声は思い切り出し続けると、喉が痛くなってしまいますよね。
良く例えとして出されるのが、声帯は笛のようなものであるということ。
リコーダーを思いっきり吹いたところで、決して良い音は出ませんよね。
声帯はデリケートな部分です。ギターで例えていうところの弦みたいなものです。
- まず、リラックスした状態から声を発しないとなりません。
- 次に、声が出るということは、声帯の開閉運動+吐く息によって出るということです。
(この部分の詳しいことは、別の記事にしてアップいたします)
では、出した声の良し悪しはどのように判断すれば良いのでしょう?
特に上半身、肩、首(→喉)に負担がかかった発声は良いとはいえません。
ある程度、レッスンを積んでいけば、今の発声は力が入っていた。余分な力が抜けていた。ということが分かります。
ここでは感覚的に言われ続けている良い声というものを、ある尺度(物差し)によって判断する基準について書いていきます。そうすることで、客観的に自分自身の声を判断できるでしょう。
ボイトレで得られる良い声とは何?♪
明るい声、重たい声、金切り声、元気な声、猫のような声などなど・・・。
何だか、形容詞、形容動詞、明喩(直喩)を使った言い方が多いですね。
ただし、これらは感覚的にその人が表現しているだけにすぎません。
あははは、堂々巡りですなあ・・・
良い声を多面的にとらえていこう
この「良い声」を一方向からではなく、多面的に見ていくとどうなるでしょうか。良い声というのは、立場によってとらえ方が違うのです。
以下のことは、生徒さん達に話している時があります。
▼それぞれの立場から見た良い声
☑ 表現者(ボーカリスト、プレイヤー、役者、声優など)の立場から
☑ 聴き手(オーディエンス)の立場から
☑ ボイストレーナーの立場から
☑ エンジニア(レコーディングエンジニア、PAエンジニア)の立場から
☑ ディレクター、演出家の立場から
☑ 耳鼻咽喉科や言語聴覚士の立場から
さあ、それぞれの立場からの良い声とはどんな声でしょう?
全ての立場から同じ答えが返ってきますか?それとも違いますか?
実際に尋ねてみるのが一番でしょうが、ここに良い声のヒントが隠されているのです。
例えば、
エンジニアの立場からでは、
マイクにノリやすい声 抜けの良い声
ディレクター、演出家の立場からでは、
伝達力、注目力のある声
というように違った答が返ってくる場合もあるんですよ。
声の尺度(モノサシ)を持とう
だいたい、良い声というのは一定のきまり、規範があるわけではありません!(きっぱりと言い切り)聴く人の好みに左右される印象や感覚によるところが大きいのです。
ソフトにしか出せない声の人が、シャウトして歌っている人を観て羨ましがるのは、それはアリだと思っています。
ただし、発声の時、自分なりの「声の尺度(モノサシ)」は持っていましょう。
あちらこちらから「あーだ、こーだ」言われて何が良い声なのか分からなくなる前に、です。
そうなる前に、担当のトレーナーといっしょに「声尺度」を検討してみましょう。
きっと親身になって考えてくれるでしょう。
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声の要素
先ほどの、声について形容詞、形容動詞、明喩(直喩)を使った言い方は、声帯の張り具合と出てくる息の圧力、効率のよい息の吐き方などに関係しています。
声音の要素ともいわれたり、3大要素、4要素など、トレーナーによって分類の仕方はまちまちです。自分にとってしっくりくれば、どれを選んでもよろしいでしょう。
下の表をご覧ください。
声の4つの要素 | 高さ | 低さ |
大きさ ※さらに下位区分あり |
小ささ ※さらに下位区分あり |
|
持続 長い | 持続 短い | |
音色 明るめ 軽め |
音色 暗め 重め |
|
*声質 | 先天的な要素 | |
*音色 | 後天的な要素 声色とも |
*【先天的な要素】声質
顔の骨格の違い、声帯、咽頭、口腔、鼻腔など身体の器官の違いで決定される
*【後天的な要素】音色
口の開け方、あごの落とし方や舌の位置、力のかけ具合や抜き方などで決定される
ただし、骨格は基本的に変わらないとする説、骨格は年月をかけて少しずつ変わるという説。様々な情報が飛び交っています。先天的な要素である声質を変えたければ、骨格を柱としたボイストレーニングを長~~~く年月をかけてやってみることです。冗談ではなく、本当に声を変えたいと思ったら、人生賭けてやってみてもよいのでないでしょうか?(笑)
人の声は、これら要素の組み合わせで、さまざまな歌声、話し声を発しているわけです。
いろんな条件が重なって声の要素が出来あがっているんですね。
まとめ
今回のまとめです。
声の要素は、上の表を参考にして、自分なりに考えてみることも発見があるでしょう。
☑ 良い声の定義は、立場によって違うことがある
☑ 自分なりの声の尺度を持つ
☑ 声の尺度を持つためには、声の要素を考える