パフォーマンスを妨げるパフォーマンス

ハンドマイクに別のマイクが邪魔をしている 明快!パフォーマンス

今回の記事は、メインカテゴリーが「明快!パフォーマンス」となりますが、言語行動を考えてみた場合、「納得!伝えることばの心得帳」の分野も被ることを前提にお話を進めてゆきます。

何度も出しているパフォーマンスの公式

健康な身体が土台にあって、どんな気持ち何をやるか

どれがひとつが欠けたとしても良いパフォーマンスはできないと考えています。ここで、あなたのパフォーマンスを妨げているものの正体を暴いていきましょう。

日本人の言語行動と話し方からパフォーマンスを考える♪

日本人の言語行動の特徴としてよく挙げられることは、

  1. 相づちと返事
  2. 遠慮深さと2段構え

の2つがあります。

 

1.相づちと返事

これは、受け答えというよりも相手が話しているフレーズの切れ目=意味のまとまりごとに利き手が差し挟む、言ってみれば会話の共同作業でもあります。日本人は欧米人に比べ相づちが多いので、文の切れ目よりもフレーズ(句)の切れ目がそっくりそのまま相づちになってしまう割合が多いのです。

2.遠慮深さと2段構え

日本人
あのう・・・。ちょっとすみません。

など、話の場を作って話す内容を暗示、次に話の要件に入るといった流れのように、遠慮深げに振る舞いながら2段構えで進めていきます。

このような話し方は、聞き手の相づちによって反応を確かめながら進めてゆくという点で、やっぱり相づちが関係してきます。

 

さて、ここでもうひとつ追加をしたい特徴があるんです。今回の記事内容の結論を一言でいうと、次の項目になります。

社交辞令というパフォーマンス

【社交辞令】

あらゆる場面での人づき合いにおいて、物事を円滑に進めるために発言することが望ましいとされている挨拶や相手を誉める言葉。これは行うことにより相手に対して本音を言っている場合と、止むを得ずであったり利益のために相手に対して不本意や偽りの態度をとっている場合とがある。

【本音と建前】

人の感情と態度との違いを示す言葉である。しばしば日本人論に見出される言葉でもある。

本音の同義語には「本心」が挙げられ、自身に対する偽り(嘘)を含まない。建前は「表向きの方針」とも解され、実際の方向性はともあれ、対外的に表明される。

◆引用◆フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

僕は、社交辞令もパフォーマンスの一種だと考えています。ここで問題となってくるのは、やりたくてやっていない社交辞令パフォーマンスです。

社交辞令の言葉や振る舞いは、人との交流の中で段階的な会話として潤滑油となる場合もあれば、問題が残る場合も数多く出てきます。例えば、社交辞令なのか本気なのか分からなかったり、社交辞令を真に受けられたりと、相手とコミュニケーショントラブルが起きてしまう場合です。

こういう場面では、声の良し悪しなど関係ありません。何故なら、以心伝心の気持ちが潜んでいるためにうまくコミュニケーションが取れない場合があるからです。こうなってくると厄介ですよね。

Aさん
それ、本当にやりたくてやっているの?あなた自身の意思は?それ、どういう意味?

と訊きたくなる人の気持ちは、よ~く分かります。

自信のなさからくる「社交辞令」

がんじがらめの状態から解放できないパフォーマンスとして、自信のなさからくる社交辞令が挙げられます。こういった人たちは、間をとる時間が長い代わりに相づちが少ないようにも見えます。

コミュニケ―ション不足で起きる多くは、ひとこと言わないために、表現しないことでかえって誤解を与えてしまう場合です。(もちろん、言い過ぎもよくありませんが、感じたことを素直に言えない方が問題かなあ)

また、相手側の立場に立って考えすぎている場合でも、訊けないのかもしれません。さらに自分自身のプライドを守ろうとするために平気で隠す場合もあります。あとは、その人の持っているビリーフなどです。

お互いに少しずつクリアにしておかないと、あなたがどんなに良い声を持っていても、伝わるはずありませんし、パフォーマンスどころではなくなってしまいます。

室長
質問力ってやっぱり大事なんだよなぁ。

ちょっと訊いてくれれば何でもないことだったりします。ところが、自信がないので言わなかったり、言えなかったり、言ったところで仕方がなかったりと感じてみたり、在りもしないことを妄想してみたりと・・・。心の中でいろんな感情が渦巻くのです。

あなたの「自信計」はバランスがとれていますか?

一言で自信(=自分を信じる)といいますが、自信には6つのタイプがあります。自己肯定感といわれているもので、6つの感情によって支えられています。

1.自分には価値がある
一言でいうと自尊感情といわれています。

2.自分は出来る
自分はやれる!出来る!未来を信じられる能力のことです。一言でいうと自分の能力を信じること!自負心、自己効力感ともいわれています。

3.自分の存在を丸ごと認められる
自己受容感といわれています。

4.自分を信じられる
自己信頼感といわれています。

5.他人の意見に左右されることなく、自分で決定できる
自己決定感といわれています。これができない人が増えているような気がします。

6.自分は誰かの役に立っている。社会に貢献していると分かる
自己有用感といわれています。

 

以上、上の6つがバランスよくとれての自己肯定感です。

あなたの「自信計」はバランスがとれているでしょうか?多分、僕も含めて、どちらかに偏っている人が多いような、そんな世の中だと感じられます。よく言われていますが、自分に自信のない人は、心の中で自分自身を責める癖があるようです。

自分の心と対話をしながらパフォーマンスの構築を

自分の内面はどうかを常に問いかけながらパフォーマンスを考えていきましょう。ここから先は、叱咤激励+自戒の念も踏まえてお伝えしています。

外見では穏やかな良い言葉を使っていても、心の中では美しい言葉の意味でなかったりする場合もあります。社交辞令にはこういった側面も含まれているので注意しないとなりません。かといって全く人を信じないのも問題なのです!

また、あなたの周りにこんな人はいませんか?

Bさん
今、自分自身が置かれている立場としてこうあるべきだからやっている。

といった、言われたことを忠実に行なうパフォーマンスです。責任感、使命感と置き換えてもよいのかもしれません。

これ、どちらかというと事務所所属のタレントさん(卵も含めて)がやりがちな振る舞い方でしょうか。

何故そうしているのか?

事務所に所属している生徒さん
今後、事務所にいられなくなったら、自分には何も残らない。干される・・・。

といった考えらしいです。

ちょっと角度を変えてみれば、これまでやってきた仕事は、レギュラーであれ単発であれその人自身のキャリアになるわけですね。活動歴として堂々とセルフ・プロデュースができるのです。お互いに協力してやり方を考えれば、セルフ・ブランディング化も可能です。この部分で賛同までとはいかなくても、受け止められる方もいるのでは?と理解しています。

最近の傾向なのでしょうか?事務所所属のアーティストはセルフ・ブランディングできる人とそうでない人の二極化が激しいようです。上っ面だけのパフォーマンスは、心の葛藤を引き起こさないとも限りません。

不安や怖れに怯えながら仕事にしがみつくのではなく、不安や怖れとキチンと向き合いたいものです。避けるのではなく、別の何かや人に依存するのではなく、向かい合っていきたいものですよね。(回避依存傾向)

これは、その人のスキルとして培われている現場での修正する能力、その人の持っている引出から適材適所に取り出す能力とは全く違いますよね。

ご自身の心から目を逸らすことなく、向かい合いながらパフォーマンス力を構築していきたいものです。ボイストレーナーだから・・・。だからこそ、そういった部分でもサポート出来る。僕はそのように信じて疑いません。

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