ボイトレの正しいやり方って何ですか?これをやっていれば上手くなりますか?
生徒さんからよく耳にする質問です。
また、体験レッスンを受けに来られる方もこのような質問をしてきます。
面白いのは初心者の方だけでなく、他の教室でレッスンを受けたけど伸びている実感があまりなかった方もこんな質問を投げかけてきます。
今回は送り手側の立場で気をつけていることをお伝えします。これは僕が常々スタッフにも話していることです。
ワンバイブスのレッスンの柱となっている事でもありますので、自分自身の戒め、励みとしての意味合いも含めて伝えていきます。
スクールや教室の柱となる価値観は教え方に反映される♪
・・・というのが理想だと考えています。
過去に某大手スクールでトレーナーをしていた経験から言えることではありますが、現実はレッスンを行なう先生に一任です。
その先生のキャラや過去の実績でレッスンをしている場合だってあります。
ここではまず前提として、教える側(トレーナー側)の目線と受ける側(生徒さん)の目線のバランスに立って考えていきましょう。
何故かというと、同じ内容のレッスンを行なっていたとしても、生徒さん側には習得の差、体感(身体への手続き的な記憶)の差が出てくるからです。
スクールや教室の柱となる、教え方の価値観を知る事は、あなたの伸びに直接つながることにもなります。
まず、ワンバイブスとしての方針からお伝えします。
✔当教室では、メソッドよりもアプローチの側に立っています。(これは後程説明します)
✔なので、一子相伝、免許皆伝のような考え方で、そのグループに属さないと伝えられないようなボイストレーニングやボーカルレッスンは行っていません。
✔担当トレーナーにより切り口は様々です。やり方は現場に任せています。よく、富士山の頂上に登るために、山梨県側からなのか?静岡県側からなのか?と例えています。
✔その分、背景にある物事は大切にしていきたいと考えています。
それらを踏まえて、
- オンラインかオフラインか
- ボイトレ業界の教授法は遅れている
- 個人レッスンかグループレッスンか
- 社長の想いは反映されているか
このような内容で進めていきます。
学ぶ立場でどういった事に気をつけながらレッスンを受けていくのか?学ぶのか?
これは以前にも幾つかのコラムを載せていますので、次の記事を参考にしてみてください。
環境別 オンラインかオフラインか
オンラインレッスンが出回るようになって何年か経ちます。
ネットの環境で行うレッスンをオンラインレッスン、そうでないレッスンをオフラインレッスンといいます。
どちらを選んでもメリットとデメリットがあります。
オンライン
オンラインレッスンというのは、ネットを使って行なっているレッスンです。
自宅でできるので、わざわざ教室に通う手間がありません。楽をしてレッスンしたいモノグサさん(笑)にはピッタリです。
語学系や資格取得、また自己啓発系、投資系が多いのかな。
ボイトレだとSkypeを利用して行うやり方があります。
幾つかのスクールでは使われているようですが、音の遅れが気になる場合もあり、今後の使い方が問われるでしょう。
【レイテンシー(latency)】音信号の遅れ
音楽制作(DAWやDTM)の環境で、音信号やMIDI信号のシステム上の遅れを意味します。パソコン処理により数ミリ秒の信号の遅れが楽器演奏の邪魔となったり、ミックス処理時の音などに影響を与えたりします。
似たような用語に
【ディレイ (delay)】
遅らせる、延ばす(受動態では遅れる)、手間取る、遅延、遅滞、猶予などの意味があります。音響機器や楽器エフェクターで特徴を生かして使われています。
さらにオンラインではふたつに分かれます。
◆自由にできる場合
スキマ時間を有効活用するために、やりたいときに出来ます。
◆時間が決まっている場合
時間を指定して動画配信をするウェブセミナー(ウェビナーとも)などがあてはまります。
オフライン
スクールや教室に通って行なう対面式のレッスンです。
特に交通の便は、家に近いか、会社や学校に近いか、途中の乗換駅にするのかで変わってきます。
ボイトレ業界の教育法は遅れている
ボイトレの世界では、「〇〇メソッド」という言い方をして、このやり方でないと歌が上手くなりませんとか、音域を広げるにはこのやり方しかない!というような教育法があります。
