電話で話していて、相手の声が聞こえない。
または、聴き取り難いといった経験のある人は多いと思います。
何故聴き取り難いのでしょうか?聞こえないのでしょうか?
とても声のとおる人でも、電話となると、しり込みする人も多くなりました。
電話ではなく、メールやLINEで済まそうとかね。
コミュニケーションを良くしようと、声だけ鍛えても無駄。
良い声にするのはもちろんのこと、それだけでは伝わらないことは、こちらの記事でもとり上げました。
今回は、話し手と聞き手といった当たり前の前提から、室長の電話経験談、そして話し手側と聴き手側の注意する点に分けて話を進めていこうと考えています。
どうか最後までお付き合いくださいね。
電話でのやりとり 伝えた?伝わった?
「伝える」と「伝わる」
ジャパネットたかたの前社長、高田明さんが良く使うことばだと聞きました。
○○を伝える(他動詞)(^-^)
●●が伝わる(自動詞)(^。^)
伝えるより伝わる
そのために
『伝えることから始めよう』
これは、高田明さんの自著です。
家業のカメラ店の手伝いで観光写真を撮っていた時代から
年商1700億円超の日本一有名な通販会社をつくり、「卒業」するまで。
そして、今伝えたい一番大切なこと。
なぜ高田明さんが語ると、話の内容が伝わるのか?
を垣間見ることができる一冊です。
こちら☞ 伝えることから始めよう
今回のテーマでもある電話での会話の場合も、
伝えたのか?伝わったのか?
といった観点からお話を進めます。
この本にあるようにスキルと
ミッション(何のために?感動を届けるために伝えたいことを整理)、
そしてパッション(伝えることではなく伝わること)
これらの循環が伝わるコミュニケーションになる。そのように感じています。
【第4章 伝わるコミュニケーション 要旨抜粋】
話し手と聞き手の大前提
まずは、大前提から・・・。
人が話し言葉を使ってコミュニケーションをする時、必ず話し手と聞き手(相手)がいますよね。
話し手は、これから話す内容を知っています。
伝えたいからです。
でも、うまく話せるかどうかは別の問題です。
聞き手(相手)は、これからどういったことを話すのか?話されることについて良く知りません。
話し言葉は音の言葉です。なので聞き手の耳に入ってもすぐに消えてしまうこともあります。
なので、聴き手を意識した話し方を心がけましょう。
伝わったのかを判断するのは聞き手です。
当たり前のようなことですが、この大前提を忘れてしまうととんでもない事になってしまうのです。
アドラー心理学の流行りとなった『嫌われる勇気』の続編である
『幸せになる勇気』の中でも似たようなことが書いてありました。
「伝えること」はコミュニケーションの入口に過ぎません。
最終的な目標は、合意の形成です。
伝えるだけでは意味がなく、伝えた内容が理解され、
一定の合意を取りつけたとき、はじめてコミュニケーションは意味を持つ。【引用】岸見一郎・古賀史健 共著『幸せになる勇気』ダイヤモンド社 P.111
これ、正に伝えるから伝わったということではないでしょうか。
といった声がアチコチから聞こえてきそうです。
しか~し、、、聞き手の聞き方によっては、言葉の内容すらも入っていかない場合があるわけです。
このあたりの内容は、このサイトで何度もお話しているとおりです。
まずは、アルバート・メラビアンの法則
語用論を考えていくと
また、どんなに否定的なことを言っても声のよさで伝わる場合もあれば、
声そのものと言うよりも、その周辺のプロソディに着目した話し方で、聞き手(相手)の心をつかむ方略もあるわけです。
さらに、今度は役割交換で聞き手が話し手にもなりますし、話し手が聞き手にもなりますね。
会話の中では話し手の交代が行われているというワケです。
しかし、こんなことありませんか?
