レコード盤から流れる音って聴いたことありますか?
そもそもレコード盤って見たことありますか?
特に30歳より若い方が対象です。
レコード世代の方は懐かしく、若い世代の方は珍しいでしょう。
といっても、今、密かにブームのようですよ♪
今回は、レコードを見たりレコードというメディアで音楽を聴いたことのない人を対象に記事を書いていきます。もちろん、
「俺は、レコードコレクターだ!」
というあなたも大歓迎です。
レコードとは♪
この単語もいろんな意味がちりばめられていますね。
【レコード(record)】
アメリカ英語ではフォノグラフ(Phonograph)、イギリス英語ではグラモフォン(Gramophone)と言われています。
音声記録を意味し、主に樹脂などでできた円盤(最初期には円筒状の蝋管レコードを含む)に音楽や音声などの音響情報を刻み込み記録したメディアの一種を示すことが多いようです。音盤などその他の呼び方で呼ばれることも。
先日、あざみ野教室でレコードをめぐって新鮮な、懐かしいやりとりがありました。
一番上にあるアイキャッチフォトは、レコードを初めて触ったというあざみ野教室の生徒さんたちの様子です。【氏名表示不可のため写真のみの掲載となります】
レコード盤を触り、レコードプレイヤーを恐る恐る使っている生徒さんたち。(昔は、レコードに針を落とすという言い方をしていましたかね~)
レコードジャケットからレコードを取り出す。
↓
レコードプレーヤーにレコードを置く
↓
レコードに針を落とす
↓
A面からB面にひっくり返して聴く
何事もないようにやっている世代と、恐る恐る触っている世代。
そんな姿を見ていたら、何とも言えない朗らかな、それでいて懐かしい気持ちになりました。もうレッスンそっちのけで珍しそうに、嬉しそうな振る舞いでした。
このギャップがたまらない!
さて、ここでレコードになくてはならない要素を挙げていきましょう。
レコード盤
まずは、音のメディアとなるレコード盤です。これがないと音が出ません。
レコード盤には17cm、25cm、30cmの大きさがあります。
写真は、30cmのアルバム盤(LP盤)になっています。
両面で音が出ます。片面が終わるとひっくり返して、もう片面を聴くというスタイルです。
シングル盤(EP盤)は17cmの円盤です。別名ドーナツ盤ともいいました。何故ドーナツ盤なのか?
それは中央の穴の部分が大きくなっており、そこに小さな円柱をはめ込んで聴いていたからです。このシングル盤には4曲くらい入っていたかなあ。
次になぜ音が出るのか?ですが、
音源の元となっているのは盤に刻まれた細かな溝です。写真の黒い部分をよく見てみると、ギザギザの溝が見えませんか?
この溝が音に変わるのです。
音の再生の方法は、信号としての振幅の情報の読み取り方と増幅によって変わってきます。
ここでちょっとした歴史、流れをお話しますと、
- 針で読み取った振幅の情報を、機械的に増幅する蓄音機の時代
- 電気信号に変えて増幅するレコードプレーヤーの時代
- 針を使わずレーザー光を用いてスキャンするレーザーターンテーブルの時代
こんな具合に大まかに分類することができます。
ソノシート
簡単にいうと、薄いペラペラの赤い(青っぽいものもあった気がします)フィルムのようなレコード盤のことです。よく雑誌の付録についていた記憶があります。
すぐ下をクリックしてください。緑や黄色などカラフルに揃っていたんですね。
確か、掛け算の九九を歌で覚えたことを思い出しました。その時使っていたのがソノシートでした!