教育法や教授法なんていうというと大げさですが、日本語教育の世界から借用してきた用語です。
日本語教育の世界では、4技能(話す・書く⇔聴く・読む)をどのように使って伸ばしていくのか?目的に応じていろんなやり方をチョイスします。
細かな教授法はいろいろとあるんですが、ここでは、ボイトレに添うように言葉を変えていきながら大きな流れをご紹介します。
先ほども書きましたが、当教室で行なっているのは、メソッドよりもアプローチです。
ひとりひとりのトレーナーの資質とこの仕事に対しての姿勢も素晴らしい考えを持ったトレーナーの方々や、ただの「でもしか」トレーナーの方々など二極化されています。
ボイトレの内容は素晴らしいものがあるんですが、それを伝える教育法・教授法は遅れていると言わざるを得ません。
教授法の流れ3段階
第1段階 メソッド
方法と訳されるように方法論です。やり方や細かな項目が決まっており、こうしなければならないとか、これが正しいやり方だと唯一を求めます。
少々古典的な感じがあるのも否定できません。
生徒さんたちは、出来ても出来なくてもそのやり方を求めていきます。正しいのはひとつといわれているので・・・。
第2段階 アプローチ
やり方は現場に任せています。ただし、その背景にある考え方、理論、雰囲気を大事にします。
PCやアプリのバージョンアップと同じように、方法は少しずつ変わっていってOKなのです。変わるべきである!という考え方のもとで教えているトレーナーもいます。
なので、全ての生徒さんに応じたメニューとなります。同じメニューの場合もあるし、条件を付けくわえて変わる場合もあります。
第3段階 インストラクション
元々の意味は、指図、指示、命令。教育という意味もあります。面白いところでは、使用説明書、取扱説明書という意味もあります。
日本語教育の世界では、指導法と訳されています。
個人レッスンかグループレッスンか
マンツーマンの個人レッスンか、それともグループレッスンかは、こちらの記事にも載っていますので参考にしてください。
一時期は、マンツーマンレッスン優位だったのが、最近の小中学校でのアクティブラーニングや、日本語教育でのピアラーニングなどを反映して、グループレッスンも見直されてきていますね。
アクティブラーニングとは、参加者を中心とした学修(学習ではない)です。欧米ではアクションラーニング、参加者中心型学修(Participant Centered Learning)などと呼ばれています。
ピアラーニングとはともに学習する仲間のお互いの支援を通じて新しい知識や技術、人間関係などを創り出していく活動のことです。
☞ アクティブラーニング検索
☞ 日本語教育 ピアラーニング検索
社長の想いは反映されているか
社長の想いとは何でしょう?
例えば、何故この仕事をしているのか?入会する生徒さんにどうなってもらいたいか?スクールや教室をどうしていきたいのかなどが、サイトやレッスンに反映されているか?ということです。
ここでひとこと。先ほどアプローチのとことで、細かなやり方は現場に一任、と書きました。
現場一任だとしたら想いが反映されないのではないか?と考える人もいるでしょう。でもね、違うんです。
自分だけの得や有利になると思いがちなノウハウほど、人を助け社会貢献へと繋がると信じています。その伝え方は個人の自由で伝えていいよという意味なのです。
自分が身につけた知識は他人に伝えたくない!というのは過去の話です。僕も昔はそう考えていましたが今は違います。
ボイトレのレッスンは、知的財産の産業財産権のように独占権を誇るものでもないでしょう。
メニューや方法論も、歴史をとおしてリスペクトするもの(フ―スラーやチェザリー)や、時代とともに新しく変わっていくものがあっても良いのです。
同じノウハウを学んでやったところで、上手くなる人とそうでない人がいることは明らかですよね。浮かんだアイデアも先人の知恵があってこそです。アイディアを試し積極的に周りに発信していくこと。生徒さんと達成感や満足度をたくさん味わうことがこの仕事の喜びです。
声についての知識を伝え、生徒さんに応じたトレーニングメニューで技術がしっかりスキルとなってアウトプットできるか?それを提供できるかが大切なのです。