アレンジの基礎

ube_mix-room 制作活動の現場から

今回はメロディーや、コード付けが終わった後のアレンジ(編曲)の部分の基礎的な事を説明していこうと思います。

生徒さんからの質問で、

生徒さん
アレンジって何をやるんですか?

という事を聞かれることがあります。

 

人によって解釈は色々あると思いますが、

担当トレーナー
アレンジとは【作詞、作曲以外の全フレーズを作る事】です。

 

コードは作曲家があらかじめつけている事が多いですが、それを変更していく事もよくあります。

自分が楽器を弾けなくても知識や打ち込みの方法が分かっていれば、生楽器っぽく仕上げる事が可能になります。

「アレンジする」ということ♪

作曲や作詞と大きく違う所は、感性だけで進めていく事が難しい点です。

作曲や作詞は、まったく勉強していなくても、割と良いものが出来たりする事があります。

もちろん感性と知識、テクニックのバランスがとれている方が良かったりはします。

レッスンをしていても作曲作詞以上に、アレンジは、楽器の種類や特性などが膨大過ぎて、全く知識がない人にはなかなか教えにくい部分があります。

とは言うものの、自分でメロディーや詞が出来た後に、曲として仕上げていきたい方も多くいると思います。

 

なので今回は、色々な楽器の特徴や役割を分類して説明していこうと思います。

全く何もない状態から始めるより、少し取り組みやすくなると思います。

音楽の3要素♪

まず音楽の3要素と言われるものを説明していきます。

それは、

  1. メロディー
  2. ハーモニー
  3. リズム です。

それぞれの楽器がどういった役割をかねているのかを把握していきましょう。

▼音楽の3要素、メロディ、ハーモニー、リズムについてはこちらのコラムにも書かれてあります。
https://www.onevibes.com/voice-training-gym/what-to-voice-training/

1.メロディー

フレーズとも言えると思いますが、これは昨今のポップスで主役となる楽器です。

ボーカルがこれにあたります。

一番耳に残る部分で、歌が入っている音楽では基本的にボーカルがメロディーを担います

ボーカルが入ってない、いわゆるインストゥルメンタルでは、ソロパートを奏でる楽器がメロディーの役割を担います。

例えば、

情熱大陸のテーマの葉加瀬太郎さんが弾いているヴァイオリンや、

ミュージックステーションのテーマのB’zの松本孝弘さんが弾いているギターです。

 

簡単にいうと、口ずさめるフレーズを奏でている楽器です。

歌ものの曲でもイントロや、間奏でソロパートでは楽器がメロディーを奏でる事がよくあります。

2.ハーモニー

これは和音(3つ以上の音階)を奏でて、曲の明暗やコードを担当している楽器です。

様々な楽器が挙げられると思いますが、最も分かりやすい楽器はピアノ、ギターです。

短調、長調なんていう言葉を聞いた事があると思いますが、その部分の表現しやすいのがこの役割の楽器です。

TVやYouTubeで見た事がある方もいると思いますが、暗いハッピーバースデーとか、

清水ミチコさんが、曲をアレンジして明るい曲を、わざと暗いコード付けをしているのを見てみると分かりやすいかと思います。

同じメロディーでも和音が違うだけで、曲の雰囲気が大きく変わってきます。

単体では単音を出す事が多い楽器でも、複数編成することで和音を出すような事もよくあります。

バイオリンやヴィオラなどのストリングスが複数重なったりするものもハーモニーとなります。

3.リズム

これはイメージしやすいと思いますが、ドラムパーカション、ベースリズム楽器と言われる楽器です。

曲が8ビートなのか16ビートなのか、曲のノリやビート感を担当する楽器です。

オムニバスのCDとかで、生楽器の曲をテクノ調のダンスミュージックなんかにリアレンジしている曲は、生のドラムからドラムマシーンなどのデジタル楽器になっていたりします。

 

ジャンルを決定づける部分もリズム楽器による割合が大きいです。

ボサノバアレンジ、ラテンアレンジなど、特に民族的なジャンルはリズムに起因する事が多いです。

 

