いささか、アグレッシブで挑発的なタイトルをお許しください。m(_ _)m
これには訳があるのです。
実は、ここ1週間で同じような振る舞いを2回もされたからです。それも同じ人からではなく、全く別の人からです・・・。
主張をすることはとても大切だと思います。でも、どこかの国の国会運営のようなコミュニケーションのやり方なんです。
こんな事をやっていると日本語の持っているプラスの面を消してしまう。マイナス面だけがクローズアップされる振る舞いになっている。そう感じてなりません。
今回起こったことは、不快で嫌な思いをしながらも、日本人同士の話し方や会話の進め方を再確認する良い機会でした。それを皆さんと一緒に考えていきたく記事にしました。
声だけよくても〇〇〇がない、とっても残念な人達
当然といえば当然ですが、会話というやりとりは、ただ話すだけではありません。そこに「きく(聞く、聞く、訊く)」という行為も含まれますよね。
▼「きく」ことについて
さて、日本人は相づちが多い民族だといわれていますが、きき方の基本は相づちをどう理解するか?なんです。
意外と無自覚に行っているこの相づちが、声と同じかそれ以上にコミュニケーションの鍵となります。相づちを打つことは察するコミュニケーションスタイルと同じという偉い先生もいらっしゃいます。
やはり、人の話から学べることは
と、相づちを打ちながらききたくなります。
ところが、そうではない相づちの打ち方もあるんです。
もうこの時点で、相手の話は入ってこないんです。これは聞き手の問題というよりも話し手と聞き手の調和度、共話の問題です。
【共話】 相手の理解を確かめ、相手の言おうとしていることを察し、時には先取りして後を続けるタイプの会話の仕方。
(水谷信子先生 提唱)
またこんな場合もあります。話し手がしっかりと話しているつもりでも、聞き手は聞きたくなくて、
(*・ω・)(*-ω-)(*・ω・)(*-ω-)ウンウン♪
↑早く首をコクコクと動かして相づちをとっている。聞くふりをしているという振る舞いです。
音楽で言うところのアンサンブル、それが上手くいっていない。これでは会話になりませんねぇ。
間(ポーズ)がとれない人の話し方は下手クソ
先の「声だけよくても〇〇〇がない」の○○○には、ポーズが入ります。
ポーズのことを「間(ま)」とも言います。(以下、間としましょう)結論は間がとれるかどうか?これに尽きます。
話し手が間をとって話していれば、聞き手の相づちの意味合いが良いものに変わる。そう感じています。
間がとれないとは、どういったことを指すのでしょうか?
聞き手に話す隙を与えないということです。その時、どんな気持ちで話しているんでしょう?
- 自分の主張ばかりしたがる
- 自分を大きく見せようとしたりカッコつけようとする
- 気持ちが焦っている
- 以前、何かのきっかけで嫌なことをされ、その腹癒せ、仕返しとして(コワッ!(/_;))
間 がとれない人の特徴
間がとれない人には、会話をしているときに特徴が出ます。次のことが出来ないんです。
【ターン・テイキング】 一連の会話における話す人の交換のこと。日本語教育の世界では、学習者に対しての会話指導に応用されている。会話の主導権を独占しないための配慮の仕方や、相手に不快感を与えないように発話する方法など。
【ターン・イールディング】 話す順番を相手に譲ること。
簡単にお話すると、
相手の話を最後まで聞いて→聴いて、何かあったら質問することが出来るか?また、話そうとしたときほぼ相手と同じタイミングで声がでてしまった。その時、
と言って譲れるかどうかです。
話の途中から割って入ってくる
これにはさらに下位区分として次の3つが挙げられます。
- 言い終わる文末から入ってくる
- 1よりも、もう少し前から入ってくる
- 途中から思いついたように入ってくる
1.はむしろ自然な流れできちんと交換ができるのではないでしょうか。話しことば、特におしゃべりの会話では、フレーズの切れ目がそのまま文末になることが多く、ここで相づちを打てるからです。このポイントで間をとることが上手い人もたくさんいますね。
2.はせっかちな方、早口気味の方に多い傾向です。この場合、自分よりも相手の方が全体的な発話の速度が速い。または発話の速度はそんなに速くなくても、文末(句点)から次の文に間髪入れずに入る傾向があります。
3.が一番不快な思いをします。今回、話題にしているタイプはこの3.です。自分が言いたくて言いたくてしょうがないwww 心理的な病気等の場合もありますが、今回のテーマから外れますので今回は書きません。
こちらが話し出そうとすると被せて入ってくる
自分自身への戒めのために書きますと、正直、僕もこの振る舞いをやってしまうことがあります。
と感じながら、自分の話が言い終わった時に相手に
と譲る。または、自分の話を止めて
と譲る。出来るだけ心掛けているつもりです。
被せて入ってくる人の特徴は、声そのものが良かったり、声が大きかったりします。倍音成分を含んだ響きのある良い声の持ち主なのに、間をとりながら話せないばかりに聞き手には「でかい声」と思われてしまいます。
このタイプには、次の2種類があると思っています。
意図的に絡んでくるタイプ
- 自分をかっこ良く見せたい
- 悪意がある
- 自分の方が上に立ちたい
- イジメ、パワハラ、モラハラとしての振る舞い
- その他
全く自覚のないタイプ
むしろこちらの方が厄介と言えるでしょうね。癖(クセ)は本人にとっては気づかないのですから。本人が悪気がないと思っていること以前に、気づいていないので、こちらが言わない限りどうしようもありませんwww
こういった意識していない「間どり」を意識的に練習するには、やはりボイストレーニングなのです。良い声を出すトレーニングも、会話の間合いのとり方を体感するのも、ボイストレーニングならではのやり方があるのです。
まとめ 話し手の印象はパラ言語情報で決まる
心地良い緩急、間のとり方、プロミネンスなどで良い声と判断される場合もあるんです。
影響力のある声、とても魅力的に感じる声にするためには、アウトプットだけでは片手落ち。言葉の周りに漂っている強調するところや、発話のスピード、間をとることで相手に与える安心感など、パラ言語のことをチェックしなければなりません。
【パラ言語】
話し手が聞き手に与える言語情報のうち、声の高さ、強さ(イントネーションやプロミネンス含む)、話しの速度、間、音色によって与える情報のこと。聞き手は話し手の感情を読みとることができる。やり取りの反応時間がダイレクトに現れて、話し手の人柄を印象付けられてしまう。
一部引用 日本語教育能力検定試験 重要キーワード集300 NAFL日本語教師養成プログラム