楽器の上達を願う前にするべき大切なこと

harmonica-hoister ボーカリストのための楽器

バンドやユニットでボーカルをやっていて、別に何かの楽器を担当している人。

または、バンドを組んでいなくても、何かの楽器はやっている人。

または、何か楽器を始めてみることで歌にも活かせるんだろうなあ。こんな風に漠然と考えている人。

 

今回は、どんな動機で楽器を選ぶにしろ、おおよそ共通となるんではないか?と思われることに触れていきます。

具体的な楽器の例として、僕の相棒であり、この仕事をやろうというきっかけを与えてくれたハーモニカ。時々この楽器を例に出しながら話を進めていきます。

 

楽器を持っている人たちは、90年代と比較をして確実に減ってきているのが現実です。ただ、潜在的な需要はあるけれども、ハードルが高い・・・といったことも挙げられています。

楽器演奏人口について

これを読んで、

✔ 歌いたい→歌える→楽器をやりたい

または、

✔ 楽器をやりたい→歌うように演奏したい→歌いたい

といった良いサイクルとなることを願っています。

まずは楽器との対話から♪

20代の頃の室長
ギター上手いですね。上手くなる、上達するコツってあるんですか?

先輩ミュージシャン
上達するコツより前にやっておかなければならないことがある。みんなそれを忘れるから上達できなくなるんだ。

先輩ミュージシャン
あ~。あとね、僕は上手いねって言われるよりも、味があるねって言われたいね。そこを目指して励んでるんだよ♪

20代の頃の室長
あ、すみませんでした。それで上達するコツより前にやっておかなければならないことって?何ですか?

先輩ミュージシャン
楽器との対話だよ。つまりその楽器特有の構造を知るということだ。

楽器との対話=楽器の構造=しくみを知る

これは、ごく自然な流れでしょう。

今は本当にそう思っています。

まず、やりたい楽器を手に入れた場合、実際に触りながら、しくみを教則ビデオや教則本をとおして知ることになります。

今では、YouTubeからでも情報を仕入れることはたやすいですよね。

これが楽器との対話といっても良いでしょう。

 

ある楽器をやりたい場合、普通、

憧れやカッコ良さとか、

僕らの世代では、「女性にモテたい」とか、

 

ほぼポジティブな面から入るのが普通ですよね。

 

でもやり始めてしばらくすると、気になってくるわけですよ。

はい。その楽器のしくみゆえに持っているデメリットが・・・。

初心者のあなた
こんなにもやりたい楽器だったのに、こんなやりにくさ(デメリット)があるんだぁ。

 

そう感じられる時期は、やりだして面白くなってきた頃、または他のミュージシャンとスタジオに入り、リハをする時に気づくでしょう。

 

どんな楽器にもそれはあると思います。

 

例えば、

ギターの場合は、両手を使うが、片手だけでコードは弾けない。

鍵盤の場合は、ギターのようにカポタストをつけて、キー(調)を変えて気軽に演奏できない。

つまり、ギターではカポタストをつけることによって、同じコードを鳴らす指のフォームを使いながらキーを変えることが出来るのに、鍵盤では、トランスポーズの機能がないと、それが出来ないのです。

ハーモニカ(写真の10ホールズ)の場合は、吹き方のポジションを覚えれば、キーが変わろうが同じような吹き方で吹けます。

ですが、キーが変わると何本ものハーモニカを持ち替えないとならない。

こんな状況が出てきてしまいます。

でもプロハーピストは、平気でこれをやっていますが(笑)

double_harp

ブルースハープ2本持ってのスタイル

デメリットを知るとメリットに変わる?!

その楽器のデメリットを知っておくこと。さらに演奏してデメリットを突き付けられることがとても大切なのです。

突き付けられるとは、他の楽器とアンサンブルをしてみたり、ライブやコンサートで演奏してみた時に分かることなのです。

 

ただ、始めに両方の面を知っておいた方が後々、投げ出さずに済むわけです。

やっていて気づくこともあるでしょうが、いろんな意味で早く気づきを得たい場合には、先輩プレイヤーに尋ねてみると良いでしょう。

初心者のあなた
この楽器のメリットとデメリットを教えてください。

とはいうものの、教えてくれない場合があるかもしれません。

 

僕の考え方なんですが、楽器の場合、その楽器が持っている特徴、メリットとデメリットを最初に把握。それを後輩プレーヤーに伝えられる方は、素晴らしいなと感じます。

最初からデメリットを伝えられた方が、演奏やパフォーマンスの工夫が出来ると思うんです。

そうでないと、ギタリストで有名なジミヘンは誕生しなかったでしょう。

僕の仲間のミュージシャンでもあるオカリナ奏者の方は、エフェクターを使ったオカリナ演奏をしています。このような工夫と遊びは、デメリットを知っているからこそなのです。

尊敬する先輩ミュージシャンの影響をモロに受けたので、そのように感じるかもしれません。

以前、得意楽器以外の番強方法という記事をアップしています。
関連記事も参考になりますので、こちらも是非・・・

得意楽器以外の勉強方法
前回、アレンジをする上で、基本となる楽器の構成と特性を紹介しました。 今回は、自分の得意楽器(専門楽器)ではない楽器の勉強方法を紹介していきたいと思います。 と、いうのも 自分が演奏出来ない、練習した事がないという楽器を、 すごく敷居が高いもののように捉えてしまっている方がすごく多いんです。 生徒さ...

