声の知能指数とは何でしょうか?
知能指数は、Intelligence Quotientの略で IQですよね。
そういえば、その昔『心の知能指数』というタイトルの本が流行りました。
心の知能指数は英語でEmotional Intelligence Quotient、EQと言われていますね。
今回は、EQのお話です。
といっても、知能指数ではありませんよ~。
演奏やレコーディングに必要なエフェクターの中でEQ(イコライザー)とComp(コンプレッサー)があります。
声の知能指数を測ろう。
つまり、EQやCompを使ってみよう。そのお話なんですね。
ボーカルとイコライザー(EQ)♪
ギタリストやベーシストのあなたは、
コンパクトのエフェクターを持っていますね。
今回は特にEQに焦点を絞ってお話していきましょう。
人間の耳は、20Hz~20kHzまでの音の幅(周波数帯域)が可聴範囲とされています。
その中でどの部分を立たせるか(ブースト)、そして
どの部分を下げるか(カット)で音質が変わってくるのです。
そうです。音質の補正や加工をしてくれるのがイコライザー=EQです。
EQの種類
この魔法の道具は、大きく分けて2つの種類があります。
1.GEQ
◆グライコ(グラフィックイコライザー:Graphic Equalizer)
ある帯域の中心周波数スライダーを上下させることで
ブーストやカットができます。
上の写真は、スマホアプリのGEQです。
グリーン、イエロー、レッドの影の部分が出力される音声信号。その下のスライダーの部分がグラフィックイコライザーになっています。
予めプリセットも用意されていますし、自分で帯域を作って設定することもできます。
スライダーを上げ下げして、心地よいなと思った音にしてみてください。先ずはここからです。
2.PEQ
◆パライコ(パラメトリックイコライザー:Parametric Equalizer)
グライコよりも細かな設定ができます。
グライコが見た目の視覚的に操作できるのに対して、パライコは経験がいるかもしれません。
中心周波数、ゲイン、Qという動かせる帯域幅の各パラメータを個別に調整することを体感しなければならないからです。
パラメータの値の表示だけでは全体の特性を把握しにくいと思いますが、狙った特性を作り込むのには向いています
中心周波数、ゲイン、Qについてはちょっと難しくなるので、またの機会にしましょう。
写真は、ベース用のパライコです。
僕はこのエフェクターをブルースハープ(ハーモニカ)用のエフェクターとして使っていました。
アンプを使って鳴らしたいときに便利でした。
当時のこのベース用エフェクターは帯域が広かったため、かなり重宝しました。今はそれなりの名器?となっているようですね(笑)
また使ってみようかなぁ。
EQとCompの役割
ここで、少しComp(コンプレッサー)の話も交えながら進めていきます。
ただ、このエフェクター、初心者にとってはいささか難しい部分もありますので、少しずつ知ってください。
音楽リハーサルスタジオの店長さん、店員さんに詳しい方がいらっしゃるかもしれません。
スタジオによっては、レコーディングエンジニア上がりの人もいます。
その人に色々と訊くと、快く教えてくれますよ。
録音時 | ミックス時 | |
EQ | 声の補正が主な目的。 帯域で気になる部分を補正。 |
他の楽器とのバランスを 聴きながら歌を引き立たせる。 |
Comp | 声の補正が主場目的。 音量のバラつきを揃える。 |
音量・音圧などの調整を行う。 思い切った色つけの場合もアリ。 |
【ミックス】ミックスダウンの略です。
ミックスダウンはトラックダウン(TD)とも呼ばれ、
打ち込み、ボーカル、楽器演奏などでレコーディングをした各パートの
様々なサウンドの音量、音圧、音質や定位をバランスよくします。
必要であれば、タイミングやピッチ(音程)の補正も行います。
これは各パートのトラックで仕切られていて、
最終的にステレオ・2トラック(2MIX)にまとめる作業のことです。
様々な技術と勘でレコーディングのエンジニアは、あなたの声をサポートしてくれるんです。
自分の声の響く帯域を知っておく
あなた自身の声、響く帯域を知っておくことも大切なことです。
自分自身の声はどの帯域で反応しやすいのか?
