同じことをやっていても明らかに伸び率の違う生徒さんがいます。言い換えると、同じレッスン内容をやっていても結果・効果・成果に差が出てくる場合があります。
ウチ(→ワンバイブスではありません)のスクールは、高音域の出る、滑舌の良くなるスーパー・メソッドを開発!
なんて言っていても差が出てくるというわけです。
いったい何故こんなことが起こるのでしょうか?今回はそれらを解明してゆきましょう。
ボイトレのメソッドは万民に効果があるのか?
実は、こんなに結果・効果に差が出ているのには、ある二つの理由があると思っています。
まず、第一の理由です。それは、
一人一人の個性と学び方を生徒さん本人はどのように感じているのか?
この理由を疎かにしないことです。
続いて第二の理由は
メソッドの押し付けになっていないか?
です。
ボイトレ版のATI(適正処遇交互作用)
多くの大手ボイトレスクールは、そのスクールで開発したメソッドやアプローチがあります。
そしてそれらを一子相伝のような形で入会した生徒さんにだけ伝えてゆく。そんな方法が平成まで流行っていたやり方でした。
また大手では、講師数人に対して何人かの生徒達が集まる。そんな場合もあるので、一人一人を丁寧に見てくれません。特にアクターズスクール、声優の養成所は今でもそのやり方の所が多いようです。
いってみれば、
入会した生徒さんは、全員このやり方、このカリキュラムでやってください。
この言葉の裏には、こんなコンテクストが隠されているのかもしれません。
それが出来ない人は向いていません(落ちこぼれです)。
このような対応はボーカルレッスンのみならず、台詞の発語・発話やナレーションまでそのようにされるようです。実際に大手スクールから当教室に入会した生徒さんが話していたことでした。
しかし、人にはそれぞれの個性がありますよね。
ボイトレ版のATIとは?
もちろん9割以上のスクールがリップ・ロールやタング・トリルを行なっています。そうであったとしても、次の点において上達の度合いは一人一人違うのではないでしょうか?
- 理解度
- 伸び方のペース
- 習得状況
- 得意、不得意な分野
- モチベーションとやる気
- 個人練の方法 など
だからこそ、生徒さん一人一人を知って、より理解していく。始めから合わせようとするのではなく、まず寄り添う。そして、だんだんとその人に応じた指導をすることが大切だと考えています。
つまり、みんなに同じ指導をしても、みんな同じ結果は出せないのです。
適性処遇交互作用(Aptitude Treatment Interaction)
当然、あなたにはあなたの個性を活かした、あなたのペースで伸びてゆける方法があるはずです。そしてそれをこなすことで効果も成果も出る、ワンバイブスではそんなアプローチをトレーナーと一緒に見つけられるのです。
【適性処遇交互作用(ATI)】
アメリカの教育心理学者クロンバックらが提唱。内的条件である学習者の適性(特性)と外的条件である処遇(指導法)の組み合わせによる最適な効果を考える概念。(中略)
適性とは、知能だけでなく性格、興味、認知スタイル、態度、意欲などの学習者の個人差要因を意味する。(中略)
ATIは学習者と教え方との相性が教育効果を大きく左右することを示唆している。
●引用●
泉 均 著『図表でスッキリわかる 日本語教員試験 合格キーワード1400』晶文社(2024年)
「正しい」よりも「楽しい」そして「心のゆとり」「遊び心」「メタ認知」「工夫」
前回の記事で【遊び→メタ認知→工夫→楽しさ】ということを書きました。
しかし、今回は以下の順番です。
【「正しい」よりも「楽しい→心のゆとり→遊び心→工夫」】
まず「正しい」よりも「楽しい」雰囲気づくりをするためには、生徒さんもトレーナーも一緒になってレッスン(授業)を作りあげてゆく。そんな姿勢が大切になります。
そして「楽しむ」と「心のゆとり」が出来ます。さらに「心のゆとり」が出来るとスペースが空くので「遊び心」が沸いてきます。「遊び心」が沸くと「メタ認知」能力がつきます。結果「工夫」が出来るので、生徒さん自身の伸びに直結します。当然、個人練や自主練にも活きてきますよ。
「楽しい→心のゆとり→遊び→メタ認知→工夫」と円のように循環しているんですね。
まとめ トレーナーは生徒さんから学ぼう
語学教育は「教える」から「支援する」へ。さらに「一緒に学ぶ」姿勢が必要!🗒️
このことは日本語教育の世界でよく言われていることです。
ボイトレも生徒さんと一緒に学び体感する。そう在りたいし、そう在るべきでしょう。ワンバイブスが目指したいのはそこなのです😀