自宅で出来るボイストレーニングの方法は、何もメニューをこなすことだけではありません。家に姿見(鏡)とマイクがあれば、ライブパフォーマンスのためのイメージトレーニングにもなります。
マイクを持ちながら鏡を見る。エアギターではなくエアボーカルをやってみましょう。立ち方やパフォーマンスの研究も出来ちゃいます。
今回は、マイクの持ち方について、普通とはちょっと違った視点から書いていきます。
マイクの近接効果とは♪
マイクには近接効果という特徴があります。
マイクには指向性があるので、約30㎝以内に近づけると低音域がググッと持ち上がり強調される現象のことです。
特にボーカリストが口元にマイクを近づけると近接効果が出てくるので、低音域が上がる。ダイナミック型、コンデンサー型を問わずローカットフィルターを備えているマイクもあります。
感度の良いコンデンサー型のマイクでは、声以外にボーカリストの足音まで収音してしまうのです。今言った理由から、レコーディングする時には靴を脱いで録ることをお薦めします。
▼詳しくは、こちら記事を参考にしてくださいね。
話をライブパフォーマンスに戻しましょう。
マイクは手で覆って持つこと!
「うそでしょ!」
とビックリされた方もいると思います。でもね、これ、本当のことなんです。
ライブで、この近接効果を利用した持ち方をやってみるのです。これ、使い方によっては音の武器となることをご存知でしたか?
よく、
マイクのヘッドケースを両手で覆って持つとハウリングしやすいので、そのように持たないように。
と言われています。確かにそれはそうです。
ひとたび両手で覆ったら、ブーンやギュイーンの耳をつんざく音!!!
とまでいう人もいます。何もそこまで言わなくてもいいのにね・・・
▼ハウリングについては、こちらを参考にしてください。
クローズドスタイルでハーモニカを吹く場合
私は、マイクを確実に手で覆いながら持つ。そんなパフォーマンスする時があります。こんな感じです。
この持ち方をクローズドスタイル(閉じた持ち方)といいます。バンドなどでアンプを使ってハーモニカを演奏する場合によく使うやり方です。ひと頃流行った「ボイパ」はこのやり方でパフォーマンスしていましたね。
皆さんがボーカルマイクを手で持って歌う、またはマイクスタンドを使って歌うやり方は、オープンスタイルといいます。
下の写真だと見にくいかもしれませんが、両手で覆ったとき、小指の部分をしっかりと密着させることである程度のハウリングを防げます。
ダイナミックマイクのダイアフラムは結構な音圧にも、比較的レベルの大きな音でも耐えられる。このメリットを使わない手はない!あとはハウリングさせなければ良いわけです。
セッティングの仕方によって近接効果を逆手に使うことができますし、持ち方によっては、手で覆ってもハウリングは最小限に防げるからです。
マイクのボールを握っていても中途半端な持ち方(例えば、薬指や小指を立てた持ち方)をするので、ハウッてしまうんですよ~。
最後に、このやり方を行う場合の注意点です。
▼ライブで
クローズドスタイルで行う場合、PAさんにゲイン、またはフェーダーを下げてもらうように、予めお願いしておくことです。▼カラオケで
リバーブやエコーの利いた状態でクローズドスタイルをやると、確実にハウリングします。スピーカーに向けないことと、エコーは最小限にとどめておくことです。狭い部屋には向きません。