よく、ボーカリストや役者、表現者は「身体が楽器だ」と言われますよね。
では、身体が楽器とはどういうことでしょうか?あなたが楽器としての身体を使って表現するとき、普通におしゃべりしている時とどこがどう違うのでしょうか?
また、ライブや公演、発表会当日に体調が悪くなってしまった場合(インフルエンザ等の感染症の場合は別)、どう誤魔化せばよいのでしょう?
ここで言う「誤魔化し」とは、プロ意識という意味でとってください。
体調不良でも、見ている人からはそんなふうに見えない。自分自身の中で合格ラインの物差しが出来ている。そういう意味合いです。
今回は、そういったことに対応出来るようになるヒントとなるようなお話になれば幸いです。(この記事は「ボイトレジム」ではなく、「明快!パフォーマンス」のカテゴリーに入れました)
身体という楽器と対話しよう♪
身体が楽器としての自覚があるとは、身体との対話を怠っていないということです。
数年前、大病を患ってからは、できるだけ無茶をしないように気をつけています。
特に今の時期眠くなったらお昼寝をする。夜12時前には布団に入る。朝起きたてに白湯を飲む。朝食は必ず取るようにする・・・。などです。
正直、体調の良し悪しの差が激しい日もありますが、調子のよくない日には前日~前々日に必ず無理(いや、もう無茶という言葉の方がよいかも・・・)をしている自分がいるわけです。
昔ほど、ライブすることは極端に減ったとはいえ、まだまだ広範囲の音域で歌いたいですし、ハーモニカも現役で吹いていたいから。
少しでも楽器としての身体に気を配りながら対話をしています。
身体と対話する場合、気をつける3つの視点
これからお話することは、イメージトレーニングにも繋がってくるかもしれませんね。
アクティブに動ける人が、頑張りすぎて病気になってしまう。これ程残念なことはありません。
巷には、マッサージ、リラクゼーション、整体・・・。たくさんの身体と対話するサービスが溢れています。
面白いところでは、ドラマー専門整体院なんていうのがあるくらいです(゜o゜)
ぼくも自分の反省を込めて書きますが、
まず、
- あなたの身体を癒せるのは、あなた自身だということ
- あなたの身体を守るのためには、段階を踏むということ
その上に立って、整体師や身体のセラピストに伺ってみるとよいでしょう。
いきなり守ろうとすると、緊張して堅くなってしまいいます。
さて、身体と対話する場合に意識をする次の3つのこと。これらはひとつひとつ独立しているのではなく、繋がっています。
- 緊張しているかどうか
- フォームからの動きはどうか
- 腹式呼吸の状態はどうか
です。ひとつずつ見ていくことにしましょう。
1.緊張しているかどうか
緊張した状態では、動いた場合、不自然な感じになります。凝りや身体の歪みなどは、発声や歌うことなどのパフォーマンスの妨げとなってしまうからです。
こういったことに気づいて、予防と調整のケア、メンテナンスのボイストレーニングと、声を伸ばすためのボイストレーニングとのバランスを図りましょう。
緊張の度合いは、僕の場合、肩甲骨に出ます。年齢を重ねるとともに肩甲骨の自由が利かなくなってきます。さらに、緊張すると喉が渇くんだ!という自覚はあります。
人前で発表。その時の緊張を和らげるために「軽い咳払いと水をちびりと飲むとよい」といわれています。
緊張が激しすぎると、肩凝りや首凝りの症状に悩まされる人もいますし、呼吸の浅さに出る人もいます。
緊張している時、身体がどんな状態になっているか?を知っておくことです。しかし、緊張のし過ぎで凝っていることすら分からない(体感出来ていない)人もいます。
そんなの分かるわけないよ!という人は、心配、不安、焦り、恐怖との関係を考えてみましょう。これらの感情は緊張ととどこかで繋がっています。
2.フォームからの動き方はどうか
動きって、動かすために動くわけじゃないですか。
アレクサンダーテクニークでは、
身体を置くために動かす。止めるために動かす。
このように伝えられています。
▼アレクサンダーテクニークについて
詳しいことは省きますが、緊張していると、動作が早くなったりスムーズな動き方ではない動きとなってしまいます。
自分では、ちゃんと動けていると感じていても、他人から見ると妙な動きになってしまうことは、誰にでもあります。
まず、あなた自身が自覚をするということが大切なのは言うまでもありません。
3.腹式呼吸の状態はどうか
呼吸法に関しましては、胸式呼吸、腹式呼吸の他に肩式呼吸などというネーミングや逆腹式呼吸、胸郭呼吸、密息 など様々な呼吸法があるようです。ここでは、大きく二つに分けて胸式(タイプの)呼吸と腹式(タイプ)呼吸に分けました。
もし、胸式呼吸になっていたら、どのように腹式呼吸にもっていくか?これが大切なことだと常々、生徒さんに伝えています。
- 小さな力で大きな響きを作るために・・・
- 大きな響きをもとに粒立ちの良い音声を発するために・・・
声の響きは身体の鳴りと関係しているのは、全く楽器と同じです。
腹式呼吸至上主義ではなく、胸式呼吸とのバランスの上で腹式を考えて使ってみることです。ヨガやピラティスは、教えるインストラクターにもよりますが、胸式派と腹式派がいらっしゃいます。
ここで大切なことは、胸式呼吸と腹式呼吸のどちらが正しいか?
ではなく、
あなたの身体の状態は、どちらの呼吸を求めているのか?
といったことなのです。
まとめ ボイストレーニングをやると疲れない
身体を使うボディボイストレーニングの場合、肉体的に疲れてきますが、そこはジムのメニューと同じだと考えています。ストレッチや筋トレを始めた時がそうであるように、やり始めは筋肉痛など出てきますが、習慣にしてしまうこと。
自戒の念も含めて書いています。
ボイストレーニングを続けていると、始めは新しいメニューや何やら意識しなければならないことが多すぎて、疲れてしまう。
- 慣れるまでの疲れ
- ひとつひとつのメニューが上手く出来るかどうかの不安からくる疲れ
- トレーナーに対しての気疲れ
- その他
いろんな疲れがあると判断しますが、先ず21日から30日間、続けていれば、だんだん疲れなくなります。
ボイストレーニング初心者の方は、ボイストレーニングをやって疲れない状態を目指しましょう。まあ、疲れないという意味合いは最低でも5つぐらいありますが、それはまたの機会に。