マイクといえば、ボーカリストが使うもの。そう思っていませんか?
何もマイクはボーカルだけの道具ではありません。楽器プレイヤーの方は分かると思いますが、楽器にだってライブの時、レコーディングの時、マイクを使いますよね。
今回は、ボーカルに一番近い楽器(と、僕が勝手に思っている)、ハーモニカ(10ホールズ・ハーモニカ)で使うマイクをご紹介しましょう。
ハーモニカ用のマイク♪
ハーモニカ用のマイクといっても、ボーカル用のマイクは、たいていハーモニカでも使えるでしょう。ただ、クローズドスタイルで演奏したとき、マイクを通して出てくる音が、使う人の好みによって分かれます。
バンドでアンプリファイドさせる場合、1950年代~70年代は無線送受信用のマイクを使っていました。
今では、数も少なくなっていますが、バレット型(bullet=弾丸)のマイクとしていくつか残っている製品があります。
後で出てくる、SHURE 520D、520DXやCAD HM50 VCなどがそれにあたります。
これからいろいろとマイクの音の比較をしていきます。
使ったアンプHP-300A_Harpist 、 Fender EC_Vibro Champ
(上のアイキャッチ画像に載せてあるアンプがそれです)
ボーカルマイク以外のマイクのことも面白い
ハーモニカとマイクの関係は、ギターで置き換えると、ハーモニカは弦、マイクはギター本体。
マイクの低インピーダンスは、ギターのピックアップがシグルコイル、高インピーダンスは、はハム・バッキングととらえると分かりやすいでしょう。
また、表の中で出てくる
- Hi-Z:ハイ・インピーダンス(出力が高い)
- Lo-Z:ロー・インピーダンス(出力が低い)
という意味で表記してあります。
ハーモニカ用マイク勢ぞろい!
ユニークな形をしたマイク |
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マイクのスペック | 特記項目 |
◆コントロールド・マグネティック型 | SHURE-520DX(左側) / 520D(右側) |
◆指向性 | 無指向性 |
◆周波数帯域(Hz) ◆インピーダンス ◆実行出力レベル ◆重量 | 100~5,000hz Hi-Z(15kΩ) -38.0dB 657g / 630g |
読者のあなた
ずんぐりむっくり(笑)した形ですね?
室長
そうなんです。無線型のマイクで、別名、Green Bulletといいます。
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ハーモニカプレイヤーの中では知らない人がいないこのマイク。 左側がボリューム付きです。右側がもう22年も前に買ったものです。今では、左側のものをライブ用、右側のものをスタジオリハ用として使い分けています。結構、重たいです。 600g代だと、現状(2018-03-17現在)のタブレットより重たいんじゃないか? そんな気がしています。 重たいけれど、音の良さには変えられません。 余韻の残る粘っこく歪む太い音。その音が大好きです♪ |
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◆クリスタル型 | CAD-HM50 VC |
◆指向性 | 無指向性 |
◆周波数帯域(Hz) ◆インピーダンス ◆実行出力レベル ◆重量 | 30~10,000Hz Hi-Z(250kΩ) -49.0dB 241g |
読者のあなた
あ、このマイク、ホーナーのブルース・ブラスター(Blues Blaster)ですね。
室長
殆ど同じ形です。僕も持っていますが、断線してしまいましたwww
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ドイツのハーモニカメーカー、HOHNERから出ているBlues Blaster。これもGreen Bulletと同様に、有名なマイクです。 CADから出ているこのマイクは、 形も機能も音色もBlues Blasterそっくり! 気をつけなければならないのがハウリング。 インピーダンスが高いので、上手くセッティングしないとすぐハウってしまいます。 昔は、このギャーギャーする歪んだ音が、落ち着きなくて嫌だったんです。でも最近、またこのマイクで、暴れた歪み音を聴きたくなるんです♪ ▼こちらをクリック Hohner 1490 Blues Blaster Harmonica Microphone |
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◆ダイナミック型 | Dark Cat |
◆指向性 | 単一指向性 |
◆周波数帯域(Hz) ◆インピーダンス ◆実行出力レベル ◆重量 | 説明書がないため不明 Lo-Z(150Ω?) 説明書がないため不明 およそ81g |
読者のあなた
木のマイクですか?
