昔も今も伸びる生徒さんはココが違う!

認知的徒弟制ステップアップ スクール探しと受け方の達人

成長している生徒さんには、ある特徴が見て取れます。逆に全く成長しない生徒さんにもある特徴を垣間見ることが出来ます。

これは、いろいろな分野(音楽、教育、研修、コンサル)で言われていることですし、ボイストレーニングをやりながらパフォーマンスを上げていく場合にもバッチリと当てはまりますよ。ここで一度整理をしておきましょう。

伸びる生徒さんは「じりつ」で伸びている

先日、某紹介サイトのオンラインレッスンで、思い切り他責な方に出会いました。こちらへの依存が強く、レビューにも滅茶苦茶な書かれ方をされました💦書かれてあるその内容は依存心の強さ丸出し、オイシイところの情報やコンテンツだけは得たい。しかしながら手に入れただけで満足している。そんな典型的な方でした。

当然のことながらこのような方は伸びません!伸びていく生徒さんには次の特徴があります。

伸びてゆく生徒さん7つ

  1. 挨拶を気持ちよく出来る
  2. 自責である(他責にはしない)
  3. 「じりつ」で伸びる=自立するために自律を模索している
  4. 間違えても良いので、知ったことをアウトプットしようとする
  5. コツコツ繰り返せるし、フィードバックを忘れていない
  6. 成果成長お互いに喜べる
  7. 小さな約束を守る

人として当たり前と言えば当たり前の事ばかりですが、このような生徒さんはググ~~ンと伸びますよ。

状況的学習論

さてここでお勉強モードに突入しましょう。状況的学習論についてです。

これは人の考えや行動が状況に埋め込まれている。このように捉えた考え方です。知識が使われている場面を重要視するという考え方でもあります。

例えば、基礎のリズムトレ(ウラ拍どり)は苦手なのに、歌を歌うとカッコいいグルーブ感で聴いている人を釘付けにする生徒さん。個人練では上手くなっているかどうか分からないのにバンドのアンサンブルでは練習以上の出来を見せる楽器のプレイヤー。または、滑舌の練習であれほど苦労したのに本番のプレゼンでは緊張せず、スムーズに伝えることが出来た就活生、などです。

認知的徒弟制

昭和の時代、

目で覚えろ。見て盗め。

というのが主流でした。少なくとも職人の家庭で生まれ育った人たちは「観察→発見」というプロセスは嫌でも身についてしまっているわけです。認知的徒弟制とはそんな親方師匠、弟子という関係を思い浮かべてもらうと良いでしょう。

【徒弟制度】の解説
手工業、商業そのほかの職業または芸術、芸能の活動において、親方または教師に指導されて実地の訓練を通じて積み重ねる学習の制度。 とくに手工業の技能を世代から世代に伝授していくために、手工業経営やその同職組合によって技能教育が制度化された。

日本大百科全書(ニッポニカ)より引用

そして

【認知的徒弟制(Cognitive apprenticeship)】
職人の見習い修行に類似した概念を用いて、徒弟制の学習を4つのステップに分けたモデル。知識が状況に埋め込まれた状態で行なうもので、コリンズとブラウンらがモデル化(1991年)したもの。

◆参考 泉均 著 『図表でスッキリわかる 日本語教育能力検定試験 合格キーワード1400』P161

これは人の考えや行動が状況に埋め込まれていると捉えた状況的学習論の考え方が元になります。

認知的徒弟制の4ステップ
ステップ1 モデリング 生徒さんにモデルを提示する段階
熟達したトレーナーが模範を示し、生徒さんが観察する。
ステップ2 コーチング 個別指導の段階
トレーナーが助言や例を示して手取り足取り教える
ステップ3 スキャフォールディング 足場作りの段階
トレーナーや能力の高い立場の人が支援しながら生徒さんに独力でやってもらう
ステップ4 フェーディング 独り立ちさせる段階
トレーナーのガイドやサポートを少しずつなくして生徒さんを最終的に自立させる

コーチングは心理学の分野で、スキャフォールディングはビル工事現場の足場づくりを思い出してください。フェーディングは音楽、音響分野でのフェードアウト(F.O.)を思い出してもらえれば理解しやすいと判断します。

歌う、話す読む、声と向き合うボイストレーニングをやっているあなた!あなたの段階はステップいくつでしょうか?

職人は全員が教える順番は同じか?

それでは、生徒さんが伸びるためにはこれらのステップの中にプログラム、シラバス、カリキュラム、レッスンメニューをどのように組み込んでいったらよいのでしょうか?

「職人は全員が教える順番は同じか?」は見方を変えると、「見習いは全員が教える順番通りに学習、身につけることが出来るのか?」ともとれます。

トレーナー側から言えば、教える順番に教えた方が良い(生徒さんが伸びる)とは必ずしも言い切れません。そもそも、教える順番とは何でしょう?

例えば、英語を考えてみましょう。文法は本当にBe動詞、Have動詞、一般動詞の順に、文型は平常文、決定疑問文、補足疑問文の順に教えた方が良いのでしょうか?また、音楽の場合、必ず四分音符から、4分の4拍子から教えた方が良いのでしょうか?

要は生徒さん(教わる側)がしっかりと肚に落ち、納得いく形でステップアップ出来れば良いのではないでしょうか?

ボイストレーニングで「声」を「獲得する」ということ
ボイストレーニングで「声」を「獲得する」とはどういうことでしょう?今回の場合、ただ単にカッコよさそうだと好き勝手に選んで、「獲得する」と書いているのではありません。 少なくとも 獲得 習得 学習 この3ワードの関係で話を進めていきたいのです。 このように書くと または こう感じた方は、日本語教師の方...

それでも伸び方は人それぞれ

昭和、平成、令和と時代が変われど伸びる生徒さんの傾向はそれほど変わらないという結論です。

とは言いつつも、伸び方は人それぞれなのです。自律で伸びるまで、いえ、自律していたとしても伸び悩むことはありますよ。アスリートの世界でのイップスなども当てはまるかもしれません。そんな時は、我々トレーナーを頼ってください。レッスンの形式や課題メニューの出し方など、あなたの求めていることを把握しながら進めていきます。

ボイトレで伸び悩むのには理由がある

ボイトレ伸び悩み救済計画
頑張って練習しているのに、なかなか伸びないことってありますよね。 担当のトレーナーから出された課題をやっていても、「ホントにこれで伸びていくの?」と感じてしまう。 特に、 小さな声でしか発声できない人 音程面(ピッチが悪い、音痴)で課題の残る人 ミックスボイスがなかなかうまくいかない人 いろいろ言わ...

今、出来なくても構いません。自立に向けて自律出来る方、お互いの成長(先生も成長します)を喜び合える方に来ていただきたい。それがワンバイブスのパワーアップにつながるからです。

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