大きさはいわゆるEP盤サイズの17cm盤のものが多かったです。8cm程度のミニもあったことを覚えています。
で、写真を見ると赤、青、黄色、緑などいろんな色のそのシートがありました。まるで信号機。(笑)
▼ソノシートの写真はこちら
各種ソノシートの写真
✔ 要チェック
なお、「ソノシート」は元々は朝日ソノラマの商標だったため、「フォノシート」や「シートレコード」と言い換えられる場合がある。そのため、普及期には発売するメーカーによって商品名が異なっていたが、現在ではソノシートという呼び名が一般的になっている。
【ウィキペディア(Wikipedia)より引用】
レコードプレーヤー
レコード盤を上に水平に乗せて回転させます(上の写真参照)。その音を一定速度で回転させ再生するための機器です。
レコードのプレーヤ―の元は蓄音機です。蓄音機と言われていた大正から昭和(終戦直後)の時代を懐かしむご年配の方もいらっしゃることでしょう。
蓄音機は1877年にエジソンが発明したことはあなたもご存知でしょう。
再生は、針の振動を機械的に増幅して振動板に伝える方式でした。ハンドルがついていて、手でぐるぐると回していたんです。
その後、針の振動を電気信号に変換した物が生産されました。
時代の移り変わりで
蓄音機→レコードプレーヤー→ターンテーブル
と、呼び方も変わっていったのです。
アンプのボリュームをゼロにしてプレイヤーだけ回しても、小さな音で音楽が鳴っているんです。シャカシャカシャカ♪とね・・・。
回転数
レコード盤の回転数ですが、1分間に何回まわすかで表します。(単位はrpm=round per minute)
LP盤:Long Playingの略でアルバム盤です。1分間に33+1/3回転します。
EP盤:Extended Playingの略で、1分間に45回転します。EP盤はシングル盤に使われていました。
SP盤:1分間に78回転というのもありましたが、僕は実際見たことはありませんでしたw
特殊なレコードとしてはLP盤なのに45回転というのもありましたね。
そうそう。この記事を書きながらこんなことを思い出しました。
間違えて、LPを聴くのに45回転(45rpm)で設定してしまい、早回しになってしまったんです。それが面白くて45回転で聴いていたこともあります。
普通に聴く曲テンポのおおよそ1.36倍速でです。
レコード針
レコードを聴くためには、レコード盤の溝を電気信号に増幅させるパーツが必要です。それがレコード針なのです。
ピックアップ(カートリッジ)、またはフォノカートリッジともいいます。
針とレコード盤の溝を摩擦、スキャンさせて音を出すので当然寿命があります。
そして針先(スタイラスチップ)と支えるカンチレバー、カンチレバーの端にある発電コイルと信号出力用のピンで作られています。
針先は、ダイアモンド、ルビー、サファイアなどの硬度の高い物質でできています。
針の種類は
- 丸針
- 楕円針
- S楕円針
- シバタ針
- SAS針
と大きく分けて5種類です。
とはいうもののやはり消耗品です。時間がたったら交換しないとなりません。
1.丸針(約200時間で針を交換)
一般的な音域の範囲を再生する汎用的なモデルです。2.楕円針(約150時間で針を交換)
特に高音域の伸びに特徴を持たせたモデルです。3.S楕円針(約400時間で針を交換)
音溝への追従性を楕円針より更に高くしたモデルです。4.シバタ(4ch)針(約400時間で針を交換)
前後左右と4chのサウンドとして再生できるモデルです。これはレコード自体が4ch録音されたものに限ります。5.SAS針(約500時間で針を交換)
レコードをカッテイングする時に使用されるチップに限りなく近い形状で、音溝とチップとの線接触(接触面積の拡大化)を実現し、高音から低音まで幅広く再現可能なモデルです。摩擦係数が全モデルの中で最小なため、長寿命を誇っています。
アンプ、スピーカー 他
ここの項目はオーディオ機器の説明に近いものがあります。
アンプは、入力して音を増幅させる機器です。ギターやベースなどの楽器用のアンプから連想しやすいでしょうか。CDやMDなどのコンポでも増幅用としてついていますので理解はしやすいかと思います。
レコードプレーヤーをコンポにつなぐという手もあります。
スピーカーは、パッシブタイプとアクティブタイプに分かれます。
簡単に説明すると、パッシブタイプはアンプなし、アクティブタイプはアンプ付きのスピーカーです。
ワイヤレスで聴けるBluetoothスピーカーも市場に出て随分と経ちますね。
他には、ある帯域だけを上げ下げ(ブーストとカット)するグラフィックイコライザー(略してグライコ)もついているシステムもあります。
レコードジャケットを眺めながら聴く
レコードは、音のデザインとグラフィックデザインの融合。
そんな時代を思い返すと懐かしくなります。
ジャケットのデザインがカッコイイので、思わず衝動買いをしてしまった。という若い頃を思い出します。
レコードは、音楽を聴くだけでなく、聴きながらジャケットデザインを目で味わうものでもあったわけです。
で、やはりジャケットのデザインを眺めながら、中に入っている歌詞や解説を読みながら聴くのが良かったんです。そこに必ずお酒がありましたけど。。。
やはり音はいいです。余韻が残るというか、温かみがあるというか。
これが真空管のアンプだったらもっといい音圧が出ていたんだろうなあ。
昨今の密かなブームから、レコード文化が再び流行ることを祈りますよ。本当に・・・