曲づくりをされているシンガーの皆さん。制作は順調でしょうか?泉のようにアイディアが沸き起こって、良い曲を作れていますか?
こういう
{(想像→創造)×感性}×回数
といった、クリエイティブ業に携わっていると、アイディアやメロディ、詞のフレーズが出てくる時と出てこない時の差が大きいかもしれませんね。
今回のこの記事は、楽曲制作の過程(途中段階)で詰まってしまった場合、そうならないためのお話です。
最終的には、あなたの心の引き出しに、曲のフレーズのストックをある程度貯めておかないとならないんです。ペンタトニック辺りまでが分かっている方なら大丈夫です。
でも、全く曲作りをしたことがないあなたにとっては難しいかもしれませんね。そういった方は、先ずこちらの記事を読んでから、ここに戻ってくださいね。もちろん興味のある方は読み進めていってくださって構いません。
オリジナル曲のネタ作りは、コレ♪
オリジナル曲のネタ作りは色々とありますが、その中でも大きく3つの仕込み方、やり方をご紹介しましょう。まず、次のふたつのことに注目してみましょう。
- メロディからコード付けをする
- コード進行からメロディを当てはめる
1.は、あるモチーフを基本メロディとして、それを変えながら作っていきます。コード付けはトレーナーから教えてもらう。または自分で出来るところは自分で行なって、トレーナーにチェック、添削してもらうやり方があります。
2.は、少しレベルが高いかもしれません。セッション経験のある方やバンド経験のあるボーカリスト、楽器を弾ける方だと分かりやすいかもしれませんね。
ひとつずつ見ていく前にまずここから復習しておきましょう。
詞先と曲先の復習
仕込み方(その1)は詞先です。
詞先(しせん):作曲より先に作詞を行う楽曲づくりのことです。先に歌詞が決まっていると音楽的なリズムと言葉のリズムの違い、さらにメロディに制限をかけてしまうことも出てくるため、初心者では難しいとされています。
しかし、全く作曲した事のない人にとっては、詞先しかできないのも事実です。
曲先(きょくせん):作詞より曲を先に作ることをいいます。この場合の曲というのはメロディのことを指します。なので、次にあるようなメロディからコード付けをする作業は、曲先のことだと解釈してください。
メロディからコード付けをする
仕込み方(その2)が曲先(メロディ先)です。
生徒さんの中で多いのがこのタイプです。
メロディから作り、後でコードをつけていくやり方です。コードづけの制約はありますが、範囲内での自由度があります。
ただし基本は3コードからなので、3コードから細かく検討していきましょう。
代理コードでいくのか?Ⅱ―Ⅴ(ツーファイブ)にするのか?ケーデンス(終止形)はどう進行するか?どのキー(Key:調)の時にどういった種類のコードが使えるのか?コードブックや関連サイトなどを参考にしましょう。
コードからメロディを予測する
仕込み方(その3)です。
コード進行を先に作ってから後でメロディを当てはめるやり方です。「コード先」という言葉もあるんだとか。
コードからメロディを当てはめると書きました。当てはめるとは、「考える」のでもなく「つくる」のでもなく、その前段階で「予測する」ということが出てきます。
セッションの強み?!
あなたはセッションをやったことがあるでしょうか?
やってない方は度胸試しにやってみる
と良いかもしれません。別に楽器が出来なくてもヴォーカルとして参加が出来ます。
特にブルースのセッションの場合、慣れていないと、
というようにぐしゃぐしゃになってしまいがちなのが初心者の方です。そんな時、経験者の方が、助け舟を・・・
なんて判断して、お尻を向けないでくださいねw 笑われてしまいます。
ここでいう「ケツ」とは、ブルース進行でいうところのⅤ7→Ⅳ→Ⅰ(→Ⅴ7)の
Ⅴ7から演奏をしてください!
という意味です。
このローマ数字は曲進行の住所のようなものです。音楽理論をご存知の方は、このⅠ(トニック)にどのコードが入るのかで、後に続くⅣやⅤ7のコードが決まってくるんでしたね。
そうすると、ケーデンス(カデンツ)を勉強することになります。
まあ、音楽用語も少しずつ覚えていくようにしましょう。現場で覚えて持ち帰るとそれだけであなたの貴重な財産(材産?)になります。
セッションでは、譜面に添ったセッションプレイもありますので、何事も経験してみるのも大切です。ホストの方の指示には従うようにしましょうね。
替え歌もできちゃう
セッション慣れしてくるとですね。ソロを振られた場合、8小節位のソロを自分自身で組み立て演奏できる力がついてきます。コード進行に対して予測するという感覚と実際に出した音に対しての反応する力が身についてきます。
これは楽器担当の方だけではなく、ボーカリストでもスキャットを使って歌うことができるわけです。
この感覚が体に身についてくると、一定のコード進行の中で替え歌として歌うことや替えフレーズなどが演奏出来たりします。
言い方を変えると、そういった引き出しの中にあるストックを瞬時に引き出せる力というんでしょうか。
例えば、
Ⅰ Ⅲ|Ⅵm7 Ⅰ/Ⅴ|Ⅳ Ⅰ|Ⅱm7 Ⅴ7|
という進行があったとしましょう。
今、ⅠにD(レ・ファ♯・ラ)のコードを置いてみましょう。
すると、
Ⅰ Ⅲ|Ⅵm7 Ⅰ/Ⅴ|ⅣⅠ|Ⅱm7Ⅴ7|
D F♯|Bm7 D/A |G D|Em7 A7|
この進行、
実はちびまる子ちゃんのエンディング曲だった「走れ正直者」のサビの部分でした。コード楽器(ギターやキーボードなど)を弾ける方は弾きながら歌ってみてください。
西城秀樹さん、あちらの世界でもカッコよく歌ってるかもしれませんね(涙)
では、次はどうでしょう。
Ⅰ Ⅲ|Ⅵm7 Ⅰ/Ⅴ|ⅣⅠ/Ⅲ|Ⅱ7Ⅴ7|
C E |Am7 C/G |F C/E |D7 G7|
当然曲の調=Keyは異なりますよね。しかし「走れ正直者」の進行と比べて、オレンジの進行が違うだけで後は一緒の流れです。
これは、あのSuperflyの名曲「輝く月のように」です。
さらに、
Ⅰ→Ⅲ→Ⅵm7の進行でいけば、ⅢをⅢm(マイナーコードのこと)にすると、何になるでしょう?平井堅さんのアノ曲ですよ(^^♪
まだまだ既成の曲でいろんなメロディが当てはまると思います。上手くいかなかったらコードにメロディがのらなかっただけの話です。
著作権さえ気をつけていれば、どんどんやってもらって構わないです。大切なのは、いろいろトライしてみること。それを面白がることです。
まとめ
詞先なのか?曲先なのか?コード先なのか?
これが3つの仕込み方です。
それで、どれが良いのかというと、
どれからでもよいよ。
そう感じています。
ちょっと考えてみると分かると思いますが、
✔先に行う作業の方が制約が少ない
その制約の少なさを活用して、自由な発想で制作をすると良い。
☑ 詞先なら作曲、特にメロディで制約が出てくる。
☑ 曲先(メロディから)なら、詞を作る時に制約が出てくる。
しかし、
☑ メロディが先か?コードが先かという点では、お互いに縛り付けるものはなく、制作者の引き出しの数とアウトプットにかかってくる。
と言えるわけです。
そこで、冒頭でお出しした
{(想像→創造)×感性}×回数
の公式です。
その他、作曲に関しての記事です。ご参考までに。