前回の「教育界も研究しているある形態のレッスン」はいかがでしたか?
これまでのところ
☑ 1回目 個人レッスンとグループレッスンについて
ふたつの違い。それぞれの長所と短所を比べました。
☑ 2回目 担当トレーナーのスタイルとタイプを見抜くマル秘術
個人レッスンでもグループレッスンでも担当トレーナーとの相性。その人のタイプとスタイルといった固有の考え方、ビリーフにフォーカスを当てました。
☑ 3回目 個人レッスンで改善したい課題あれこれ
全ての立場の人にとって都合の良い教え方、仕組みはありません。運営者側にもスタッフにも生徒さん(お客様)にも全ての立場に都合の良いようにはいかない。しかし改善しなくてはならないことに触れました。
☑ 4回目 教育界も研究している「ある形態」のレッスン
個人レッスンのクオリティを保ちつつも、グループレッスンは出来るのか?僕はそれを「Yes!」の立場で語ってきました。ピア・ラーニングやアクティブ・ラーニングなどをもっとボイトレの分野に浸透させても良いのでは?
このような流れで進めてきました。
今回取り上げるお話は、
ボイトレのレッスンをツールミックスさせて行おう
という内容です。
レッスンのオンライン化をイメージ♪
さて、メディアミックス(media mix)という用語をご存知でしょうか?
元々は広告業界で使っている用語でした。商品を広告・CMする際に複数の異なるメディアを組み合わせる手法が元々の意味でした。そうすることことで、お互いの弱点を補う手法のことが出来るのです。
現在使われている意味では、サブカルチャーなどの分野で、1つの原作を元に漫画→アニメ→ゲーム→ドラマなどに広く展開するという意味で使われています。
それで、ボイストレーニングのレッスンもメディアミックスさせたようなことが出来るんではないかと思うんです。
ボイトレレッスンのツールをミックスさせると
ボイストレーニングレッスンで必要なもの。元はといえばピアノと防音、収音設備の整った部屋で行なわれていました。
某専門学校で講師をしていた頃、外でボイストレーニング行なったことがありました。当時の生徒さん達を公園に連れて行って
とグループで発声レッスンをしていたわけです。←体育会系?
始めこそ
なんて言ってましたが、役者の勉強をしている生徒さんは、率先して声を出していましたね。
その時のツールは公園にある遊具です。
なんて言いながらやっていました。
その頃からボイストレーニングは
防音部屋にアップライトピアノ、またはキーボードがないとレッスン出来ない。
という固定観念は全くなかったです。
いろんな形態でボイストレーニングが出来ていました。
音楽メディアやツールも目まぐるしく変わってゆきました。
CDが出たのが80年代(LDというメディアもありました。ご存知の方は同世代です(笑))、そしてMDラジカセが装備、というコンポも販売されていました。
音楽スタジオでキーボードを借りて行なう、ということも昔からある形態です。よくプロミュージシャンがレッスンをする時にやってることでした。
カラオケボックスにMDラジカセやMDウォークマンを持ち込み。または、61鍵のキーボ―ド持ち込みのレッスン。
2008年頃から、YouTubeを使ってレッスンする割合が増えてきました。
2010年、初代iPadが出てきた頃は、このタブレット端末が完璧なレッスン用ツールになりつつある時代でした。iPad→iPad Air、iPad mini→iPad Proと進化していく過程で必要なアプリをダウンロードすれば、レッスン用ツールは揃うのではないか?
という位の目まぐるしさです。
また、スマホなどのモバイル端末も伸びてゆき、今では電話とメール機能だけでなく、オンラインツールと化していることは、あなたもご存じのとおりですよね。
メトロノーム、ピッチ補正、テンポ変換レコーダー、イコライザー、そして発声用アプリの開発など、今ではひと昔前では考えられないような形態、方法で、ボイストレーニングができる環境となっています。
ここで提案したいのは、いろいろなツールをミックスさせたレッスンの進め方です。
数年前までは、
このような言われ方をしていた時代がありました。結局、楽器が出来る出来ないということなんて、トレーナー自身が練習をすればそれでよいことなのです。
それよりも適材適所にツールを使いこなせるか?の方が大切な感じがします。
常に頭の片隅に入れておくことは、
今持っているトレーナー自身のビリーフとリソースをこれからの時代にどう添わせてゆくか?
なのではないかと思っています。
▼ピアノを使わないトレーナー=怪しい?
あるツールを使ってみよう
ここ1年くらい前から少しずつ試みていることですが無料会議のアプリを使って部分的にレッスンを進めているときがあります。
それは、Zoomです。
はい。僕も始めはそのように勘違いしていました。
Zoomとは、エフェクターメーカーのそれではなく(笑)、パソコンやスマートフォンを使って、オンラインで行なう会議システムです。セミナーやミーティングをオンラインで行なうためにアメリカで開発されたシステムです。
という声が聞こえてきそうです。
最近多いのが、Skypeでの英会話レッスンですが、それと似たようなものです。
しかし、大きく違っている点が幾つもありますし、Skypeよりも簡単に使えて、便利な機能もたくさんあります。
あるコツを掴めば、使うことが楽しくなってきます。本当に面倒ではないので空いている時間でいろいろと機能を試すこともできますね。
Zoomを使うメリット
ある切り口、これまでの常識とは違うちょっと違った切り口でレッスンを行なうことで、それぞれのパフォーマンスが上がります。
これまでよりも、運営側、スタッフ側、生徒さん(お客様)側、寄り一層お互いのメリットを自覚できるでしょう。
使い方によっては復習もできます。教室にいないときもレッスンに価値を感じていただけるようになります。
教室側、運営者側のメリット
これまで上げてきた個人レッスンのデメリットを解決できる方向に持って行ける。
スタッフ側のメリット
アンケート機能、ブレイクアウトルームの機能でグループレッスンの進行管理がやり易い。
生徒さん側のメリット
復習がやり易くなる。使い方次第では当キャンがなくなる。
みんなのメリット(・・・になるかもしれないという予測)
ピア・ラーニング、アクティブ・ラーニングに近いことが出来る。新しいアイディアを出し合うことで全く違う考え方で、それぞれのオリジナリティを作り出せる。
Skypeとの違い
Skypeとの違い 詳しいことは こちらのサイトをクリック してください。
使った場合のデメリットもある
音楽関係の方、ミュージシャンや制作・製作をやっているエンジニアの方だと分かることです。
レイテンシーとは、音の遅れのことです。レコーディングを行なう場合、MacやWinなど使っているパソコンの性能やオーディオインターフェイスの機種によって実際になっている音のタイミングよりも遅れてモニターに音が再生されてしまう現象です。
オーディオインターフェイス 接続する音声信号の出入り口になる機器を指す。【A/D】音声や楽器音をパソコンに取り込んで、【D/A】取り込んだ音を再生する機器。
確かに、レイテンシーはZoomにもSkypeにもあります。
しかし、そこは
使い方を工夫すればどうにでもなる
という事が実証できています。むしろ、レイテンシー解消のために行なうというよりも、レイテンシーを考えなくても使い方によっては成果の上がる使い方が出来るんです。