以前、「5つのタイプで分かるスピーチ上手な声」というコラム記事をアップしました。
声で伝える四天王+もう一人という内容で
- 池上彰さん
- 高田明さん
- 林修さん
- 小泉純一郎&進次郎親子
の事をとり上げました。
この時の内容としては、声そのものよりもパラ言語情報の方が多い内容となってしまいました。また、いずれ「伝える声の良い女性編」をご紹介したいというお話をしました。
今回、ご紹介しようと記事にしてはみたものの、ここまでまとめるのに、少し苦労をしました。
何故なのか?それをお話ししますね。
賛否両論ある女性四天王♪
結論からいうと、男性よりも女性の方が意見が分かれてしまったのです。
男性の四天王というと、10人中8人~9人の人が
と理解を示してくれたのですが、女性の場合、
と、意見が分かれてしまったのです。もはや四天王というくくりでは語れません。
意見の割れた理由
これには3つの理由があります。
それを今からひとつずつ見ていきましょう。
1.それぞれの好みがあるから
2.女性の方が声の音色を使い分けられるから
3.女性の声が男性化してきたから
1.それぞれの好みがあるから
これは、良いと感じている女性の声には、好みが分かれている場合が多いからです。
多分、男性以上に分かれるでしょうね。
教室でレッスンしていてもそう感じます。
ある生徒さんが「この人の声イイ!」
それは必ずしも、別の生徒さんも「イイ」と感じるわけではない。
ということです。
この傾向は、四天王男性編よりも顕著に分かれます。
2.女性の方が声の音色を使い分けられるから
男性よりも、女性の方が声の音色を使い分けられるといわれています。
つまり、どんなに『いっこく堂さん』が頑張って声色を使ったところで、
女性の声の音色、彼女たちのバリエーションにはかないません。
その為、聞き手側も間(ポーズ)やチェンジオブペースといった速度よりも、音色から聞いてしまう傾向があるのではないでしょうか?(室長の考え方です)
3.女性の声が男性化してきたから
日本人は、欧米諸国の人たちより声が高いといわれています。
一般的に小柄な人は声が高く、大柄な人は声が低めの傾向にあることはイメージしやすいでしょう。(ファントの法則)
【ファントの法則】
体格や身長(背が高い低い)は、声で分かる。逆に言うと声の高さ低さで体格や身長が判断できるという法則です。
背の高さと声の高さ(振動数)は反比例する。
これがファントの法則です。
Gunnar Fant(1919~2009)
音声通信の真の先駆者であるGunnar Fantは、MIT 1949-1951の音響研究所を訪れた後、1951年にスウェーデンに帰国する際にスピーチ伝送研究所を結成しました。
ここ何年も言われていることですが、日本人女性の声が低くなる傾向にあります。社会言語学との絡みもありますので、あまり広げませんが、
と、声の価値観が多様化しているようです。
いささか男性としての目線(聴き線??)で語りますが、
- 高めの声の方が女性らしくて可愛いと思えたり
- 中音域の方が言葉が自然に入ってくると判断出来たり
- 低音の女性の方が声にふくよかさと落ち着きがあって安心できると思えたり
本当にいろんな考え方があるわけです。
女性の中で良い声だと挙がった方々
そんな中でも、良い声(なのではないか)と挙がった5名の女性を載せておきます。四天王ではないですね~(笑)
でも、それだけ選ぶのが難しかったのです。
マデレーン・コルベル・オルブライトさん(第64 代アメリカ合衆国初の女性国務長官)
竹下景子さん(女優)
有働由美子さん(ジャーナリスト、元NHK アナウンサー)
膳場貴子さん(TBSテレビ専属契約アナウンサー、元NHKアナウンサー)
小室淑恵さん(実業家、株式会社ワーク・ライフバランス代表取締役社長)
はい。賛否両論あるのは承知の上で挙げてみました。ワンバイブスの中屋先生や生徒さん数人から、また関係者の方々に伺いながら挙がった方たちです。
他に良い声と思われる方はいますか?
ボイトレはマニュアル化できても、声の表現レベルではマニュアル化できない!
このサイトでも何度もお伝えしていますし、レッスンでも話しています。特にご自身の声に自信のない人にとっては、この考え方ができるかどうかが、この後、伸びるかどうかにかかってきます。
ボイトレはマニュアル化できても、声の表現レベルではマニュアル化できません!
何故なら、
✔ 悪い声の人はいないという前提に立っているから
✔ 良い声の基準は、人によって違うから
✔ これが良い声というお手本がないから
✔ 仮に悪い声の人がいたとしても、パラ言語情報、プロソディで味わいを変えることができるから
以上が理由です。
声を聞く→聴く→時に訊く
ということも大切ですが、
- 声をイメージ(視覚化)する
- 声を味わう
- 音色の香りを嗅ぐ
- 声のぬくもりを感じる
などなど、五体満足であれば、五感をフルに活用(感覚も知覚も磨いて)して声を体感しても良いのではないでしょうか?