今回の内容は
正しい/音程の取り方 でしょうか?①
正しい音程の/取り方 でしょうか?②
微妙にニュアンスが違う。これがお判りでしょうか?
「音程の正しい取り方」にすると①とほぼ同じ意味になりますが、しっかりと狙おうとするあまり、味のある歌ではなくなってしまう。そんな意味にも取れます。また、②「正しい音程の/取り方」とすると、音符の高さありきで話が進んでしまいます。とにかく音程からということで、後で出てくるブルーノートを無視してしまうでしょう。それも違うなぁと感じています。
今回は、
音楽のジャンルによって、歌うボーカリストによって違うでしょう♪
という切り口からお話します。
音程の内容ですと、どうしても音痴ということに繋がってきますが、音痴そのものの内容については、こちらのコラム記事を参考にしてください。
それでは、参りましょう。あなたの歌を上達させるヒントとなれば嬉しいです。
音程には幅がある!その幅の中に納まればよい♪
今回の内容をひと言で言い表すと、上のタイトルになります。ただ、ここでブラウザバックしてほしくありません。折角なので最後までお付き合いください。
音程の中でもインターバルの話ではなく、ピッチよりの内容となります。
言い換えると、
ピッチにはレンジ(音の範囲)があるので、その範囲内でチューニングできれば良い(=音が取れていればよい)
ということになります。
チューニングとは、音楽用語では主に楽器の調律を意味します。一般用語ですと、車や機械などの調整という意味もあります。
【チューニング】
音の高さや電子信号などの調律が取れている状態(一致している状態)を意味する英語。 通信や放送において、調律が取れている状態。 同調。 周波数が合っている状態。
◆引用◆ フリー百科事典 ウィキペディア(Wikipedia)
ここで音程という用語の幾つかの意味合い、特にピッチとインターバルの違いを復習しておきましょう。
上がるメロディか?下るメロディか?によって傾向がある
上のイラストは、二分音符に人がぶら下がっている(左側)、腰かけている(右側)イラストです。ぶら下がりから落っこちてしまうと♭(フラット:出したい音の高さよりも低くなる)します。レッスンで音程(ピッチ)のことを生徒さんにフィードバックする時、このようなイラストを使って説明することがあります。
音がぶら下がり気味だから、のっかって(腰かけて)ね。
というように。
ここで話を単純にしましょう。ドレミファソ↗で上がってゆくのか?ソファミレド↘で下がるのか?で「ミ」の音が♭気味になるのか、♯気味になるのか傾向があるんです。(人によっては、レやファのピッチを外す場合もw)
ドレミファソと上がってゆくスケールよりもソファミレドと降りてくるスケールの方が「ミ」の音は♭しやすくなります。生徒さんが全員そうではありませんが、10人中6~7人がそのようです。(当教室比)
声をチューニングしてしまおう
さて、ピアノだって、A音(ラの音)を440Hzにするのか?それとも441Hzでチューニングするのかで、楽器そのものの音色(明るさや広がりなど)が、ググーンと変わってきますよね。声もチューニングしましょう。
このような考え方でピッチをとっていこうとすると、発声もある程度の幅の中に収まればよいことに気づけます。
上のイラスト上段では
①だと♭になる
➁だと♯になる
ならば、上のイラスト下段のように、その範囲内でピッチがとれれば良い!ということです。クラシックのジャンルでは
しっかりと、キチンと音をとりなさい!
といわれるかもしれませんね。しかし、ブルース、ジャズ、ロック、J-Popなどは、ある程度の幅で音がとれていても良い!と感じています。
このあたりの話を突っ込んでいくと、かなり専門的になりますよね。西洋音楽の音階なのか?民族音楽なのか?音楽理論を絡めた場合には、スケールとモードの話になりますね。
【スケール:音階】
音を階段のように線状で並べたもので、何通りもの並べ方がある。特定のパターンに従ってグループ化した音の並び方。お馴染みなのは、メジャースケールとマイナースケール。
【メロディ:旋律】
似た用語に旋律があるがこれはメロディ(melody)の意味で、音楽の三要素の中のひとつ。
チューニングの仕方は●●●●●●によって違う
●●●●●●には、
音 楽 の ジャ ン ル
楽 曲 の 種 類 等
曲 の 解 釈 方 法 が入ります。
何の曲を歌っているかによって声のピッチは上げ気味にした方が良いのか?下げ気味にした方が良いのか変わってきます。
また、同じ曲でも、幅内に収まっておれば良い。聞こえ方として違和感がなければ、カッコよければ良いということになります。高めのピッチなら広がりある声の音色となるでしょう。低めのピッチの場合深みは増しますが、♭しやすい人もいるかもしれません。
さらに、ブルースを歌っている場合、コード進行の中ではブルノートスケールで歌った方が、ブルースっぽく歌えます。元々はアフリカの音階で、それが12の音の階段(平均律の範囲内)には収まらない、微妙な高さです。
チューニングというと、チューニングできる楽器の場合、始めにしっかりとしてから演奏するでしょう。ボイストレーニングは、声のチューニングともいえるかもしれません。そのチューニングも
- 歌う前のチューニング(いわゆるボイストレーニング)
- 音楽のジャンル、楽曲の種類
- あなたの曲に対しての解釈
によって声のチューニング設定を変えてください。ボイストレーニングでは、そのような引出しをたくさん作っておく作業であり、潤滑油にもなり得るのです。