- ユニークな試みや大義名分を考えないと寄ってこない
- (殆どないと思うが)主催者、代表者の自己満足に陥る可能性も否定はできない
スクール・教室側、お店(場所貸し)側、参加者側、全ての立場で納得できる仕組みは「無い」に等しいと考えています。やりながら反省点を見つけ改善してゆくといったサイクル。これは昔も今も変わりません。
著作権に注意
ここで著作権のことをお話しましょう。カラオケの場合、あなたが歌うごとに著作権料が支払われている仕組みになっています。お店で流れているBGMの利用も著作権料を支払わないとなりません。
これからはスクールや教室でライブを行なう場合、窮屈になるかもしれませんね。それは著作権がらみの問題が出ているからです。
2年位前に、JASRACが音楽教室から著作権料をとろうとしていることが話題になりましたが覚えていますか?
▼こちら
先日、SNSでもこんな記事が挙げられていました。
小さいながらも音楽教室を運営している身としては黙ってはいられません!小さな教室だからこそ声を上げたい!そう考えています。
リンク記事にもありますように、問題となるのは著作財産権の上演権・演奏権です。歌うこともこの権利に当てはまります。
著作者は、その著作物を、公衆に直接見せ又は聞かせることを目的として(以下「公に」という。)上演し、又は演奏する権利を専有する。
(著作権法22条)
作詞作曲者は、自分の著作物を演奏する権利を他人に無断でされない権利を独り占め(専有)できる。著作権者の許諾なく他人が楽曲を演奏すると、演奏権の侵害になるという意味です。
この場合、演奏権の権利を主張できる人は作詞作曲者ということになります。演奏する人は実演家というくくりで別の権利が与えられています(著作隣接権)。
僕は、JASRACが問題視していることは、上演権・演奏権の侵害には当たらないと解釈しています。
公衆に=公に
不特定多数の人だけではなく、特定された多数の人というのは理解できます。例えば教室に在籍している生徒さんも「特定された多数の人」ということになります。
直接見せ又は聞かせること
ここの解釈の違いでどうにでもなります。
教室側は「教室での演奏は、コンサートと大きく異なる。楽器の指導・練習のための演奏であり、演奏権は及ばない」と主張。
と言い切ってやるぅ!
練習などは、公に対して直接上演・演奏するといった意味ではありません。なので著作権料を支払う権利はありません。と解釈したいのです。
問題は身近なところでも勃発する!
著作権はいろんな権利(支分権)が入り組んでおり、一見ややこしい感じがします。だから敬遠もされがち。ただし、今の学校教育の中に、著作権の内容は項目として入っていますよね。
こういったことは、難しいと言って避けるのではなく、知っておいた方が自由で安全です。知らなかったばかりに身近な仲間を傷つけたりする場合もあるからです。
このお話は次回にさせてください。著作権がらみについてよくありがちなことです。こんな経験、ミュージシャンのあなたにもありませんか?といった内容です。