よく世間では
と言われています。
こう問われると、
このように応えています。考えてもみてください。
早口がいけないのなら、何故、早口言葉の練習があるんでしょうか?滑舌の練習が早口言葉の材料にもなっているじゃないですか!
早口言葉が早口に聞こえるのには理由があるんです。本当にゆっくりの方が良いのでしょうか?先日の「トーク&トーク03回目」でもお伝えしましたが、吃音の場合、
は、逆効果となるため絶対にダメです!
今回はそのあたりのことろも関係してきますので、ここで「素敵な勘違い」に気づいてくださいね。
このふたつに気をつけていれば、早口に聞こえない♪
まず、次の音声を聴いてください。このふたつの音声は、同じ原稿を読み上げているものです。雰囲気の違いを感じてみて、そして考えてみてください。
【A】
【B】
【A】よりも【B】の方が早口気味ですよね。にもかかわらず、全体の時間は、【B】の方が長いのです。どうしてこんなことが起こるのでしょう?
それは、これまで何度か話題に挙げたパラ言語が関係します。以下の記事が参考になりますので、ご覧ください。
このことから、早口でもパラ言語に向き合えば、聴いている人にはそれほど違和感く聞こえる!ということになります。それは
- 音の長さ
- 音の高低と強弱
ということになります。
声だけを良くしても、ダメだという理由がこんなところにあるんですね。
音の長さ、そして高低と強弱を確認する
- 間(ポーズ)
- 緩急(速度:チェンジ・オブ・ペース)
- リズム(拍と音節)
✔ 間(ポーズ)
間(ポーズ)や繰り返しは、聞き手がそれまで聞いていた内容を確認し、次の内容を聴き続けるために整えなければならない。
こんな見方もできるのです。
適度な繰り返し、言いよどみ(フィラー)、無駄があるからこそ、相手の情報を受け止めることができるのではないでしょうか?
そうすると、吃音(どもり)もお互いのリズムをとるための効果的なものだと捉えることもできるかもしれません。たとえどんなに丁寧にゆっくり言ったところで、間を置かずに言ってしまったのでは、聴く方としては耳に入ってこないのです。
言いよどみ(フィラー)や吃音(どもり)は、間(ポーズ)をとるための、そして考えるための重要な発話行為だと考えています。
✔ 緩急(速度:チェンジ・オブ・ペース)
もちろん、早口でまくしたてられれば、聞いている、聴いている方はうんざりしてしまいますよね。
ポイントは、早口はいけないのではなく、早口の使い方なのは、先ほど書いた通りです。
今回の場合、低めの音、弱めの音、パタパタっと速く言っている音に着目しましょう。こういった音があるおかげで、高めの音、強めの音、ゆっくりした音が生きてきます。プロミネンスと関係がありますね。
全体の中のバランスをどうとるのか?これが、緩急に影響を与えているといってもよいでしょう。
✔ リズム(拍と音節)
日本語は、モーラ拍(時間的なまとまり、簡単に言ってしまえば原稿用紙ひとマス分)を単位とした言語です。しかし、全てをモーラに収めようとすると、流暢にいかなくなることは、アナウンスやナレーション、朗読を勉強したあなたにはお分かりのはずです。
もう少し、言葉の土台にあるリズムを意識してください。以前記事にしたアンケート結果でも、ショッキングな数字となって出てきています。
まとめ●「リズム」と「間」の働きを叩き込もう
これまで出てきたパラ言語(周辺言語)とは、表現者が伝えようとする意図のあるメッセージから言葉そのものを覗いた情報。このように置き換えてもいいでしょう。
これは、言葉のメリハリになります。それは音そのものの持っているフットワークにも繋がってきます。
ここで大切なことは、リズムと間の関係であることを学びました。間をおかずに、一定の言葉のリズムの中で発話すると、世間一般でいわれている早口言葉になります。音楽としていうと、一定のリズムパターンの中で言葉を紡いでいる状態です。
商社の社長が調査書捜査をヴィンチェンツォとビンツェンチョに依頼
ここで間をおいて言うと、発話テンポにもかかわらず、ゆっくり目に聞こえます。
商社の社長が 調査書 捜査を
ヴィンチェンツォとビンツェンチョに 依頼
さらに、音楽としてのリズムに乗っけると、いわゆるラップになりますね。ラップの場合は日本語の音の特徴であるモーラから考えるのではなく、音節単位で考える方がハマります。音符の長さもありますので、そこも考えたまとめ方になるでしょう。
失礼しました。<m(__)m>