レッスンをやり始めしばらく経つと、皆さん上達の兆候が見え隠れしてきます。これはもう、生徒さんの努力の賜物です。
にもかかわらず、そのまま上達できる人と、なかなか上達できない人に分かれてしまう事があります。言い換えると「伸び始めのきっかけ」がその後を決めてしまうのです。これを逃してしまうと、上手く伸びない生徒さんもいらっしゃいます。
一体この違いは何が原因なのでしょう?
上達のタイミングで訪れるふたつの変化
もちろん、上達の仕方は人それぞれです。上達の仕方、伸び方は以下のリンクを貼った関連記事を参考にしてください。
そこで今回は、必要になってくるふたつの変化についてフォーカスを当てていきましょう。
両輪をバランスよく回すことが大切
まず、結論から申し上げますと
- 瞬発力の変化
- 持続的な変化
あなたが歌う声や話す声の上達を願う場合、これらふたつのバランスに気づきながら進めていかないとなりません。
瞬発力の変化(その1)
1点目は『瞬発力の変化』です。
歌うこと、特にライブやレコーディングの分野において、または台詞発話をする場合にも相手役からの呼応・反応、ナレーションを言う始めのタイミングなど・・・。
表現する数々の現場において必ず出てくるのが、この瞬発力なのです。
レッスンの段階では、失敗しても良いのでやってみましょう。いや、むしろ失敗することで課題が見つかる、成長が出来る!このように捉えるとよいのです。
1回試しただけで直ぐに良い結果や効果の出る
Before ➡ After
これも、瞬発力の変化と捉えてよいでしょう。
持続的な変化(その2)
一方、コツをつかむためにコツコツと練習を積みながら変わってゆく。これを『持続的な変化』といいます。これらの背景には、その人の学習ビリーフ(信念・信条)やスキーマ(既有知識)など、複雑に絡み合ってきます。
それだけでなく、そこに集中力(注意力)も関係してきます。
このようにして積み上げていった『持続的な変化』と、元々持っている『瞬発力の変化』とどのようにブレンドさせてゆくか?あるいは掛け合わせてゆくか?
ここを疎かにすると上達が難しくなります。
なお、怖いのは、コツコツと年月かけて上達することよりも「揺れ」がきたり「化石化」になってしまうことです。
なかなか変化が訪れない場合
しかしながら、なかなか変化がやってこない場合もあるでしょう。そんな時に考えてはいけないことが、これもふたつあります。
人と比べてしまうこと
他人と比べながら自分をどんどん否定してゆく、いわゆる『ディスカウント症候群』と言われる症状です。
例えば
- 自分には歌が上手くなる才能なんてない
- 何をやっても自信が持てない
- どうせ外国曲をやったところで結果は知れている
- ライブ出演は無理かも・・・
などの考え方に支配されてしまうのです。
どうか変化がないからといって、この考え方をしないでくださいね。
練習していれば、そのうち変わる
つづいて『王子様を待ってる症候群』です。つまり『白馬の王子サマを待ちぼうけ』という状態です。言い換えると
このままでも、何とかなるんじゃないんだろうか?
という考えに支配されていることなのです。
具体的には
- 自分にはもっと出来るはず(足るを知らない)
- そのうち自分にとって都合の良いことが起こるはずだ
- 何となく希望を持っている
- 自分の声をもっと導いてくれる人がいるはず
ところが、あなたの声を変えられるのはトレーナーではなく、あなた自身なのです。
初~中級にかかる人は禁句のひと言!
いませんか?こんな人
練習を続けていれば、出来るようになるんですよね。上手くなるんですよね。
結論、ただ続けていても上達はしません。なぜならフィードバックをしながらやっていないからです。自分でフィードバックをすることで自己評価が出来ます。
気をつけてください。「評価」は先生やトレーナーだけがするものではありません。表現者自らが「自己評価」することでメタ認知能力が高まります。
トレーナーはあなたが望んでいる声や歌い方を理解し、それをあなたが「正当に」手に入れるために役に立つのです。