パフォーマンスシリーズの記事が続きます。最近はパフォーマンスにセルフ・プロデュース、セルフ・マーケティングを絡めた記事だったんですが、音楽表現のパフォーマンスに戻りましょう。笑
今回は、パフォーマンスと連想しやすい、歌うパフォーマンス、ボーカリストのパフォーマンスに焦点を当てました。
パフォーマンスを上げるためには、ライブの場数を増やせばよいということは、経験者ならお分かりだと思います。もちろんそれだけではありません。
最近の歌うパフォーマンスを考えた時に、カラオケが発達し、ネット社会が発達した背景で、ボーカルとしての能力バランスが変わってきている現実があります。能力バランスとは一体何でしょう?
能力バランス=歌に必要な項目
といってもよいかもしれません。そこを一つずつ見ていきながら「歌うこと」を改めて考えていきましょう。
「歌」を歌うことと「音楽」を歌うこと♪
「歌」を歌うことと「音楽」を歌うことは違うと考えています。ここで音のコミュニケーションのことをお話ししましょう。
音のコミュニケーションが取れているということは、
✅ 1曲の中で自分が出るところなのか?引っ込むところなのかが分かる
✅ バックの楽器の音が聴きとれている
✅ アコースティック演奏の場合でもタイミングが取れ、ダイナミクスに歌える
などが挙げられます。
先日、SNSのタイムラインを眺めていたら、面白い投稿に出会いました。
たまたま、ギターの話ですが、これがドラムでも同じです。
たくさんのバンド活動をしてきましたが、20代の頃だったかな。とにかく、ドラムの音が煩かったことを思い出したのです。
ボーナム とは?
コージー とは?
本人とは、、 はい。過去の室長です。汗
歌だけを歌いたいのか?音楽の中で歌いたいのか?
歌に関してもこれと全く同じことがいえるでしょう。
- 歌だけを歌いたいのか?
- 音楽の中で歌いたいのか?
という選択になってきます。
先ほど、
ボーカルとしての能力バランス=歌に必要な項目
ということをお話しました。リンクを貼っておきますので、少しの時間ご覧になってください。
この8つの項目(+ワン)は、ボイストレーニングをやる場合、段階的にクリアする項目と同じですね。これらはどちらかというと、テクニック的なこと、スキルになってくるんですが・・・。
これら8つの項目はそのまま歌うことにも当てはまります。これは、
- 生演奏をバックに歌っているのか?
- カラオケを利用して歌っているのか?
に8項目を当てはめてみましょう。
生演奏とカラオケの違いについては、こちらの記事を参考にしてください。
歌だけを歌いたい
歌だけを歌いたい場合、まずはYouTubeを観ながら被せて歌うやり方が挙げられます。
以前にもアップしましたが、外タレ曲を歌う場合、発音や言葉のリズム(リダクションや入り方のタイミング)などを吟味したい場合には、0.75倍速に落として聴く→標準に戻して歌うという流れで練習しています。
この場合、被せて歌っているので、ユニゾンをしていることになります。
【ユニゾン(unison)】
完全1度音程(ひとつの音)のこと。または同音やオクターブ上下の同じ音についてのメロディラインが重なった場合をいう。
次にカラオケです。カラオケの場合、
- ガイドメロをつけて歌う場合
- ガイドメロを外して歌う場合
に分かれると思います。
カラオケ慣れしていない人は、ガイドメロのあるなしに関係なくバックの音に慣れてもらわないとなりません。しかし、一番に頼るのはガイドメロ。これだとカラオケのベースの音やドラムのハイハットの音、ギターのカッティングの音などは耳に入ってはきません。第一段階目はここが課題です。
ガイドメロつきのオケに慣れたら、今度はガイドメロを外して歌うことに慣れましょう。慣れてくると、パフォーマンスにも余裕がみられるようになります。
ところが、ガイドメロを外して歌った途端、メロディが分からなくなる人がいます。タイミングが取れなくなる人もいます。メロディが分からなくなるとピッチが安定しません。タイミングが取れなくなるとテンポキープが難しくなります。
この時点ではまだまだ音のコミュニケーションが取れているとはいえないのです。
特にここ最近のJ-Pop曲は、タイミングの取り方でうまく歌えるか?歌のパフォーマンスに影響を及ぼす曲が多いように感じます。
アンサンブル
「音楽の中で歌いたい」とは、アンサンブルのことを意味します。
【アンサンブル】(仏: ensemble)
元々は、「共に、一緒に」という意味。
音楽用語で2人以上が同時に演奏すること。2人以上の合奏、重奏、合唱、重唱の意味。あるいはそれらの団体の意味にも用いられる。
セッションに参加したことある人はわかると思いますが、カラオケとは全く違います。なにせ音圧もありますし、音がダイレクトに伝わって身体に響いてきます。バンドであれユニットであれ生演奏をバックに歌うことこそアンサンブルの醍醐味です!ところが・・・
現在(2019年現在)は
アンサンブル=生演奏
という時代でもないのです
最近では、カラオケアプリ「Smule Japan」などが流行っており、
Aメロを○○さん、Bメロを☆☆さん、サビはユニゾン、歌える人は3度上でコーラスを演ることができます。それも相手が誰なのか?声しか分からない。そこで知り合った人たちがオフ会で顔を合わせるといったコミュニケーションの取り方です。
歌が取り次ぐ出会いです。
ある意味これもアンサンブルといえるのではないかと思うのです。
カラオケアンサンブルと生アンサンブルの違い
●カラオケアンサンブルの場合
カラオケという決められた演奏の中で、ボーカリスト同士が自由に歌う順番を決めることができる。錆ではユニゾンもOK。
別の側面だと、カラオケという、ある意味制約のある演奏の中で歌うことにもなる。
先ほども書きました。カラオケが発達し、さらにカラオケアプリを使ってネット環境を利用した背景で、ボーカルとしての能力バランスが変わってきています。
ここで、採り上げたい項目が、リズムです。
カラオケの精密採点でも、リズムの要素は上位に挙がってきませんし、良い歌が歌えている生徒さんでもリズム感が「イマイチ」の方は、生演奏をバックに歌った経験が殆どないからです。
●生アンサンブルの場合
生アンサンブルの場合、カラオケアンサンブルのような課題点の数々はクリアできます。
カラオケ慣れしている生徒さんほどタイミングが取れなかったりもします。レッスンの時、こちらが課題曲をピアノやキーボードで弾いて歌ってもらおうとすると、途端にタイミングがとりにくくなります。
トレーナー側で
ときっかけを出してあげて
という流れになります。お互いの中で共通のメトロノーム、パルス感を作れるかどうかが大事です。
そんな観点から、音楽の3大要素は、①メロディ ②リズム ③ハーモニー ではなく、
①リズム
②メロディ
③ハーモニー
の順番だと感じているわけです。