音楽の聞き方、聴き方、そしてアナライズ

Processed with MOLDIV 制作活動の現場から

皆さんは音楽をどのように聴いていますか?

このサイトに訪れている読者の方
音楽のきき方ってあるの?

 

と思った方は、スルドイです。

どういうことかというと、きく(聞く、聴く)といった聴覚は、人がインプットするだけでなくアウトプットするために必要なことだからです。

つまり、歌っているときにはインプットとアウトプットを頭の中でほぼ同時に行っているからです。

聴覚という感覚は、耳からのインプットを音として認識するだけではありません。歌っているボーカリストや楽器を演奏するプレイヤーから出しているサウンドに含まれるさまざまな情報(気持ち、声や音そのもの、演奏で間違えそうになった箇所など)もインプットされるのです。

ほぼ同時にと書いたのは、民族によって、使う言語によって、インプットとアウトプットに若干のズレがあるからです。これは0コンマ何秒といった短いズレです。

これについては、また機会がありましたら記事にしますね。

ここで「きく」という意味付けをしましょう。ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、今回の記事を読み進めていく上で大切な事ですから載せておきます。

【「きく」の幾つかの意味】
☑聞く(hear)受動的。門を通って音が耳に入るだけの場合に使う。門があるので全て耳に入ってこない場合もあります。
例)小鳥のさえずりを聞く 遠くからサイレンが聞こえる

☑聴く(listen)能動的、積極的。まっすぐな心を持って、一生懸命に聴く。意識して聴く。
目的を持って注意深く聴く。受け止める→受け容れるプロセス。
例)音楽を聴く モスキート音を聴く

訊く(ask)訪ねる。質問して相手の持っている情報を訊き出すことです。ここでの訊くは、訊問とは違います。
例)分からないことがあったら訊いてください。

ボイストレーニングだからこそ鍛えたい感覚
現在では大都市圏を中心にボイトレスクールがひしめき合っている状態です。そんな中で声の力を知っている人はボイストレーナーの方をはじめ、ボーカリスト、役者さんや声優さん、アナウンサー、通われている生徒さん・・・。それでも一握りです。ボイストレーニングの場合、楽器を買う事もないので手軽にできちゃったりしま...

音楽を聴く事とアナライズすること♪

今回は、普段どのようにして音楽を聴いているのか、更にそれをどのように自分の中に落とし込んでいるのか。

その辺りを説明していこうと思います。

というのも、最近生徒さんにこんな事を言われたからです。

月額制音楽業界パノラマパック受講の生徒さん
先生、なんでちょっと聞いただけで構成とかアレンジとか分かるんですか?

担当トレーナー
え?!ちょっと聴いただけで・・・?

そんなに自分で、曲の理解が早い方だとは思っていなかったので、ちょっと驚きました。
どうやって音楽を聞いているのか、改めて考えさせてくれる良い機会だったので、
皆さんにもお伝え出来ればと思います。

順序立てたアナライズ方法

この楽曲の聴き方は、メロディーだけが孤立しない、楽曲のアレンジになじんだメロディーを考える際にも役立つ部分です。
少ない回数しか聴かないで、楽曲を理解していくには、何曲も分析(アナライズ)することが大事です。

まず、こんな曲作りたい、演奏したいと思う曲を用意します。

1.構成を書き出す

構成というのは、いわゆるAメロとかサビという部分です。
各セクションの名称は人によってCメロと言ったりサビと言ったり、多少違うので、その辺りはひとまず自分が把握しやすい名称でいいです。