室長
はい。並行輸入品としてAmaz●nで買いました。
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シェラック仕上げ(人体に無害で光沢があり、耐摩耗性、密着性、耐久性に優れている)のルックスが木の温かみを醸し出しています。 形はBlues BlasterやGreen Bullet と同様にバレット型ですが、カートリッジはダイナミック型です。 つまり、SM57やSM58のマイクユニットにシェラック仕上げを施しているといってもいいでしょう。 インピーダンスは低いので、アンプで鳴らしたとしても、ボリュームをかなり上げてからでないとハウリングしません。 音は、SHUREのSM57を鳴らしているような感じがしました。ちょっと音圧、パワーに欠けるかな。ボリュームがついていないのが残念です。 改造しようかなあ・・・♪ |
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◆ダイナミック型 | Shaker-Harpist 15M |
◆指向性 | 単一指向性 |
◆周波数帯域(Hz) ◆インピーダンス ◆実行出力レベル ◆重量 | 100~20,000Hz Lo-Z(150Ω) -58dB 89g |
読者のあなた
このマイクもボリューム付きですね。
室長
このマイクのボリュームはクリックで10段階式となっています。
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発売当時、ハウリングに悩まされていたハーピストにとっては、朗報だったことでしょう。でも使ってみてちょっとがっかりでした。ハウリング防止設計は嬉しいけれど、高音域の伸びが少ないんです。 それが原因なのか音があまり前に出ていきません。 歪み方も「ボーッ」っていうような歪み方です。ハーモニカのキーによっては、サックスを吹いているような音色なんですが、 前に飛ばない音のために、中音(なかおと)が周りの楽器に埋もれている、 そんな感じになります。こう感じるのは僕だけでしょうか?♪ |
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ボーカルでも使用できるマイク |
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マイクによっては、ボーカル用としても使うことができます。次のマイク達(笑)は、ボーカルで使っても味が出るでしょう。 | |
◆ダイナミック型 | AUDIX-Fire Ball V |
◆指向性 | 単一指向性 |
◆周波数帯域(Hz) ◆インピーダンス ◆実行出力レベル ◆重量 | 50~15,000Hz Lo-Z(150Ω) -58dB 140g |
読者のあなた
ボーカル用マイクのボールの部分だけ取ったような・・・
室長
確かにそうですね。ハーモニカやボーカル、フルートやアコーディオン、サックスやトランペットなどに使えると書いてあります。
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持っていて一番手が疲れないのがこのマイクです。 インピーダンスは低く設定されてありますので、ハウリングの心配はありません。 写真の赤の部分がボリュームになっています。 握りながら小指でボリュームの調整がラクにできます。 音色は素直な音色です。歪み方も自然に歪んでくれます。 ギターのエフェクターでいうと、ディストーションよりもオーバードライブという例え方をすると分かりますかね(笑)♪ |
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◆ダイナミック型 | SHURE-545SD_UNIDYNEⅢ |
◆指向性 | 単一指向性 |
◆周波数帯域(Hz) ◆インピーダンス ◆実行出力レベル ◆重量 | 50~15,000Hz Dual:Hi-Z and Lo-Z(150Ω) Hi-Z -35.0dB / Lo-Z -58.0dB 255g |
読者のあなた
おや?SM57ですか?それも2本?
室長
(^^♪これはですね、545SDといいます。写真上がHi-Z、下がLo-Z用で使い分けています。
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このマイクは、SM57よりも一世代前に出回ったマイクです。 ハーモニカプレイヤーの間では、定番商品周知のマイクなのです。出力の高低を選択できるデュアル・インピーダンスの仕様となっています。 スイッチでインピーダンス変換するのではなく、結線で切り替えるため 1本につき2つの機能分けとはいきません。なので、2本用意しました。最近では、サウンドハウスで手に入れ易くなっています。音はイイです。Green Bulletに次いでライブで使い倒しているマイクです。 Hi-Zの方は太めの歪み方。使うアンプによりキャラクターが変わります。 Lo-Zの方は、アコースティックなふくよかな音で、細かなニュアンスも再現してくれます♪ |
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ビンテージマイク |
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◆ダイナミック型 | SONY-Model F-3B |
◆指向性 | 無指向性? 単一指向性? |
◆周波数帯域(Hz) ◆インピーダンス ◆実行出力レベル ◆重量 | 説明書がないため不明 Lo-Z(150Ω?) 説明書がないため不明 410g |
読者のあなた
古い形のマイクですね。放送局にあるような・・・
室長
はい。先日ヤフオクで落札しました。(^^♪
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このマイク、なにせ情報が少ないため、詳しい仕様は分かりかねます。 1960年に製造販売されたものらしいです。 ON/OFFのスイッチはありませんが、音はちゃんと出ますし、形もよいのでアリです。 受け手側の機器の仕様によっては接触不良でたまにノイズが出ることも・・・。 音はソフトな感じで低中域にブースト感があります。 FenderのChampと相性がよさそうです。(家で鳴らした程度です。スタジオで大音量でならしたい) ゼンハイザーというメーカーのMD421Uに似た感じの音らしいです♪(出品者 談) |
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◆ダイナミック型 | SHURE PE54(545S)_UNIDYNEⅢ |
◆指向性 | 単一指向性 |
◆周波数帯域(Hz) ◆インピーダンス ◆実行出力レベル ◆重量 | 50~15,000Hz Hi-Z(15kΩ) -55.0dB 425g |
読者のあなた
これもさっき出てきたマイクに似てますね。スイッチ付きの・・・
室長
545SDに似てますけどね。このマイクは別名ピストルマイクともいわれています。
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音色はスッキリしたキレイな歪みをしています。ストレートな「シャーーッ」といった歪み方です。 この音色が大好きなんです!ただ、インピーダンス(出力)が高いので、 ハウリングに細心の注意を払わないとなりません。ピストル型で形はカッコいいんですが、持ち方にひと工夫しないと、安定したパフォーマンスが出来なくなります。 このマイク、実は20年くらい前にアメリカから取り寄せました。 実際に製造されたのは50年代なので60年に上も前のマイクなのです。 写真載せにあるSの字のようなカモメのマークは、昔のSHUREのロゴなんです♪ |
▼このマイクの購入に至ったきっかけはこちらからどうそ。これは半ビンテージマイクなのです。何故半ビンテージなのか?そのワケは・・・↓
クローズドスタイルの持ち方(復習)
これまで出てきたマイクは、バンドで演る時には全てクローズドスタイルでハーモニカを吹いています。
▼以前の記事、非まじめ編!マイクの持ち方ガイド―クローズドスタイルでハーモニカを吹く場合の記事を参考にしてください。
以上、僕が持っているマイクをご紹介いたしました。
まだハーモニカ用のマイクは出ていますので、サウンドハウス等で調べてみてください。
一番良いのは、楽器屋さんに行って、マイクを使って吹かせてもらうことです。古いやり方ですが。。。