バンドやユニットでボーカルをやっていて、別に何かの楽器を担当している人。
または、バンドを組んでいなくても、何かの楽器はやっている人。
または、何か楽器を始めてみることで歌にも活かせるんだろうなあ。こんな風に漠然と考えている人。
今回は、どんな動機で楽器を選ぶにしろ、おおよそ共通となるんではないか?と思われることに触れていきます。
具体的な楽器の例として、僕の相棒であり、この仕事をやろうというきっかけを与えてくれたハーモニカ。時々この楽器を例に出しながら話を進めていきます。
楽器を持っている人たちは、90年代と比較をして確実に減ってきているのが現実です。ただ、潜在的な需要はあるけれども、ハードルが高い・・・といったことも挙げられています。
これを読んで、
✔ 歌いたい→歌える→楽器をやりたい
または、
✔ 楽器をやりたい→歌うように演奏したい→歌いたい
といった良いサイクルとなることを願っています。
まずは楽器との対話から♪
楽器との対話=楽器の構造=しくみを知る
これは、ごく自然な流れでしょう。
今は本当にそう思っています。
まず、やりたい楽器を手に入れた場合、実際に触りながら、しくみを教則ビデオや教則本をとおして知ることになります。
今では、YouTubeからでも情報を仕入れることはたやすいですよね。
これが楽器との対話といっても良いでしょう。
ある楽器をやりたい場合、普通、
憧れやカッコ良さとか、
僕らの世代では、「女性にモテたい」とか、
ほぼポジティブな面から入るのが普通ですよね。
でもやり始めてしばらくすると、気になってくるわけですよ。
はい。その楽器のしくみゆえに持っているデメリットが・・・。
そう感じられる時期は、やりだして面白くなってきた頃、または他のミュージシャンとスタジオに入り、リハをする時に気づくでしょう。
どんな楽器にもそれはあると思います。
例えば、
ギターの場合は、両手を使うが、片手だけでコードは弾けない。
鍵盤の場合は、ギターのようにカポタストをつけて、キー(調)を変えて気軽に演奏できない。
つまり、ギターではカポタストをつけることによって、同じコードを鳴らす指のフォームを使いながらキーを変えることが出来るのに、鍵盤では、トランスポーズの機能がないと、それが出来ないのです。
ハーモニカ(写真の10ホールズ)の場合は、吹き方のポジションを覚えれば、キーが変わろうが同じような吹き方で吹けます。
ですが、キーが変わると何本ものハーモニカを持ち替えないとならない。
こんな状況が出てきてしまいます。
でもプロハーピストは、平気でこれをやっていますが(笑)
デメリットを知るとメリットに変わる?!
その楽器のデメリットを知っておくこと。さらに演奏してデメリットを突き付けられることがとても大切なのです。
突き付けられるとは、他の楽器とアンサンブルをしてみたり、ライブやコンサートで演奏してみた時に分かることなのです。
ただ、始めに両方の面を知っておいた方が後々、投げ出さずに済むわけです。
やっていて気づくこともあるでしょうが、いろんな意味で早く気づきを得たい場合には、先輩プレイヤーに尋ねてみると良いでしょう。
とはいうものの、教えてくれない場合があるかもしれません。
僕の考え方なんですが、楽器の場合、その楽器が持っている特徴、メリットとデメリットを最初に把握。それを後輩プレーヤーに伝えられる方は、素晴らしいなと感じます。
最初からデメリットを伝えられた方が、演奏やパフォーマンスの工夫が出来ると思うんです。
そうでないと、ギタリストで有名なジミヘンは誕生しなかったでしょう。
僕の仲間のミュージシャンでもあるオカリナ奏者の方は、エフェクターを使ったオカリナ演奏をしています。このような工夫と遊びは、デメリットを知っているからこそなのです。
尊敬する先輩ミュージシャンの影響をモロに受けたので、そのように感じるかもしれません。
以前、得意楽器以外の番強方法という記事をアップしています。
関連記事も参考になりますので、こちらも是非・・・
早弾きでなく早吹き
繰り返しますが、
メリットだけではなく、デメリットを知ることでその楽器を長く愛せるかどうかだと思います。
ん?愛する人との向き合い方と同じでしょうかね。
- デメリットを知っているからこそ、その制約の中で何が出来るのか
- デメリットを知っているからこそ、工夫と遊びを得られるようにする
工夫と遊びに楽しさが加わると完全に某一大企業の理念と同じですね(笑)
ハーモニカの世界での工夫、遊び、楽しさといいますと、色々あるんですが、早吹きをご紹介いたしましょう。早弾きではなく・・・。
ここで、昔の早吹きが出てきましたので音源を貼り付けます。
9年前、東急線沿線のFMサルースで流してもらいました。その沿線で活動中のミュージシャンということで、出演したことがありました。
紹介するのは、後輩に許諾を得て、サルースの番組でBGMとして流してもらった音源です。
10ホールズハーモニカの持つ「ハーモニカってこういうもんでしょう」といったステレオタイプから逸脱出来れば?と考え、当時のお芝居の演出家から依頼、インストで演奏したものです。
※聴く環境によっては、音量を下げてお聴きください<m(_ _)m>
※関係者各位 もしまずかったらワンバイブスまでご一報を。削除します。
この世界の中で早吹き課題曲として有名なのが「オレンジブロッサムスペシャル」です。
☞ オレンジブロッサムスペシャル-動画リスト
自分に合った練習方略を見つける
でました。ストラテジー。
ここでいうストラテジーは、戦略というよりも習得や学習についての方略と捉えてください。
楽器と対話、楽器のしくみ、構造を知る環境が整ったら、常に次のことに立ち返りながら練習をするとよいでしょう。
ここで、上達しない人と上達する人の楽器に対しての考え方の差をお話しましょう。
気づいたんですが、これはゴールデンサークルの考え方と同じなんですね!
上達しない人
How(どうやって)ばかりを訊いてきます。
What(何を練習する)は訊いてもいいと思うんですが、最短で上手くなろうとします。
無理でしょう。
上達する人は、
Why?(なぜやりたいのか?)が根底にあると感じています。
僕の場合、声が出なくなった。お見舞いでもらったハーモニカの音色に感動したから。
しかも吸って音が出る楽器は珍しかったから。
歌の代わりに、歌の延長線上にある楽器だと考えたから。
歌いながらハーモニカを吹けるなんて、自分の声のテリトリーが広がった感じがするから。
これらが理由です。
それで
What do you want?(習得して、何をやりたいか?)
What?(何を練習するべきか?)が次にきてました。
How?(どうやって練習するのか?)
この順序は、それこそしくみ(メリットとデメリット)を見つけていきながらの試行錯誤です。
上達に練習時間は比例しない。長時間練習したから上手くなったということはありません。という人もいらっしゃいますが、この意見には異論を唱えたいです。
楽しいことをやっていると、気がついたらこんなに時間が経っていた。
ということがあるでしょう。
充実度が先です。それが工夫、遊び、楽しさと繋がってくる。
それで、結果として長時間であれば、それはそれで充実しているからよいのではないかと考えています。
練習時間は比例しないというのは、中級以上のミュージシャンかなと思いきや、そうではありません。
僕の知っているミュージシャンの方々は、とっても練習好きな人がい多いんです。
プロミュージシャンになれば、もっと時間を作って、時間をかけて練習しています。
と言い切っています。
ミュージシャンではありませんが、
と言っていた人もいました。
というわけで、久々に「オレンジブロッサムスペシャル」吹いてみますか!(^^♪