例にすると、*IN-A-B-C-inter-2A-2B-2C-solo-3C-OUT
のような形です。

まずはこれで全体の構成を把握します。

*INというのは曲のintro(イントロ=入口)、OUTというのは曲のoutro(アウトロ=出口)という意味です。

2.使用されている楽器を書き出す

楽曲のカラーや、印象を決める部分で重要なのが使用楽器です。
音色までなんとなく頭に入れておくと、なお良いです。

例えばこのような形

  • ボーカル
  • ギター
  • ピアノ
  • ベース
  • ドラム
  • ストリングス
  • フルート

このように生楽器で名称も有名なものは、書き出しやすいかと思います。
音は聴き取れるけど、何の楽器か分からないものは、シンセサイザーで作られたものが多いです。

音色も一緒に、といったのは、同じ楽器でも音のきらびやかさや、太さなどが全然違うという理由からです。

3.作っている人を調べる

いわゆるCDとかに表記されているクレジットの作詞、作曲、編曲の部分、演奏者まで分かると最高です。

これは何故かというと、職業作家とアーティスト作家の識別をしたいからです。

曲を作る上で、職業作家とアーティスト作家という人がいます。

職業作家というのは、いわゆる専門家の方です。最近ではマルチに活動されている方が多いので珍しいかもしれませんが、専業作詞家の方や主に編曲をやっている方です。

それに対して、アーティスト作家というのは、作詞、作曲をそのアーティスト自身、もしくはバンドであればバンドメンバーです。

最初は分かりにくかもしれないんですが、傾向として、

  • 職業作家は、誰が歌ったとしても良い曲に聞こえる曲
  • アーティスト作家は、その人自身が最も映える曲

を作ります。

もちろん全部がそうではありませんが、やっぱりどちらのパターンでもそれぞれの良さがあります。

演奏者も調べられると良いと書いたのは、有名なスタジオミュージシャンの方は至るところで、サポートをしています。

なんかこの曲のリズムがカッコいいなって思った場合に、そのドラマーさんから聞いて行く曲をどんどん繋げて行く事が出来るんですね。

各楽器の音色の特徴も理解していく上で、誰が演奏しているかを知っておく事も楽曲を理解しやすくなるポイントです。

普段からこの3点を意識して聞く事で、段々と楽曲を理解するスピードが上がっていきます。

2つのパターンの曲を用意

もう1つポイントをお伝えすると、アナライズする曲は2パターン用意します。

1)自分の好きな曲

これは当然と言えば当然ですが、自分の好きな曲をアナライズする事で、自分の音楽観の芯となる部分が作られていきます。

誰かにどんな曲が好きかという説明や、こんなアレンジにしたいという説明もしやすくなります。

2)歌い継がれている曲

これはどんな曲かというと、何年何十年も前に発表された曲なのに、今でもCMで使われていたり、自分でも口ずさめたりする曲です。

そのような曲には、何かしら歌い継がれているワケがあります。

歌詞なのか、メロディーラインなのか、はたまた歌い手なのか。

大体が全体のバランスの良さという結論になるかと思いますが、その辺りを考察してみるのも非常に勉強になります。

このような形で音楽を聞く事で、段々と曲を聞きながら自分の中で、これはあのタイプの曲だなっていうように分類分け出来るようになっていきます。

その分類の中で、今までの流れとは違う部分がその曲の特徴になっていったりするので、ただ何気なく歩いていて流れているBGMなんかを聞いていても参考に出来る耳が出来上がります。

今までとは違った音楽の楽しさにも気付くような部分もいっぱいあると思うので、試してみて頂けたらと思います。

まとめ 聴くことを右脳と左脳のブレンドで行なう

ここまでの内容を読んで頂いた方は、

このサイトに訪れている読者の方
へぇ、聴く力って、分析できる力なんだぁ!

このように考えると、アナライズする事がどういうことなのか?分かって頂けたかと思います。

結局、出した声の、音のニュアンスを感じとる能力が高い。それを耳が良いというのでしょう。感覚で聴く(聞くではありません)右脳型も大事だし、今回の内容でメインだったアナライズ型の左脳も大事です。バランスって大切だなと感じました。

とにかく、試してみる事が一番の体感ですので聴いて、聴きこんでみてください。


今回の記事は分筆を行いました。音楽を聴く事とアナライズの箇所は、あざみ野教室のてつろう先生が、導入とまとめの部分は、室長が担当したことを記しておきます。【お互い許諾済み】

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