先日、2021年度音声学入門講座がZoomによって行なわれました。
自称「音オタク」である室長にとっては、より良いアウトプット(レッスン)のためにインプットとアウトプットの整理は欠かせません。セミナーはトータルで3時間。前半と後半に分かれた内容でした。
今回は内容の要旨ではなく、受講した感想や意見を述べようと思います。
音声学入門講座とは
音声学入門講座とは日本音声学会が主催する講座です。
さて、音声学とは何でしょうか?一見難しそうに感じます。しかし言葉を使って伝達している以上、決して避けては通れない学問でもあります。それは音楽の分野(歌うこと)でも、言語の分野(話す・読む、言語障害など)でも必要になってくるからです。
▼音声学3つの分野
▼日本音声学会のこと
音声学会による日本語教育の音声教授法セミナー
今回の内容を一言で言うと、日本語教師に向けた音声指導の教授法と、グループワーク(ロール・プレイング)といった内容でした。
前半は講義中心、後半は数名のグループにわかれてワークをしました。
【前半】
- 自律学習を促すための発音教育について考える。
- 発音指導に役立つ学習サイト・ツールを知る。
【後半】
3. 発音指導の目標と活動内容を考える。(活動を通して、身近な日本語学習者に対する発音の助言ができるようになる)
4. 異なる考えの集まりがぶつかり合うことで新しいものを生み出す。
感想は、全体的に勉強になった部分が多かった内容でした。ただ、
初参加の方、日本語教育んことをほとんど知らない方にとってはどんな感想を抱いたのだろう?(特に【後半】の3.と4.)
と疑問が残った部分もあったことは事実です。
そんな思いを抱きならがの感想を述べてみます。
先生の立場
まず、先生の立場からです。
先生の立場と書きましたが、2019年11月時点で、日本語教室のない地域に居住する外国人は約47万人いたそうです。現在、入国緩和措置が取られているということ。そして戦争や紛争から逃れてくる難民を受け入れる人道的な事を考えれば、誰もが日本語の音を伝えなければならない時代が来ているということです。
これは日本語教師だけではなく、その他の人も心にとめておかないとならない。誰もが日本語のサポーターになれる時代が来るのだ。そのように語っていました。
教える側が「自律」を促してゆく
さて、ここで自律について考えてみましょう。自律とは自分で自分の学習を管理することです。二つのステップに分けていきましょう。
第一ステップとして教える側を送り出す対応と言い換えると、送り出す側は学習者自らの自律を促せるように、それぞれ異なる課題があることを知っておくのです。
第二ステップはそれらを踏まえ、全体像から達成可能なスモールステップの段階に分けて、自信をつけてもらうことが大事。これはそのままボイストレーニングのレッスンにも当てはまりますよね。
学習者の立場
次に学習者の立場からです。
日本語教育の分野ですと、学ぶ側のことを学生、生徒と言わずに「学習者」ということがほとんどです。
とりわけ大切なこと。学習は学習者のためのモノです。先生や伝える側のパフォーマンスも問われますが、学習者(受ける側)が「自分のためのモノ」と認識できること、これも伝える側のパフォーマンスに関わってくるんだ。室長はそのように感じたのです。
両方の学習スタイルについて
さらに深掘りしていくと、注意しなければならないことを見つけます。教える側、教わる側、教師と学習者の学習スタイルが異なると意欲の低下につながるということです。両方のスタイルが同じか似ている方が教わる側も伸びていきますし、教える側にも気づきがたくさんあり、成長に繋がります。
大切なことは自分に合っている学習方法を探して見つけてもらうことと、自分に合った練習方法をあみ出して作ってもらうことなのです。
最後に、伸びる方法は2つということをお伝えします。これはワンバイブスの考え方に近い部分でもあったので、嬉しくなったと同時に確信が持てるようになりました。
① 自分で教えてみる:自分の中にあるものをアウトプットすることで「理解度が判断」できる。
② 学習教材を作る:作ること で新たな 発見 が生じ、「深い学び」となり成長につながる 。 (井庭 2019)
この2つを相談しながら進めてゆくことが大切。 コツはコツコツとテスト改善していくことなんだと。
補足
過去に音声学会が主催したセミナー(室長が出席したセミナー)の記事です。
▼中舌母音についての内容
▼大学入試問題で出題された発音記号の問題(奇問が出ました)
▼聴取と聴解の定義づけ