早弾きでなく早吹き

繰り返しますが、

メリットだけではなく、デメリットを知ることでその楽器を長く愛せるかどうかだと思います。

ん?愛する人との向き合い方と同じでしょうかね。

  • デメリットを知っているからこそ、その制約の中で何が出来るのか
  • デメリットを知っているからこそ、工夫と遊びを得られるようにする

工夫と遊びに楽しさが加わると完全に某一大企業の理念と同じですね(笑)

 

ハーモニカの世界での工夫、遊び、楽しさといいますと、色々あるんですが、早吹きをご紹介いたしましょう。早弾きではなく・・・。

ここで、昔の早吹きが出てきましたので音源を貼り付けます。

9年前、東急線沿線のFMサルースで流してもらいました。その沿線で活動中のミュージシャンということで、出演したことがありました。

紹介するのは、後輩に許諾を得て、サルースの番組でBGMとして流してもらった音源です。

10ホールズハーモニカの持つ「ハーモニカってこういうもんでしょう」といったステレオタイプから逸脱出来れば?と考え、当時のお芝居の演出家から依頼、インストで演奏したものです。

聴く環境によっては、音量を下げてお聴きください<m(_ _)m>
関係者各位 もしまずかったらワンバイブスまでご一報を。削除します。

 

この世界の中で早吹き課題曲として有名なのが「オレンジブロッサムスペシャル」です。
オレンジブロッサムスペシャル-動画リスト

自分に合った練習方略を見つける

でました。ストラテジー。

ここでいうストラテジーは、戦略というよりも習得や学習についての方略と捉えてください。

楽器と対話、楽器のしくみ、構造を知る環境が整ったら、常に次のことに立ち返りながら練習をするとよいでしょう。

ここで、上達しない人と上達する人の楽器に対しての考え方の差をお話しましょう。

気づいたんですが、これはゴールデンサークルの考え方と同じなんですね!

TED ゴールデンサークル

 

上達しない人

How(どうやって)ばかりを訊いてきます。
What(何を練習する)は訊いてもいいと思うんですが、最短で上手くなろうとします。

 

無理でしょう。

上達する人は、

Why?(なぜやりたいのか?)が根底にあると感じています。

僕の場合、声が出なくなった。お見舞いでもらったハーモニカの音色に感動したから。

しかも吸って音が出る楽器は珍しかったから。

歌の代わりに、歌の延長線上にある楽器だと考えたから。

歌いながらハーモニカを吹けるなんて、自分の声のテリトリーが広がった感じがするから。

これらが理由です。

歌とハーモニカは繋がっていると確信できたこと
ボイトレスクールに通っていたにもかかわらず、歌が伸び悩む。 負けず嫌いを発揮して歌とハーモニカを練習。 ただし、喉に負担がかかる発声の仕方で声帯ポリープとなり入院。 若い頃、ボイストレーニングを習っていた一番の思い出は、この声帯ポリープのこと。 二番目の思い出は、みんなで企画運営したスクールの発表会...

それで

What do you want?(習得して、何をやりたいか?)
What?(何を練習するべきか?)が次にきてました。
How?(どうやって練習するのか?)

この順序は、それこそしくみ(メリットとデメリット)を見つけていきながらの試行錯誤です。

伸び悩み解決のための新たなサイクルの作り方3つ
最近(2017年後半)では、習い方、学び方、アプローチや方法について書かれてある記事が思いのほか多い事に気がつきました。 今回お伝えするのは、 およそ、全ての習いごとに 当てはまるんじゃないだろうか? 感じたことを記してみました。 あなた自身が自分の学び方、ストラテジーがしっかりと出来ていれば、歌、...

上達に練習時間は比例しない。長時間練習したから上手くなったということはありません。という人もいらっしゃいますが、この意見には異論を唱えたいです。

楽しいことをやっていると、気がついたらこんなに時間が経っていた。

ということがあるでしょう。

充実度が先です。それが工夫、遊び、楽しさと繋がってくる。

それで、結果として長時間であれば、それはそれで充実しているからよいのではないかと考えています。

練習時間は比例しないというのは、中級以上のミュージシャンかなと思いきや、そうではありません。

僕の知っているミュージシャンの方々は、とっても練習好きな人がい多いんです。

プロミュージシャンになれば、もっと時間を作って、時間をかけて練習しています。

某プロミュージシャンの方
練習は裏切らないんだよっ♪

と言い切っています。

ミュージシャンではありませんが、

某アスリート
努力は裏切るけど、報われる

と言っていた人もいました。

あなたを「歌うま」に向けて劇的に変えるポイント
日本語は4拍語の嵐です。そういった発話が好きですね。 ブラバン=ブラスバンド 就活=就職活動 歌うま=歌が上手いこと、また上手く歌っている様子 今日のテーマは「歌うま」です♪ 「歌うま」になるためには、歌う準備を考えなければなりません。 歌う準備は大事ですよ♪ ここでいう準備とは「何」を指すのでしょ...

というわけで、久々に「オレンジブロッサムスペシャル」吹いてみますか!(^^♪

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