皆さんは、ライブを観た時に、楽器のプレイヤーが譜面を見ずに自由に演奏している姿を見たことはありますか?
こういった演奏のスタイルはジャズやソウルミュージック、60年代~70年代初期のロックでも行なわれていました。楽器プレイヤーだけでなく、ボーカリストも楽器と掛け合ってかっこよく決めていました。
これら一連のパフォーマンスをアドリブと呼んでいます。あまたも耳にしたこともあるかと思います。
【アドリブ】
アドリブ(ad lib., ad lib, ad:lib)はラテン語の「ad libitum」の略であり、「自由に」を意味する用語。
音楽の分野では、楽譜などに書いていない即興演奏など。
演劇、放送の世界では、出演者が台本にない無関係の台詞(せりふ)や演技を即興ではさむこと。また、その台詞などを指す。
インプロヴィゼーションともいう。
今回は、アドリブの仕込み方についてシェアしていきましょう。
自由にアドリブ出来るのはカッコいい♪
そう感じているあなたへ。
敷居はそんなに高くありませんよ。アドリブを自由に出来るミュージシャンってカッコイイですよね。自由にアドリブをするためには、ちょっとした仕込みが必要になってくるのです。
その仕込みとは、次の3段階になります。
- あなたのアウトプットまでのタイプを知る
- 素材を作りため込んでいく
- 状況に応じて4つの引き出しを使い分ける
たったこれだけと言えばこれだけなんです。ひとつずつ説明していきますね。
アドリブは作り込んで臨むからこそ出来るもの
1.あなたのアウトプットまでのタイプを知る
アドリブは勝手にやっていればよいというものではありません。カラオケとは違って生演奏。コード進行や他の楽器から出ている音の息吹を感じないとなりません。自分さえよければといった演奏では、音のコミュニケーションが取れません。
まず、初心者のあなたはとにかく作り込み型からスタートしてください。作り込み型とは?
▼以下の記事を参考にしましょう。
2.素材を作りため込んでいく
素材とはフレーズのことをいいます。フレーズをためていく場合に、あなた自身はそのフレーズをコピーをするのか?カバーをするのか?演奏していきながら、また歌っていきながら決めていきましょう。コピーとカバーの違いとは?
▼次の記事を参考にしてください。
さて、ここまでの過程で、あなたは
知っている曲とできる曲は違う
ということを必ず体感するプロセスを通ります。これはレッスンでもよく口にしていることです。
その曲を知っているつもりでアドリブしようとしたらうまくいかなかったり、逆に大丈夫かな?と感じながら演ってみたら思いの外、キメの部分がカッコよく決まったりします。
こういった経験を繰り返していきながら、あなたの音楽の引き出しにアドリブのストックをためていくのです。そして、ためた後は・・・、
3.状況に応じて4つの引き出しを使い分ける
素材を作りため込んでいったら、次の段階では、どうアウトプットしようか?です。ここで、ため込んだフレーズを一端バラス作業に入りましょう。バラス作業とは?
▼バラス、並べる、固める
そして、4つの引き出しを作って整理しておきます。4つの引き出しとは
①きっかけフレーズとなる引き出し
②つなぎのフレーズとなる引き出し
③エンディングとなる引き出し
④困った時の「神頼み?」 使いたいフレーズがスイスイ出てくる引き出し
これは、日本の10ホールズハーモニカプレイヤーの第一人者 故ウィーピングハープ・妹尾(妹尾隆一郎)氏の教えをそのまま使わせていただきました。
これは、ブルースハープ初心者から中級への橋渡しで、フレーズの組み立て方、アドリブについての内容でした。当時はビデオ。仕事から帰ったら毎日観ていた記憶があります。
下の動画は、妹尾氏がブルースに対して熱い思いを語っています。これはアドリブに対しても同じことがいえるのではないか?と感じ、シェアさせていただきます。
この動画、1時間以上の長時間の収録のため、先ずは導入部分からお聴きください。40秒くらいからは「アドリブにも通じるところがあるなあ」と感じています。
ただ、時間のある方はしっかりと聴いて(見て?)頂くと、この4つのフレーズが何なのか?何故4つに分けるのか?それらが散りばめられた内容となっています。フレーズだけでなく、そのフレーズが出てくる背景としての奥深さと広さも語っています。
その昔、高円寺JIROKICHIに通いづめて、生で演奏を観て聴いたこと。ハーモニカやアンプのこと、セッティングについていろんな質問をしても快く応えて頂いたこと、あの頃を懐かしく思い出してしまいました。
まとめ アドリブ上手な人に言えることは・・・
アドリブが得意な人というのは、楽器プレイヤーでもボーカリストでも、作り込んでいく過程を通っている。
僕が知っているアドリブが上手なミュージシャンは、ほとんど作り込み型の人が多いんです。逆に言えばそこを通っていなければアドリブはできないということです。
なので、
という考え方をとりあえず脇に置いておくことが大切です。
さらに、演奏の現場では、
譜面がないとできない曲は、本当の意味で知っているうちには入らない!
ということを彼らは自覚しています。当たり前のことなんですけれど忘れてしまう人が多い。というよりも、ちょっと上手くなって歌えたり演奏テクニックが上がってきたりすると、「知ってるよ。出来るよ」と鼻高になり、陥ってしまう罠でもあります。
あとは、以下の術を心得ているということでしょうか。