前回、アレンジをする上で、基本となる楽器の構成と特性を紹介しました。
今回は、自分の得意楽器(専門楽器)ではない楽器の勉強方法を紹介していきたいと思います。
と、いうのも
自分が演奏出来ない、練習した事がないという楽器を、
すごく敷居が高いもののように捉えてしまっている方がすごく多いんです。
生徒さんにも、各楽器の教則本を購入して、そこからそれをどのように活用していけばいいか分からないのでどうしたらいいですか?
という質問を受ける事がよくあります。
それで、教則本の活用の仕方なども合わせて紹介していきます。
色々な楽器に興味を持つ!
自分の専門の楽器の習得が、他の楽器に比べてどんどん上達していくのは理由があります。
まずその楽器が好きで、弾いている姿がカッコよかったり、とにかく自然と興味を持っています。
一方で、それ以外の楽器は、曲をアレンジする上で必要になるだろうなぁとか、
やっておかないといけないなぁという状態からスタートします。
想像してみてください。
全くの0から何かを始める時に、
【1】ワクワクして今すぐにでもとにかく始めたいという状態
【2】後々必要になるからやっておかないといけないなぁという状態
どちらの方が習得スピードが早いか。
実際やり始めるまでもなく一目瞭然ですね。(道具的な動機付け)
▼動機づけについての記事はこちら
常に【2】の状態からスタートする事が、スタートダッシュをするコツです。
これは、音楽に限った事ではなく、新しい仕事とか、何か資格の勉強をするような時でも同じです。
これは自分の経験ですが、音楽関係以外にも飲食関係にも興味がありました。
名刺に
みたいな軽い気持ちで、
調理師免許をとりたいと思った事がありました。
仕事に必要だからと嫌々始めた訳ではなく、食に関する歴史だったり、調理法や栄養の事にも、すごく興味があったので、1ヶ月も勉強しないで調理師の免許を取得する事が出来ました。
調理師免許は国家資格ではありますが、自分が頭がいいとかそういうことじゃなくて、気がついたらテキストを開いちゃうような1ヶ月を過ごしていたら、自然に知識がついていました。
とは言うものの、なんでもかんでも好奇心旺盛に興味を持てるわけじゃないので、
専門楽器以外の楽器の勉強という所に焦点をあてて、その楽器に興味を持つ方法を2つほど紹介します。
楽曲の完成イメージをもつ
以前紹介した、構築型と青写真型。
興味を持ちやすいのは青写真型です。
構築型だと、どうしても木を見て森を見ず状態になってしまって、1つの楽器がある程度レベルがあがった段階くらいで、まだあの楽器もある、こんな楽器もある…というような状態に陥って嫌になってしまうんです。
そうではなく、自分が作ってる曲にこんなストリングスがついたらもっと曲に雰囲気がでる!!
こんなパーカッションがいれられたらスピード感が出る!!
というような形で、常に楽曲全体のクオリティが上がるワクワク感をそばに置いておくために完成図のイメージを持ちましょう。
人に興味を持つ
そもそも数ある楽器から、自分の好きな楽器を選んでいる時点で、他の楽器は少し優先度が低くなってしまうのは当たり前の事です。
音楽全部を好きになれないから、自分は音楽に向いてないんじゃないか…
そんな事は絶対にありません。
基本的に音だけを好きっていう人は、ほんとに少数で、
大半の人が、あの人が歌ってるから好き。あの人が演奏してるから好きという感情でその楽器を手に取った人ばかりです。
その上で、フォーカスを楽器じゃなくて人に変えます。
例えば、ONE OK ROCKのボーカルTakaさんが好きだとします。
その大好きなTakaさんが一緒にやってるバンドメンバーは、絶対何かしらの魅力がある人なんです。
その人が生涯かけて演奏してる楽器にも興味が湧きそうな気がしてきませんか??
