前回は、教室、スクール探しという名の欲望(第2回)としてボイトレを始めるきっかけや動機を確認しましたね。
今回は、2.ボイトレ教室、スクールの環境についてお届けいたします。
2.ボイトレ教室、スクールの環境
ここでいうところの環境とはどういうことをいうのでしょう?
「ハーズバーグの動機づけ・衛生理論」というのがあります
それによると、人間には2種類の欲求があるそうです。
ひとつは、苦痛を避けようとする動物的な欲求、これを衛生要因といいます。
例えば、
これらが衛生要因です。
もうひとつは、心理的に成長しようとする人間的欲求、これを動機づけ要因といいます。
これがら動機づけ要因。
これら2つの欲求がひとりの心の中に別々に存在しているといわれています。
苦痛を避けようとする衛星要因をどんなに満たしても人は不満足感が減少するだけで、積極的な満足感を増加させることはない!らしいですよ。
ということは、ある不満が消えたところで、別の不満は残っているという訳ですね。
また、たとえ心理的に成長しようとする人間的欲求、動機づけ要因を充たすことができなくても、不満足感が増加するわけではないと考えられています。
さて、あなたがボイトレスクールに求めているのは
苦痛を避けようとする動物的な衛生要因でしょうか?
マズローの欲求5段階説 にもある自己実現の欲求(第五段階)、尊重の欲求(第四段階)、所属と愛の欲求(第三段階)。これら欲求群の一部分である動機づけ要因でしょうか?
2-1.通いやすさとスクールの顔
☑ 交通の便は?
最寄りの駅から近いか?やっぱり駅チカの方が通いやすい傾向にはあります。
駅から歩いて○○分の場合でも、「運動になるゾ」と考え方を変えればよいかもしれませんね。(笑)
郊外や地方のスクールでは、駐車場完備といったところもありますので、そこもチェックしておきましょう。
☑ スクールのタイプは?
ボイトレが出来るスクール、教室の形態は次のとおりです。
- 全国展開型のスクールか
- プロダクション直結型か
- 独自の展開網を敷いている所か
- 地域密着型の教室か
- スタジオで行うレッスンか
- 個人のお宅で行っているか
- 店舗を持たないスクール
などです。いってみればボイトレ教室やスクールの顔とでもいいましょうか。
2-2.タイプの特徴
ここで、タイプと特徴を詳しく見ていきましょう。
全国展開型のスクールか
大都市圏を中心に全国にフランチャイズ展開をしているスクールです。
ニッチ市場では行っていないところが殆どです。
道を挟んでAスクールの斜め向かい側にBスクール! なんていう生徒さん獲得合戦を行なっている状況でもあります。
また、資本力を武器に色々なサービスを展開していますね。
例えばボイストレーニングだけでなく、ギターレッスンやピアノレッスンなど楽器のレッスンや作詞作曲のコースを設けている所もあります。
プロダクション直結型か
全国展開型のスクールとも関係してきますが、大手のスクールはプロダクション直結のところも少なくありません。
芸能事務所がスクール運営をしている事も多く、その場合は完全に趣味ではなく、プロ指向です。
ただし、時間割やカリキュラムが決められていることが多いようです。
例えば、月曜日のこの時間は歌のレッスン、火曜日はダンスレッスン・・・というような具合です。
グループというより、団体で受けるため、きめ細かなことは教えてくれないかもしれません。それでも入りたいのは、有名どころだからでしょうか?
独自の展開網を敷いている所か
全国展開型スクールやプロダクション直結のスクールの中には独自の展開網を敷いている所もあります。
スクールによってのバリュー・プロポジション(Value Proposition)が異なるので、よくサイトでチェックしておくことをお勧めします。
【バリュー・プロポジション(Value Proposition)】
顧客に提供する価値の組合せ。 製品やサービスのメリット、自社の存在価値や独自性を顧客に伝え、その価値を高めること。
地域密着型の教室か
小さいながらも地域の商店街振興などのお手伝いをする事で、地域に貢献しているスクールもあります。
例えば、お祭りや音楽フェスティバル等、地域のイベントに生徒さんを出演。準備や運営等のお手伝いするなどです。
親近感を漂わせていますので、地域の方々から生徒さんになりたい方の紹介を得ることもできるかもしれません。
大都市圏のスクールでは少なくなってしまったかもしれませんね。
スタジオで行うレッスンか
音楽リハーサルスタジオをお借りしてミュージックスクールとして行なっているスタイルです。
スタジオ側も、以前よりもバンド人口が減っている(2016年現在)実情から、対象となるお客さんのターゲットを替えつつあります。
と言っても、プロミュージシャンがスタジオを借りて楽器やボーカルを教えるというのは10年以上前からあったスタイルでした。
スタジオには、キャンセル代という仕組みを規約として明記してあります。大体の所が予約1週間前を切ると発声します。6日前から当日キャンセルをしてしまうと、生徒さんはキャンセル代を支払わなければなりません。
予定がコロコロ変わる人や、ギリギリにならないと予定が決まらない人にとっては、スタジオでのレッスンは、キツイかもしれません。でも、見方を変えれば、スケジュールのリスク管理能力が上がると捉えることもできますので、むしろ良い意味で考えましょう。
カラオケボックスで行なう
僕は、2002年~2009年(リーマンショック時期まで)、カラオケボックスでボイストレーニングを行なったことがあります。
これだけ、カラオケボックスが街中にたくさんあるのなら使わない手はないでしょう。
管楽器を持って個人練習しているミュージシャンや、ハーモニカのレッスンを行なっているプロミュージシャン等、カラオケボックスも使い方次第では立派なスタジオやスクールに変わるのです。
個人のお宅で行っているか
この形態は昔からありました。講師と生徒さんとの距離が近づきやすく、和気あいあいとしています。レッスンが終わったら反省会という名のお茶会(笑)。何時間ものおしゃっべりタイムに花が咲くことでしょう。
売り上げや利益を度外視して、細く長くという考え方でやるのならばよいのかもしれません。
自宅でやっているからそうなるのではなく、やり方で採算はとれるのではないかと考えます。そこは、トップである社長の考え方次第で、どのようにも変わりますよね。
ただし、レッスンを行なう講師側が自宅に仕事を持ち込みたくないのなら、この形態は存在しませんね。
店舗を持たないスクール?!
スクールの中には、全国展開どころか全世界展開が行えている所もあります。
どういうことかというと、店舗そのものは実体として持っていません。持っていないんですが、スマホのアプリやネット環境を利用してレッスンを行なっているスクールがあります。
YouTubeに動画をアップするというのもひとつの方法なんですが、あるアプリを使うことによってレッスンが可能になるわけです。
ネット時代のボイストレーニングレッスンは、こんなにも進んでいるのか!と驚かざるを得ません♪
生徒さんとなるあなたにとっては動機によってどれを選んでもよいのですが、どれもメリットとデメリットがあることを押さえておきましょう。
次回は、ポイント3.レッスンの形態と内容 についてです。