他の楽器もそうですが、ボーカルも用途にとってEQをかけるポイントがあるからです。
他の楽器の場合は、楽器によって鳴りやすい、響きやすい帯域が異なっています。
異なった帯域、または近い帯域の楽器が重なり合って、バックの演奏を醸し出してくれているのです。
さて、一昔前までは、高いお金を払ってレコーディングをしていた時代でした。
現在、スマホで簡単に録音が出来てしまう世の中です。
まったく音の加工のことが分からなくても、スマホで無料アプリをインストール。簡単なEQのアプリがあるので、ダウンロードして試してみましょう。
始めは、あーでもない!こーでもない!と失敗しいながら使うことも良い経験となります。
初心者にはグライコがおすすめですよ。
EQ補正の一例
ここで音色補正の一例を見ていきましょう。
誤解を恐れずに言うと、補正をされていない音(フラットな音)は、ほとんどありません。必ず何かしらの補正がされて、私たちの耳に届いているわけです。
①低域のノイズをとる
50Hz以下、または80Hz以下をバッサリとカットします。
②声の存在感を出す
100Hz辺りを1dB(デシベル)ブーストします。
③シンのある声にする
男性:100Hz~400Hz/女性:200Hz~600Hz付近をピーキングのブースト。
④声に色気を出したい
200Hz~300Hz付近をブーストしましょう。200Hz付近のブーストは、性的興奮を覚える帯域だと言われているんですよ。ムフ(^^♪
⑤歌のモワモワ感を無くす
こもっている感じをなくすために、500Hz付近を2dBカットしましょう。
⑥歌声の明瞭度と深み
800Hz~3kHzをブースト(やり過ぎると鼻にかかった声になることもあります)
⑦子音のシビランス
4kHz~7kHzまでは注意してブーストやカットをします。
声の艶やアタック感も出てくる部分なので、エンジニアはとても慎重に操作します。
シビランスとは歯擦音(しさつおん)のことです。音声学でいうところの摩擦音の一種で、舌を使って狭めを作ることによって出てくる音です。英語の[θ]や[ð] は歯擦音ではありません。
また、シビランスそのものをコントロールするエフェクターにディエッサーがありますが、これ、元々はコンプの仲間です。
⑧癒し系、なごみ系
8kHz付近の音にはリラックス効果、α波が出やすいと言われています。
⑨声の抜けを良くする
14kHz、または18kHz付近を軽くブーストさせます。声の輪郭を出す部分です。
あなた自身の声の音色を確かめるためにも、是非是非やってみてください。
小さな発見でよいのです。きっと何かの気づきがあることでしょう。
積極的な補正も・・・!
ここ6~7年で、癒し・睡眠・リラックス・ストレス解消・自律神経の整える・・ヒーリング・瞑想用・ヨガ・サブリミナル音楽などがYouTubeに挙げられていますよね。
中でも人間関係の修復(うつ病やパニック障害などの精神疾患を含む)やDNAの修復に効果があると言われるのが、ソルフェジオ周波数の音楽だと言われています。
これらもEQのちょっとした操作で出来てしまうわけですね。
【引用】ソルフェジオ周波数について
●174 Hz 意識拡大と進化の基礎、苦痛の軽減
●285 Hz 多次元領域からの意識拡大と促進
●396 Hz 罪、トラウマ、恐怖からの解放
●417 Hz マイナス状況からの回復、変容の促進
〇432 Hz 自然と調和、リラクゼーション
〇444 Hz がん細胞を破壊させる
●528 Hz DNA の修復、若返り、人類にとって最良周波数?
●639 Hz 人間関系の修復
●741 Hz 表現力の向上、問題の解決
●852 Hz 直感力の覚醒
●963 Hz 高次元、宇宙意識とつながる
〇4096Hz 心身の浄化、オーラやチャクラの浄化
聴くだけでも絶大な効果があると言われていますが、何だか、怪しいもの?もあるようです。
●の9種類が一般的なソルフェジオ周波数といわれています。
しかし、〇も含めてソルフェジオ周波数だ、いやプラシーボ効果に過ぎない、などといろんな情報が出回っているのも事実です。
ともあれ、あなたにとって心地の良い音を見つけ、良い声を発するための道具として、EQやCompは必要不可欠となってくるのです。
使い方は少しずつ覚えりゃあイイさ(笑)