ハーモニカについてお話しましょう。
最近、昔の友人知人からは、「今は吹いてないの?」とか言われますし、生徒さんからハーモニカのことについて訊かれます。(2016年7月現在)
まあ、ここでさわりでも伝えることが出来れば、と考えて書いています。
ハーモニカはボイトレにイイ?!
ボーカリストが片手間にハーモニカを吹いたり、ギターの弾き語りでホルダーをつけてハーモニカを吹いている姿も目にしますね。
古くはアメリカのボブ・ディラン(Bob Dylan)が有名でしょう。
▼Bob Dylan-Blowin’The Wind (風に吹かれて)
https://www.youtube.com/watch?v=7GDqvnGai50
0:41辺りからハーモニカの音色が聴けます。
また、ニューヨーク出身のビリー・ジョエル(Billy Joel)は、名曲 Piano Manでピアノを弾きながらハーモニカを吹いています。
▼Billy Joel – Piano Man (with lyrics)
https://www.youtube.com/watch?v=MWUy-OZYWxs
日本でも、弾き語りをしながら、首からホルダーをかけて吹くスタイルが定着していますよね。長渕剛さんや故 尾崎豊さんなど。
ホルダーをかけなくても、いろんなシンガーやボーカリストが使っています。
何故、ハーモニカ?
なぜなら、ハーモニカをはじめとして、吹きモノの楽器をやっている方々は、腹式呼吸が出来るからです。
ハーモニカは腹式呼吸の練習にイイです。
ハーモニカを吹けるようになると、腹式呼吸の吐き方と吸い方のバリエーションは一段レベルアップすることでしょう。
これぞ、ボーカリストを助ける楽器
僕がハーモニカの魅力に取り憑かれた理由は4つです。
- 息づかいがダイレクトに音色に変わる楽器だから
- 息を使う楽器の中で吸って音が出る楽器だから
- 息を使うので自然と腹式呼吸が出来てくるから
- ハーモニカプレイヤーは、長寿の人が多いから
1つ目は、演奏する人の個性をほぼストレートに音として出してくれます。
2つ目は、吸って音が出る数少ない楽器だからです。
サックス、トランペット、フルートなど、いわゆる吹きモノといわれている楽器はたくさんあります。
しかし、吸って音が出せる、空気を吸い込む形で音が出せる楽器は・・・
- 雅楽で使われる笙(しょう)
- アコーディオン
- そしてハーモニカ
の3種類だけですっ!
3つ目は、先ほどから書いていますね(笑)
ハーモニカを演奏することで、吹いたり吸ったり。。。腹式呼吸に結びつきます。
4つ目は、あくまで私が知っている範囲内でという但し書きが加わりますが。
ただ、最近(2016年8月22日)亡くなった世界的なジャズ・ハーモニカプレイヤーのトゥーツ・シールマンスさんは、94歳というご高齢でした。
あのジョン・レノンの名曲イマジンをクロマチック・ハーモニカ(レバーつき)で吹いています。
▼Toots Thielemans-Imagine (John Lennon.wmv)
https://www.youtube.com/watch?v=8UpQSKsxhCc
ハーモニカの種類
ハーモニカには、複音ハーモニカやバス・ハーモニカなど種類はたくさんあります。
今回はふたつ。
横にレバーが着いている「クロマチック・ハーモニカ」これは、あのスティービー・ワンダー(Stevie Wonder)大先生が使っているのが有名です。
僕が主に使っているのは、クロマチックハーモニカ(写真上)ではなく、写真下のように穴が10個あって吹き吸いができる10ホールズ・ハーモニカ(ミシシッピ・サキソフォン)のことです。
楽器の構造を知ると短所と長所が分かる
短所 口の中のことだから・・・
ギターや鍵盤楽器、打楽器。
これらは、手や指の動き腕の使い方などは目で見て判断できますよね。
プレイヤーの「手グセ」なども分かってきます。
ところがハーモニカの場合、目をこらしても判断できないんです。
これはハーモニカだけでなく、管楽器全般に言えることでしょう。
そうです。
口の中は基本的に見ることが出来ません。
なので、音を聞いて自分で判断するか、どういった奏法でやっているかをプレイヤーに訊ねなければなりません。
長所 小さなかわいいメッセージボックス
ハーモニカは、どこでも持ち運ぶことが出来る小さなメッセージボックスです。
10個の穴から醸し出されるアコースティックな音色は感情のダイナミクスを伝えてくれます。
また、アンプリファイドといってアンプを鳴らしてマイクを握って演奏すると、サックスのような、トランペットのような音色になることもあります。
ときに優しく、ときには激しくささやいていたり、語っていたり、泣いていたり、叫んでくれます。特にブルースハープは、初めての方にも吹ける楽器です。
この楽器、簡単そうに見えてもそうはいきません。
しかし、興味の湧いた方は、やってみましょう。シンプルだけど、その奥深さにハマります!