興味のある方は、YouTubeなどで、【各ジャンルの名前 リズム】で検索すると代表的なリズム

を聞く事が出来るので検索してみてください。

役割の把握

勘のいい方は気付いたと思いますが、2つないし3つの役割を担える楽器が多く存在します。

 

代表的なものはピアノとギターです。

メロディーもハーモニーもリズムも、全てを担う事が出来ます。

シンガーソングライターが、ピアノやギターの弾き語りをするのを見たり聞いたりする事があると思います。

弾き語りというジャンルで、圧倒的にピアノとギターが多いのは、その二つの楽器が、どの役割もこなす事が出来るからなんですね。

 

色々な役割を担えるか否かの基準は、

☑ 単音、複音どちらも出せるか
☑ ある程度の音域の幅があるか

という部分です。

 

例えば、トライアングルなど音階の幅もなく複音も出せない楽器などは、弾き語りというジャンルにはあまり向いていない楽器となります。

 

他にもいくつか複数の役割を担う場面を例として挙げておきます。

リズム楽器として挙げたベースが、間奏などでベースソロをとる場合。

これはベースが、

低音の楽器なのでリズムを感じさせるのに適している。
音階楽器なので、メロディーを奏でる事が出来る。

 

などの特性を持つので可能になります。

 

ハーモニーを担う楽器として挙げたギターが、ブラッシングやボディを叩いたりする事でリズムも感じさせる場合。

ギターはカッティングをする事で、そもそもリズムも担う事が多々ありますが、特殊な奏法により更にリズム楽器として活躍する事があります。

これは元来ある奏法だけじゃなく、様々な奏法が生み出されたことにより可能になりました。

日本や海外で最近活躍している、雅さんなんかが得意にしている奏法です。

 

超絶技巧プレイなんて言われていて、なかなかすぐに会得するのは難しいかもしれませんが、音として鳴る部分は、様々な方法で楽曲にいかせるという意識を持つ事もとても大切な事となります。

特性を活かしたアレンジを!!

ここでは紹介しきれない楽器が他にも沢山あります。

民族音楽で使われている楽器などは、私自身もまだ名前すら知らない楽器が多く存在します。

ひとまず取り組みやすい方法としては、以前にも少し紹介している

【3バンドアレンジ】です。

 

ドラム、ベース、ピアノorギター

それに加えてメロディーラインを奏でるボーカルです。

 

音楽の3要素をカバーできる最小単位のアレンジから取り組むことをオススメします。

良く出来たアレンジというのは、ドラムとベースと歌だけでも形になっていてカッコいいものだったりします。

そこに和音を奏でるピアノorギターを加えていく形です。

 

まずその形で、ある程度バランスがとれるようにアレンジをしていきます。

そこから、重複する役割の楽器を増やして行く事でアレンジに厚みや深みを出していきます。

 

これも3バンド編成から楽器を加えて行く例をあげると、

ドラム、ベースのリズム楽器に加えて、

シェイカーやタンバリンなどのパーカッションのトラックを加えます。

基本的にドラムが鳴っていないところを補うような形でフレーズを作る事で、賑やかな雰囲気や、スピード感が出て来たりします。

 

 

ピアノorギターのコード楽器にプラスして、ストリングスを加えます。

ピアノやギターはある程度アタック感が出る楽器なので、ストリングスのような立ち上がりがゆっくりな楽器を加える事で、壮大な雰囲気やハーモニーの重厚感が出ます。

 

このような形でトラックを加えていきますが、

なかなか聞き慣れない言葉や、聞き馴染みの無い楽器もあったと思います。

 

まずは3バンド編成から初めてみて、そこに壮大な雰囲気を加えたければストリングス。

スピード感を出したければパーカッションのような形で1つ1つ楽器の役割や特性を学んでいってみてください。

1つの楽器を知る毎に、普段音楽を聞いている時も、主役となる歌以外の部分にも意識が向くようになります。

それが、相対的に音楽レベルの向上にも繋がっていく事を感じられたら音楽制作が一層楽しくなっていきます。

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