日常生活に置き換えて考えてみるともっとイメージしやすいと思います。
あなたには大好きな恋人がいます。
その恋人が、
そんな事を言われたら、あなたはその人に会える日を楽しみにしたり、
と興味を持つんじゃないかと思います。
勿論実際会ってみて、初対面で自分には合わないなぁと思ったとしても、大好きな人がずっと大切にしている人であれば、そこで終わりにせず、どういう人なのか理解しようとしますよね。
その気持ちがすごく大事です。
有名なアーティストや、バンドであれば、雑誌のインタビューなどでもその人の価値観や、その楽器への想いを垣間みる事ができます。
そういった部分から、楽器にも興味を持てたらこっちのものです。
私の持論ですが、
✔ 興味を持った時点でそれは出来る。
こんな風に考えています。
頭の片隅にでも置いておいていただければと思います。
教則本の活用方法
色んなタイプの教則本がありますし、初~上級向けに難易度も教則本によって幅広いので、
ここでは知識がほぼない状態の楽器の教則本の選び方と活用を2つ紹介していきます。
理論+エクササイズ
これは、楽器の特性や奏法を文章や図で説明して、その奏法を使ったエクササイズが何パターンか紹介されているものです。
どの楽器にもオーソドックスな演奏方法と、少し特殊な奏法があります。
ギターでいうところの、ピックスクラッチとかライトハンド奏法みたいなものです。
これは演奏方法もさることながら、音も少し特殊な音が出ます。
CDを聞いていて、これ何の楽器??というように、すごく特殊な音が入っている事がよくあります。
これは大体シンセサイザーか、何かの楽器の特殊な奏法の場合が多いです。
勿論民族楽器などの時もあるので、全部がそうとは言えませんが。
オーソドックスな奏法は言わずもがな大事なところなんですが、楽器の特殊な演奏方法と音色を知る事は分かりやすくわくわく感に繋がります。
私がギターの次に興味を持った楽器は、ベースでした。
チョッパーと言われる弦をバチンと弾く奏法があまりにもカッコよかったんですね。
Red Hot Chili PeppersのベーシストFleaが多用する奏法です。
興味がある方はYouTubeで調べてみてください。
こういった特殊奏法は、音も弾いてる姿もものすごくカッコいいんです。
それを奏法、音、譜面で理解する事によって自分の引き出しに入れる事がこのタイプの教則本の活用方法の1つです。
加えてリズム楽器のドラム、ベースでは8ビートや16ビートの基本パターンなんかも載っているので、合わせて覚えるととても効果的です。
有名プレーヤーフレーズ集
もう1つは各楽器の有名プレーヤーの得意なフレーズや手癖(てぐせ)と言われるお決まりフレーズが何パターンも記載されている教則本があります。
この教則本の活用方法のダメなパターンは、始めから全部のフレーズを覚えようとする事です。
結論から言うと、無理です。
大体このタイプの本はいくつかのジャンルでカテゴライズされていて、そのジャンルの中で有名なプレーヤーのフレーズが記載されています。
ワクワク感を保ちながら活用していく方法は、
まず流し聞き。
本気で集中して聞かなくていいので、何かをしながら教則本付属のCDを流しておきます。
聞いているうちに、これカッコいいなとか好きだなっていうフレーズがいくつか出てくるので、そのトラックナンバーをメモしておきます。
その後に教則本を開いて、そのトラックに対応したページを開くと、その演奏者の名前が出てきます。
そうしたら、ひとまず教則本は置いておいて。
その人が参加してるCDやYouTubeをひたすら流し聞き。
流し聞きしていると、教則本に付属されているCDのフレーズに似てるフレーズが使われている曲が出てきます。
その曲が見つかったら、その曲を聞き込んでください。
流し聞きでもいいですし、集中して聞いてもいいので、とにかく何度も聞いてください。
段々と今勉強しようと思っている楽器が大きく聞こえてくると思います。
このような形で、いきなり全部を制覇しようとせずに、興味を持った部分から始めてみることが大事です。
そこまで来たら教則本に戻って、音と譜面、実際にDTMで打ち込んでみる。
音程、リズムをそのままに歌えるようになったら、そのフレーズは自分のものになっています。
いきなり全部を制覇しようとせずに、興味を持った部分から始めてみる。これが大事です。
よく言われる事が、
✔ 歌えるフレーズは弾ける。
最終的に弾く事は出来なくてもいいので、
制作に関しては、
✔ 歌えるフレーズは打ち込める。
と解釈してもいいですね。
逆をいえば歌えないフレーズはいつまでも自分のものにはならないので、譜面とにらめっこせずに、歌ってみてください。
得意楽器以外の勉強方法のコツ
最後に、これも2つ新しい楽器習得のコツを2点まとめていきます。
✔ 常にワクワク感を持つ。
✔ 常にフレーズを歌う。
この2点を意識して、どんどん色んな楽器を習得していきましょう。
以上、得意楽器以外の勉強方法でした。