レッスンをしていると良くも悪くも思わぬサプライズに直面します。
例えば、
- 確認のために与えた発声練習のメニュー。それを生徒さんが熟しきれずに苦労した
- 発声のマニュアル通りに進んでいかない生徒さんに対してどう対応してよのか分からなかった(特にレッスンがマニュアル化されているスクール)
- 生徒さんのために良い練習になるだろうと思って与えた課題曲。すんなりと歌いこなせてしまったこと
- 一生懸命にやったことが生徒さんに受け入れられず、「これでいいのかな?」と疑問を残して終わったレッスンが生徒さんから大好評だったこと
- ひとりの生徒さんを2人のトレーナーでレッスンをしていて、どのタイミングで次の課題曲にいくのかを大激論
1.~4.までは生徒さんとトレーナーの間で。5.はトレーナー同士のやりとりの中で起きていることです。
まだまだ挙げていけばたくさん出てきます。
今回は、トレーナーが教えているときに陥っている罠をお話します。
トレーナー側でどんなに気をつけていても、生徒さんに伝わってしまう「アレ」があるんです。
それが何なのか?知らないで進めているレッスンと、知っていながら進めてゆくレッスンには、当然大きな差があります。
生徒さんの立場であるあなたも、また、これからどこかのスクールで体験レッスンを受けようと考えているあなたも、これを知っておくといろんな気づきを得られるでしょう。
最新のノウハウやメニューが大切ではない!その理由♪
今回お話したいことは、
- 資本力のある大手だからそんなことはない。
- 試験制度を設けて採用。トレーナーやスタッフ側に研修を設けているので大丈夫!
そうではありません。
大手であれ小さな教室であれ、人と人。個人対個人のお話になってくることです。
まず受け止めていただきたいこと。それは、
最新のノウハウやメニューが大事ではない
ということです。
なぜそのように言えるのでしょうか?
歌が上手くなったり、声が良くなったり、楽器が上達したり、何かのスキルが上がったり・・・。こういった成果は、取り組む考え方によって変わるからです。
簡単な話、考え方が成果を出している人と同じか似ていれば良いのではないでしょうか?
いくら、素晴らしい資格認定試験、〇〇発声メソッドやノウハウをレッスンで学んでも、使わなければ意味がありません。
逆の言い方をすれば、それらを使いこなしてドンドン成果を出されている人々もいらっしゃるのは事実です。
グループレッスンをしたことがあるあなたなら分かることですが、同じ内容を同じ人から同じ時間にインプットしたとしても、出てくる結果には差があるんです。
このことからも、メソッドやノウハウ以前に大切なことがある。それに気がついてください。
当たり前と言えば当たり前ですが、これを知っていると、この後のあなたが伸び悩んだ時、上り坂が気分的にラクになります。
ビリーフはお互いの中にある
次にビリーフのことをお話しましょう。
ビリーフとは何なのか? もう一度確認しておきましょう。
正しいと感じていること、歌とは、音楽とはこうあるべきだととらわれていること、あなたにもありませんか?
考えてみると、ビリーフやステレオタイプとしてのものの見方、マインドセットなどと言われているものは、人の行動に必ずと言っていいほど出てきますよね。
その振舞い方によって、良くもなったり悪くもなったりするのも事実です。
僕にもビリーフはあります。
あなたも自身のビリーフに気づかずにやっていると、
トレーナー側の教えるスタイルと生徒さん側の学ぶスタイルが同じなのか違うのか分からなくなってしまいます。
それが、お互いの不安や不満や意欲の低下に繋がってきます。
気づきにくいし気づきもしない、気づきたくないないから「ビリーフ」なのかもしれません。
生徒さん側から見ると
ここで、生徒さん側とトレーナー側のビリーフ例を挙げていきましょう。
そうなんです。
何かを学ぶすべての方へお伝えしたいことがこれです。
と言い張らずにいったん受け止めてみませんか?
いろんなやり方で、あなたを成長を促すことができる時代です。
ひとつ提案できることは、グループレッスンに参加してみるということです。これに関しましては「同じ方向性を見るために」の項目を参照してください。
トレーナー側から見ると
トレーナー自身が、自分の学習、習得のスタイルを知っておくことも、とてもとても重要になります。
生徒さんに対して与えた課題をやってこなかった場合、そうかもしれませんね。
でも、やってこなかったのが悪いのか?悪いと思っていないビリーフが生徒さんの中にあるのかは、コミュニケーションをとらないと判断できません。
あなたが
✔ とにかく身体を動かすタイプなのか
✔ イメージや感覚を重視するタイプなのか
✔ 発声理論を伝えて実践に移るタイプか
✔ 課題曲を深掘りするタイプか、さらっと数回で済ますタイプなのか
✔ 飽きっぽいタイプなのか
✔ その他
つまり、われわれトレーナーは、自分自身が伸びそうなスタイルに合った方法を選びやすいということです。自分がインプット(練習、習得)する時だけでなく、人に伝えたり教えたりする時でもです。
どんなに素晴らしいメソッドや発声理論を学んだところで、そこが分かっていないとマズイわけです。
悲しいのは、それが分かっていないトレーナーがいらっしゃるという点です。
分かっていれば、あなたが好むスタイル以外のメニューや練習方法でもレッスンに採り入れて、生徒さんが少しずつ体感、習得できるように協力が出来ます。
同じ方向性を見るために
方向性は何も初めからバシッと矢印が重なっている必要はありません。
そもそも、お互いのビリーフがあるため重なってはいないのですから。
トレーナー側は、生徒さんにプラスのビリーフを抱いてもらうように促すことが大切です。
どうすればよいのでしょうか?
それもありでしょう。また、仲間に相談してみるなど方法はいくらでもあります。
例えば
✔ 自分以外の生徒さんとの習得スタイルの違いに気づいてもらう
✔ お互いに良い点を伝え合う
といったことです。ここにマンツーマンレッスンでは得られなかった醍醐味が体感出来ます。
グループレッスンの長所に目を向けるとヒントが得られるかもしれません。
トレーナーの立場、生徒さんの立場、自身の学んだり練習する時の傾向を知ったうえで、自分が避けたり使わない学び方のスタイルを使ってみることも必要だと理解できるからです。
だからこそ研究探求が必要
お互いのビリーフに気づいて考えたり修正したりすることを別の業界では「マインドセットを整える」という言い方もしています。
詳しい内容は関係のサイトやセミナーに参加してみてください。
トレーナー側の立場、生徒さんの立場、どちらも大切なことは
✔ 自分を阻害するビリーフを挙げてみる(自分が信じて疑わないこと)
✔ 相手を阻害してしまうのは何なのかを考える
✔ ちょっとした成功体験で変わることもあり得るので試してみる
✔ お互いに心地良いビリーフもあるので、探ってみる
これらは、レッスンの中でやるしかないと考えています。いえ、レッスンだからこそ出来るのではないでしょうか?
PCやアプリと同じで、メソッドやノウハウはバージョンアップすべきです。(いささか僕のビリーフになっていることですが 笑)
以上、大変なですがこれこそがレッスン現場での仕事の柱。そう感じています。
自分自身も戒めとして・・・。<m(_ _)m>
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