「自主練、自己練の地味な部分を楽しさに変えるために」のシリーズが、後半戦に突入いたしました。後半戦は初級者でも中級に差し掛かるレベル、中級者が行なう自主練、自己練についてみなさんとシェアしたり考えたりしていこう。こんな流れになっております。
お時間のある方、どうぞお付き合いください。
今回は、「自己練の地味な部分を楽しさに変えるために(第8回目)」として、動画を使った自主練、自己練のやり方です。参考になれば幸いです。
ちょっと待て!動画でやる時、気をつけよう!
皆さんの中には、YouTubeを使って自主練、自己練をしている方も多いと思います。ボイトレの動画だけではなく、楽器の演奏の方法、ダイエットの分野でのストレッチや筋トレなど、教則DVDや教則本がYouTube動画に変わられている時代となりました。
今回お伝えする「動画を活用しながらの自主練、自己練」は薬にも毒にもなります。気をつけてやらないと狙っている効果は期待できないのです。
良さそうな動画、チャンネル登録者数の多い動画をクリックしてみたところであなたに会っているかどうか?それは見終わってみないと判断できませんよね。
これは、ボイトレ動画に限ったことではありません。よくよく観ていくといろんなタイプの動画に分かれています。それを見極めないと、観ているだけで「やった気になっている」といった勘違いにもなりかねません。
何を狙っている動画なのかをつかむ
そこで、まず何の効果を狙っている動画なのかを確認しましょう。
言い方を変えると、最初にググっておいてから、検索で出てきた動画を比較すると良いでしょう。検索のキーワードの入れたかを変えるだけで違う動画も出てきますので、この作業を面倒がらずにやりましょう。
以下、大きく分けて4つのタイプが挙げられます。
- レクチャー中心
- 実際に歌ってみた
- フレーズ主体でレクチャーと歌をまわしていく
- その他、インタビュー(対談)形式
ひとつずつ見ていきましょう。
1.レクチャー中心
例えば、
- ボイトレ基礎の●●日間
- リップロールのやり方
- 高音域の出し方
- 自宅でルーティンボイトレ
- ビブラートをうまくかけるコツ
などなど
時間としては大体4分ちょっとから15分くらいまで。長い動画になると38分近くあるものもアップされていました。どちらかというとレクチャー、メニューのやり方、そのメニューをやる背景の説明などに時間を割いている内容が多いです。
純粋に動画を流しっ放し、回しっ放しで練習を行なうものとしては、ボイトレ動画よりも「腹筋を鍛える」や「太ももを細くする」系の動画の方が流れを止めていないような気がします。
2.実際に歌ってみた
動画前半で曲の解説をし、歌うポイントなどを説明、後半で実際に歌ってみるといった流れでやっています。または、解説抜きで始めから歌っている動画もあります。「歌ってみた系」がここに当てはまります。
あなたが課題曲としてやろうとしている曲が、動画でアップされていれば、参考に観ておくことをお勧めします。しかし、気に入ったものを選ぶのはちょっと待ってください。何故なら・・・
あなたの選んだ曲が、そのままあなたが参考にしてよい歌い方とは限らないからです。
こういう時往々にして
選んだ曲≠参考にしてよい歌い方(つまり、あなたが参考にしない方が良いボーカリスト)
となる場合が出てきます。歌っているボーカリストの批判ではないので誤解のないようにお願いしますね。
またこういった動画の場合、ボーカルレッスンというよりも動画の管理人の歌ウマ披露で終わってしまうこともあるのが現状です。自主練や自己練をやる場合には注意が必要です。
ボイトレを習っていないあなたは「2.実際に歌ってみた」動画より「3.フレーズ主体でレクチャーと歌を交互にまわしていく」動画の方が合っているかもしれません。
3.フレーズ主体でレクチャーと歌を交互にまわしていく
ひとつの曲をフレーズ・バイ・フレーズで軽快な語りのテンポによって進めていく動画です。
導入部で曲の難易度とポイントの全体像が把握でき、Aメロはこういう点に注意、Bメロはここを意識など
フレーズ単位で歌う→解説
を繰り返していきます。大体10分~15分程度の枠に収められており、独自の歌唱分析も見応え?聴き応え?があります(^O^)♪
歌いたい課題曲が、このタイプの動画にない場合には
どうすればいいんでしょうか?
はい。ご本家の歌を何度も何度も聴いて参考にしましょう。
4.その他、インタビュー(対談)形式
YouTube動画の中でトレーナー同士の対談、ボイトレスクールからのインタビューなど、中には興味深い企画モノもあります。他には
歌が下手になる練習方法していませんか?
こんな練習だと歌が下手になる
など、視聴者の不安をあおっている動画もありますね~。賛否のほどはさておいて、これはこれで勉強になりますね。
中級レベルにさし掛かる前にありがちな落とし穴
今回お話したことは、初級の方がやってしまうと、レッスンメニュー青い鳥症候群に陥ってしまう可能性があります。
分からないまま、あちこちの動画をつまみ食いしても良いこと(得られるメリット)はないからです。
【当サイトより引用】
初心者と中級者の違いですが、これはあくまでも僕のひとつの判断です。
「者」ではなく「範囲」と解釈しています。初級者=初級の範囲
ボイトレ以前のストレッチやウォーミングアップからよくあるボイトレのメニューまでの範囲。中級者=中級の範囲
どちらかというとボーカルトレーニング寄り。ある課題曲を歌うためのボイストレーニング。
勘違いしないでいただきたいのは、
トレーナー中級者だからといって基礎練を疎かにしてはいけないよ。
ということなのです。
初心者・初級者でも中級者でも基礎練は絶対に必要ですから。
もしどうしても動画を使ってやりたい場合、ボイトレ未経験の方は一度、リキャスト・ボイトレという方法を取り入れてみてください。
あなたが選ぶ動画は2~3本
- レクチャー中心の動画
- リキャスト・ボイトレ(メニューの流れを止めずにフィードバックしながら進める動画)
- ボーカルトレーニング用に1本
を選んでみましょう。リキャスト・ボイトレはワンバイブス パフォーマンス活声課®で作りましたので、参考にしてみてください。
▼別な角度から「ボーカル力レベルアップのためのストラテジー♪」を載せています。