声は、どんな人にとっても身近なコミュニケーションのための道具です。
そして、自分を表現するためのメッセージメディアです。そこに幾つかの要素が加わると、歌う、話す、読むになります。
さて、あなたはその声をどこまで意識して一日を過ごしていますか?
風邪ひいた時、花粉症で鼻が詰まって声が出にくくなった時に意識するだけで・・・。
今回は、声そのものについてです。
忘れ物は、あなたのその声です♪
ボイストレーニングを習っていない方は、まず声を身近に感じることはないでしょう。
そのように感じています。
ボイストレーナー、シンガー、ボーカリスト、役者、声優、アナウンサーなど、直接的に声を職業としている方は別でしょうが、その他、殆どの人は意識しないのではないでしょうか?
話しことばのボイトレが脚光を浴びるようになってから、もう10年以上にもなります。
それまで役割を担っていたのは、話し方教室でしたからね。
そんな状況でも、日本は声を殆ど意識しない社会だと言われています。
声という音(音声)そのものにフォーカスが当たることは殆どないでしょう。
どちらかというと何を話かという内容の面ばかりクローズアップされて、頭の中でのまとめ方、それを声にする道筋については二の次、根本の声そのものについては三の次といった傾向でしょう。
なので、忘れがちになることも無理はありません。
日本では特にこの分野は、まだまだまだ途上の段階にあります。
言っていることが伝わらないなあ
さて、こんな例はありませんか?
あなたが聞き手の場合
言っていることは正しいのに、何故かすんなり入ってこない
相手との関係性(あいつが気に食わないから)で入ってこなかったりする?
それとも声そのものの問題?何故反発を感じるんだろうか?
逆に、
何だかこの人の言うことには惹かれるものがある。
元々反対だったのに、気が付いたら説得されてしまっていた。
いや、こちらが納得したということ?
あなたが話し手の場合
一生懸命話しても、一向に相手には伝わらない。
あれだけ準備をしてきたにもかかわらず、全然聞いてもらえなかった。
トホホ。
逆に、
拙い感じでしか話せなかったのに、相手にはこちらの考えていることがちゃんと伝わっている。なんで?
偶然でもたまたまでもありません。
相手の気持ちが動く時には必ず理由があるといわれます。
音声は、言葉よりも相手の気持ちを動かしてしまうことがあります。
音声>言葉(内容)≧話し方
といった関係です。
何気なく出している声に注意を向ける。そして声の持つ力を引き出す練習。
それがボイストレーニングなんですね。
▼アルバート・メラビアンの法則についての記事
人の本能に語りかける声を磨くには?
ひとつ、こんな例がありますので考えてみましょう。
声の特徴が異なるAさん、Bさんに同じ内容の言葉を同じ速度(テンポ)で話して貰い、
聞いた印象を答えてもらいました。Aさん、Bさんの顔は見えません。結果●Aさんの好感度=95% / Bさんの好感度=5%未満
人は、声だけでその人に対してかなり明確に好ましい、好ましくないというイメージを持つようです。
話の内容は、肯定的な内容と否定的な内容の2種類を聞いてもらいましたが、ここで興味深いことが分かりました。
Aさんがより多くの票を集めたのは、何とナント!否定的な内容の方だったんです!
肯定的なこと以上に否定的なことを言っても、声によって好ましい印象を持たれるんです。
スゴイですねー。
- 言葉の持っている意味を超えて相手に届く声の力
- 話している内容は忘れてしまってもw 話し手の声はずっと耳に残っている声
- 話し手(発話者)が意識しなくても相手に影響を与えてしまっている声
これは私が「声フェチ」だからではなく(笑)、誰でも体験することです。
その鈍感になっている部分を磨けばよいだけです。
お爺ちゃん、お祖母ちゃん、これが体感出来れば、振り込め詐欺に引っかからないよ!
といっても言い過ぎではないでしょう。
なお、この記事は以下の番組より要旨として書き起こしたことを記します。
▼参考サイト
こころをよむ 人生を変える『声』の力「恐るべき声の力」