☑ワンセンテンスが長すぎる
(~てぇ、で~ のように語尾をゆすって一文をつなげようとする)
☑その結果、話し手独自の間が出来、聞き手不在?の話し方となる
☑話し手が言い終わらないうちに被せて入ってくる
「いい声すぎても困ります」電話での経験談
ここで室長が経験した電話での会話にお付き合いください。
かかってきた会社名と担当の方(女性)の名前は伏せておきます。
と、思いながら聞いていました。
この女性の声、程よく心地の良い鼻腔共鳴があり聞き心地の良い声でした。
でも、何故かしっくりとこなかったんです。
もうこの時点で、彼女の話されている内容は耳に残っていません。
ナント、彼女の業務中に電話口でボイトレが始まっちゃったんですよ~。(笑)
多分、彼女
と、思ったことは言うまでもないでしょう。
この場をお借りして、
でもね、いい声過ぎても困るわけですよ。
その時には、スゥ~~ッと浸み込むように入ってきても、後になって内容がほとんど残っていないといった声では、伝わったとはいえません。
といった、トラブルの原因にもなってしまいます。
どう改めればよいのでしょうか?
どうする?電話での声
ここで、電話口の声を魅力的に変えるアプローチ6つをお届けします。
- あなたの基準となる声を探しておく
- 電話の声=電話というマイクを通しての声ということ
- 業種に添うような声を出しているか?(企業の方針によりけり)
- 間を意識すること
- 話すように生き生きとした口調で読む
- できるだけ、フレーズの出口をゆすらない
1.あなたの基準となる声を探しておく
声の要素から、あなたの声の基準を見つけてください。
高低 強弱 伸ばし方と切り方 音色などを今一度チェックしましょう。
まず、この基準の声を知っておくことが大切なのです。
2.電話の声=電話というマイクを通しての声
ここを忘れてしまう人がかなりいますね。
電話口から発せられるあなたの声は、空気中をそのまま伝わる声ではありません。
どんなに技術が進歩したととこで、この事実は変えようがありません。
Skypeやオンライン会議ZOOMでの場合は、顔が見える場合もありますね。
まあ基本、普通の電話と同じように考えてもらえればよいと考えています。
なので、1.の基準となる声を探すことが大切になるのです。
3.業種に添うような声を出しているか?
これは企業側の方針にもよりますのでそれに従ってください。
少なくとも言えること。それは、お堅い業種でお客様ご案内係を担当する男性が、夜の風俗業界によくある客引きの声は出せない、ということです。
4.間を意識すること
あなた自身が早口だと認識していても、間を意識することで早口に聞こえなくなります。
逆にゆっくり気味に話していても、間をとらないと早口に聞こえてしまうから面白いです。
間というとどうしても「、(読点)はタン」とか「。(句点)はタンタン」といった、昔からの拍(モーラ)単位のリズムでやってしまいがちですが、それはNGです。
また、話し手側の間と、聞き手側の間、この両方をうまく使いこなす事が大切になってきます。
☑話し手側の間=自分のペースを崩さない間
☑聞き手側の間=変化の間 伺いの間
ここが、冒頭の
伝えたのか?伝わったのか?に大きく関係してきます。
先ほどの女性の話では、声が良かったにもかかわらず内容が入ってこなかったのは、この間の使い方だったんですね。
5.話すように生き生きとした口調で読む
特に書類を読む場合、イントネーションの山が平坦になりがちです。
良い声なんだけれど、イントネーションの山、「への字」のラインの高低がない場合、良い声が無機質な声になってしまいます。
それを無くすため、声の出だしは高目から入るのが望ましいと判断します。
先ほどの女性との会話では、それが耳に残ってしまい、伝わってこなかったのです。
これももちろん、企業によって違いはあると思います。
ならば、ストックとしてしまっておき、状況に応じて引き出せるようにしましょう(笑)
6.できるだけ、フレーズの出口をゆすらない
北陸地方の方言で、ゆすり音調、またはうねり音調と呼ばれる独特なイントネーションがあります。
【ゆすり音調】
フレーズの出口で波打つような独特な下降調のイントネーション。
独特な味わいのある韓国語に見られる。日本では福井県から石川県にかけて分布。
フレーズの終わりで語尾を伸ばすやり方は殆どの人がやっている発話の癖です。
これ、分かっていてもなかなか治らないものです。
本当に、分かっているのと出来るのは違う良い例がこのゆすり音調です。
フレーズの終わりを短く切ってみたり、スッと置いてみたりすることで、発話の印象が全く異なります。
これは、電話での会話だけにとどまらず、ビジネストーク、スピーチにも応用できますね。
いかがでしょう?
この6つ、身につけ体感できるには、結構時間がかかります。
気になったあなたは、是非体験レッスンの門を叩いてください。
Skypeやオンライン会議ZOOMでレッスンしてみる事も考えています。
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お電話でも受け付けております。