前回は、トレーナーの実情についてお話しました。
▼こちらを参考にしてください。
さて、人に何かを教える、伝えるという仕事は大変です。何年やってもそう感じます。生徒さんの潜在的な記憶(これを手続き的記憶といいます)と対話しながらのレッスンですから、身体の使い方、喉の使い方、声の出し方など、間違ってしみついてしまった身体の記憶をいったんフラットに戻すのは大変なことなのです。
そこを分かりやすく、丁寧に、懸命に、時として不器用に、時として情熱をもって伝えている現場のトレーナーの皆さんは「凄い」のひと言に尽きます!
【手続き的記憶】長い間覚えていられる記憶(長期記憶)の一種。暗示的で、普通ことばにすることは難しいです。
例)自転車の乗り方、クロールの泳ぎ方、ブラインドタッチのやり方、楽器の練習、腹式呼吸や発声など。
6-3.レッスンの実情!もし、こんな先生だったら?
あなたが体験レッスンを受けたときのトレーナーがこんな先生だったら?
また、スクールに入会して担当してくれるトレーナーがこんな先生だったらどうしましょう?
(大手スクールの中には、体験レッスン担当の先生とレッスン担当の先生が違う場合もあります)
スキルの面から
ピアノを使わないトレーナー=怪しい?
いいえ。これはバランスの問題ではないでしょうか?
もちろん、ピアノを使ってのレッスンは大切です。
現在は、タブレット端末やスマホがあれば、ちょっとした工夫でボイストレーニンが出来る時代です。音楽関係から聴覚診断、簡単レコーディングに至るまで多くのアプリがダウンロードできます。
これらを適材適所に使いこなすこと。そしていくつかの道筋を示してあげることも大切だなぁと感じています。アーティスト研究としてYouTubeを使う。メトロノームアプリを使う。カラオケアプリを使いつつ、フレーズ単位でピアノやギターを使う。
ピアノだけ使って行うボイストレーニングはもはや流行らないでしょう。
経験値の少ないトレーナー=クオリティが低い?
そうとも限りませんよ。
先生自身の学ぶ意識が高ければ、トレーナーとしての経験値は付いてくると感じるのは私だけでしょうか?
初心者トレーナーは先輩トレーナーから沢山のことを吸収、勉強します。フィードバックを次のレッスンに活かそうとするピュアな気持ちがあるので一生懸命さが伝わってくるんです。なので体験レッスンの時は一生懸命です。
経験の少ないトレーナーほど、生徒さん目線に近いアドバイスが出来る。
事実です。
逆にある程度経験しているトレーナーの方が、自分のやり方が正しいという主張の元で上から目線なのかもしれません。
何年もやっている「プロ」だって記念すべき初日から経験値を積み上げていったのですから。
初心者トレーナーのレッスンを受けて、「この先生でずっとレッスンしたい」と思った場合、トレーナー側からすると、もう立派な実績のひとつになります。
「正しい」ということばを連発するトレーナーは?
この「正しい」と意味は、こちらのページをご覧ください。
▼良いボイストレーナーとは 「正しい」トレーニング参照
トレーナー自身が過去に得た経験値をそのまま当てはめ、生徒さんに伝える場合に起こりやすいやり取りです。
そのやり方が先生には出来ていて、生徒さんに試してみたらうまくいった場合は?
でもそうでなかったら?トレーナーはどう対応しますか?
自分のスキルに慢心しないトレーナー=皆さんを上達に導くことになる!
人の面から・・・
「歌が下手だね」と言われた人が、猛練習をして上手くなり、素晴らしいトレーナーとして活躍している方を知っています。
「下手」と言われた悔しさを経験し、上達意欲に変えたからです。その壁をのり越えたからこそ、同じような悩みを抱えた人たちのよき理解者、アドバイザーになってくれるのです。
1年半から3年と続けていると、お互いにどうしても倦怠期がでてきます。(笑)この時期をどうのり越えていくかが大切なことです。
「巡り会えるまでに10年かかる」が「先生に巡り会って10年。こんなにも上達しました!」と言えるようになる日が来る。
生涯の師、生涯の友、生涯の音楽仲間・・・
素晴らしいトレーナーに巡り会えるといいですね!
次回は、プラスα 上達ガイド についてです。上達のための道筋を見つけてくださいね。