今回は、上手さや良さということについて考えてみましょう
あなたは歌がうまいねと言われたいですか?
はい。言われたいです。
もちろん言われたいですね。
そうですか。では、あなたが感じている、思っている「上手さ」とは
何でしょう?
歌の場合、音程を外さない、リズムがしっかりしていることはもちろんですが、本当にそれだけでうまいのでしょうか?
あ、ビブラートなどのボーカルテクニックやフレーズの処理ですか!それだけでしょうか??
今回は、歌の上手さや声の良さということについて皆さんとシェアしていきましょう。
上手いということ、良いということ・・・
僕は
歌が上手いですね。
と言われるより
あなたの歌には味があるね。あたたかいね。
などの五感を使った用語で言われた方が、嬉しさがジンジンきますね!
何故なら、ハーモニカを吹いているときにプロの先輩ミュージシャンからこのように言われたことがきっかけだったからです。
お前のハーモニカの音色は、風の香りのするような爽やかさと、繊細な泥臭さがある。
無茶苦茶嬉しかったです!「上手い」という言葉の程度が足元になる位でした。
歌声ではありませんでしたが、そのことを聴いたときに本当に嬉しかったのです。
ならば歌でも・・・
といった承認欲求が若い頃にはあったことは事実です。
今では、上手いと言われるよりも、
もう一度あなたの歌(声)が聴きたい♪
と言われた方が嬉しい場合だってあるかもしれません。僕はそのように考えているのです。
上手いヘタとは、聞き手が感じている主観的なものに過ぎないのです。
上手い歌、良い声の基準は、立場によって異なる
何が良い声なのか?心地よい声なのかは聴く人によって、ジャンル、フィールド、分野によって異なるのです。それぞれの分野で思う「上手い歌、良い声の定義」は異なります。
伸び悩んでいる人は自分自身の柱(基準)が確立されていないので、確立させていきましょう。
以下に上手い歌、良い声の一例を載せておきました。これが絶対ではないので、ひとつの参考、それでいて為になる参考とお考えください。
表現の分野では
- ボーカリストの立場から→お客さんを感動させる。次も観てもらえるような声
- バックミュージシャンの立場から→演奏していて気持ちの良い歌声
- 演者(俳優や声優)の立場から→ストーリーの本質を伝えられる声
- ナレーター、アナウンサーの立場から→明快に情報を伝えている声
サポートの分野では
- ボイストレーナーの立場から→喉を傷めずに、生徒さんらしさと生徒さんならではが出せる声
- ディレクター、演出家の立場から→売れそうな声、売れる声
制作の分野では
- レコーディングエンジニアの立場から→マイクに乗りやすい声、波形が安定している声
- P A エンジニアの立場から→歯擦音の少ない声
歯擦音(音声学でいうところの摩擦音、破擦音、一部の破裂音の類)
変わったところではこんな立場からでも(納得できますね)
- 耳鼻咽喉科の先生の立場 から→鼻腔、口腔内が清潔な状態で出せている声
- 言語聴覚士の立場から→呼吸、発声、構音とがバランスよく機能している声
- 日本語教師の立場から同業者の先生→学習者に意味が伝わる声
- 日本語を習得している学習者の立場から→日本語の発声発音が理解しやすい声
構音(音声学でいうところの調音と同じ意味)
そして忘れちゃいけない
- 聴き手、オーディエンスの立場から→応援したい、育てたいと思えるような声
実は、ファンが持っている潜在的に持っていることは、アーティストと一緒に育っていく、育てたいと思うことが根底にあるようです。
基準となるあなたの声を見つけていくために 大切なこととは?
以下のことに尽きます。
✔モニター能力
✔自分の声を客観的にチェック する人は、伸びていきます。
✔I C レコーダーやボイスメモなどで、自分の声を録音してチェックしましょう。
もし、聴くのが嫌ならば、あなた自身の声を見てみる(観てみる)ことも大切ですね。
大切なことは
- あなたの声を数値化して測ることが改善につながる
- 同時に感覚的な部分もバランスをとりながら行なう
僕はこのようにどちらも大切だと考えています。
1.の「測る」とは、ロングトーンの秒数やボトムやトップノートの音名は何か?などです。
2.は視覚(イメージ)、身体感覚、言語感覚などです。五感も大切にするということですね。
こちらにそんなコラム記事が載せてありますので、興味のある方はご覧くださいね。