先日(2023年05月27日 土曜日)、日本語教師センター第40回公開研究会に参加しました。タイトルは『間違えやすい発音の補正術~ベトナム人とネパール人を例として~』。
今回はどちらかというと日本語教師寄りの内容です。しかしながら声を発する分野すべてに共通することもあると判断。そのため記事に挙げました。
間違えやすい発音の補正術
実は、この公開研究会は3年前に行われるはずでした。
ところが、当時はコロナ禍で第一波でした。この頃はコロナがどんな病気かもわからず、緊急事態宣言を出された時期だったのでした。このような中、延期せざるを得なかったのでした。
あれから3年経って今回、満を持して開催されてのでした。
講師は音声教育の大先輩でもある池田悠子先生。JTIS(日本東京国際学院)で「音韻・音声」をはじめ「言語学」「専門日本語」など多彩な科目を担当されています。
「直す」ということの意味
さあ、どんな研究会だったのか?その要旨をお伝えしましょう。
まず、「直す」という大きな意味を「補正」という用語をベースに進めていました。
補正:おぎないただすこと(広辞苑)
矯正:欠点をなおし、正しくすること
修正:問題の解決や改善を意図して行われる行為であり、必ずしも誤りを含まない
訂正:前や先の内容に誤りがあったことを認めること
次にベトナム人とネパール人が間違えやすい音や韻律。それらを例を挙げながら分かりやすくご説明くださいました。
韻律(プロソディ):
特に発話全体に現れる音声的な性質。アクセント、イントネーション、プロミネンス、拍、リズム、ポーズなど一部引用●泉均 著『図表でスッキリわかる 日本語教育能力検定試験合格キーワード1400』
他の分野との関連
今回の公開研究会の感想です。良かったことは、発音のしくみに触れることでいろんな分野に応用できる。そんな考え方のヒントが満載だったことです。
ハッキリと言えることは、ボイストレーナーは声の指導のみならず、音韻指導も能力としなければなりません。それには、言語の発音のメカニズムを知っていることが大切です。つまり母語の日本語だけではなく、英語、中国語など、どのような言語でも構いません。教師やトレーナーの興味ある言語を通して発音のメカニズムを理解すること。それが学習者や生徒さんの発音問題点を正確に把握し、適切な指導ができることに繋がります。
また、計画的な音声指導をレッスンプログラムや教案に盛り込むことも重要です。教師やトレーナーは、学習者や生徒さんとカリキュラムを一緒に作成すること。そして、効果的な学習環境を作り上げることも大切です。少なくともワンバイブスパフォーマンス活声課®では、このように感じています。
さらに、音楽の分野でいえば、発声指導だけではなく、
音韻指導の方法、調音音声学にも力を入れることが大切になるんだ。
と、室長は信じて疑いません。そうしないと、声力®の向上は望めないからです。
ここまで読んでいただきありがとうございました。