マイクを選ぶ場合、押さえておくこと♪
それは指向特性と周波数特性、そして出力についてのチェックです。これらがマイクのキャラクターを決める要素となるわけです。
ここを押さえておかないと「マイクの形だけ買って音は散々!」ということにもなりかねません。自分の歌声を気持ちよく、ハウリングさせずに再現するための1本を手に入れる参考にしてください。
指向特性のパターンは
マイクには特定の方向からくる音声を良く拾う(収音)ことが出来るように設計されています。これを指向特性、指向性といいます。下の図は、音や声が来る方向に対してのマイクの感度の変化です。
【収音軸】最も感度が高い方向を0dBで表示。周囲を円グラフの中に表します。
単一指向性
ダイナミック型やコンデンサ型は、この単一指向性が殆どです。
正面からの声に対して最も感度がよいマイクで、ある特定の音だけを録りたい時に威力を発揮します。音の拾いやすさは「指向性の鋭さ」によって決まります。これをカーディオイド(Cardioid)=心臓の形といいます。
◆カーディオイド [指向性が緩い]
◆スーパーカー ディオイド
◆ハイパーカーディオイド
◆ウルトラカーディオイド [指向性が鋭い]
の4つに分けられます。
単一指向性の場合、指向性が鋭くなればなるほど背面への指向性も出るように作られています。
ガイコツマイクの呼び名で有名なSHUREの55H SeriesⅡはカーディオイド、55はスーパーカーディオイドの特性パターンです。
双指向性(8の字指向性、両指向性)のマイクは、正面 と背面、二方向から来る音に対して感度がいいように設計されています。ラジオ局でのトーク番組を行う場合、2人が 向かい合って話す時に、 テーブルの真ん中に置いてあるマイクがそれです。
無指向性(全指向性)
どの方向からでも同じ感度で収音するマイクです。
CDラジカセ(今は持っていない人の方が多数だと聞きます。う~ん)についている内蔵マイクがこのタイプでしょう。「周りの雰囲気」を録る時に便利と言われています。
余談ですが、ハーモニカの音をアンプで鳴らして収音する場合、この無指向性を使うことがあります。
周波数特性(Freqency)はどうか
どの位、低音~高音までを収音できるか、感度がどう変わるかをグラフで表していきます。
【収音軸】最も感度が高い方向で測った値を1kHzの値を基準にしたグラフにします。1kHzの値を0dBとします。
【フラット】どの周波数帯域でも同じ感度の特性、つまり「平ら」という意味です。ただ、歌で出したい音よりも低くなってしまうフラット(♭)とはニュアンスが異なります。周波数特性がフラットの場合、マイクによって拾われた音声は限りなく原音に忠実です。
SHURE SM58とAUDIX OM3S を比較すると、グラフのカーブが違いますね。
これが周波数によって感度に変化がある特性で、各マイクの音の特徴となっているのです。「マイクなんて全部同じジャン!」なんて思っていたあなた。今すぐ考えを改めましょう。
出力と音圧レベルを確認
出力インピーダンス
【インピーダンス】出力端子側から見たマイク本体の交流抵抗の公称値です。簡単に言うと、
☑ 出力電圧に影響しやすいのが高インピーダンス Hi-z
音も歪みやすくハウリングしやすくなります。しかし、楽器用として使うことがあります。☑ 出力電圧に影響しないのが低インピーダンス Lo-z
出力が低く、音の歪みは軽減されます。ボーカル用のマイクは、ほぼ150Ω~350ΩのLo-zに設定されています。
マイクのボディのどこかに、Hi-zとかLo-zとか記されてありますので見つけてみてください。単位は、Ω(オーム)。
【オームの法則】E=R・I(電圧=抵抗×電流)または、P=I・E(電力=電流×電圧)
なんて公式ありましたよね。
最大音圧レベル
マイクが音声を拾える、収音できる最も大きな音のレベルの事です。
音が大きくなるに従って、出力の信号に歪みが出てきはじめます。
この性質を使って、高調波の歪み(THD)が一定の値になる時のレベルをカタログ等で確認しましょう。
指向性、周波数特性、出力インピーダンス、最大音圧レベルは、マイクメーカーのサイトやカタログに載っています。Ama★onやSo★★d Houseなどのネットショップでポチッも便利で良いのですが、一度楽器屋さんに行って実際に手にとってみることも大切です。声を出して試すことは衛生上出来ないかもしれませんが、音の比較が出来るところもありますので店員さんに尋ねてみるとよいでしょう。