頑張って練習しているのに、なかなか伸びないことってありますよね。
担当のトレーナーから出された課題をやっていても、「ホントにこれで伸びていくの?」と感じてしまう。
特に、
- 小さな声でしか発声できない人
- 音程面(ピッチが悪い、音痴)で課題の残る人
- ミックスボイスがなかなかうまくいかない人
- いろいろ言われて、どう歌ってよいのか分からない人
さて、どうすればスランプから脱することができるんでしょうか?
ボイトレで伸び悩むのには理由がある♪
伸び悩んでいるのには、理由があるということは誰もが分かっていると思います。
伸び悩みのパターンを知る
伸び悩みにはいくつかのパターンがあります。
タイトルの色とグラフの色が対応していますので、そのつもりでご覧ください。
ゆれ
間違えたり間違えなかったりする。3歩進んで2歩下がる型。
U 字型発達
一度できた→できなくなった→しばらくして、またできるようになる。
ゆれよりも大きな波、アルファベットのUの字に似ているのでこう呼ぶ。
逆行(バックスライディング)
逆戻り。一度できたことが練習すればするほどできなくなる。
プラトー現象
頑張ってレッスンを続けているのに、その効果が見られない状態。
誰でも起きる。プラトー(Plateau)とは高原や高台という意味で「高原現象」とも。
プラトーの後にはググ~~~ンと伸びる可能性を秘めている。
定着化と化石化
化石化は、習得がある段階から止まり、それ以上練習をやっても効果がない状態のこと。
ただし、止まっているように見えても絶対にそこから進まないという証拠はないので、定着化というべきであるとも言われている。
別の主張では、定着化は化石化が起こる兆候ともいわれています。
この辺の議論は、偉い先生方にお任せしておきましょう(笑)
トレーナー側で大切なことは、生徒さんがプラトー現象や定着化、化石化を起こしているから、もうそれ以上は伸びないと決めてかからないことです。
ところが、生徒さん側が、先に諦めてしまうケースがあるんです。
声とことばのアンバランスさ
人はことばで思いや想いを伝えます。
ことばは考えてから作られて言語化されるので、言いたくないことは言わないでおくこともできます。場合によっては嘘をつくこともできます。文脈やお互いのスキーマによっては、誤解も生まれますし、理解も深まります。
けれどね、声は真実を表しているんです。
本当は理解出来ていないのに、ことばでは「はい」と言っていること、ありませんか?
「はい」ってたくさん意味があるんです。日本人のYES MANはこんなところからきているんです。
声のリソースを確認しながら進んでいこう
まず、今ある声の状態を知ることが大切です。
▼「良い声」を知るために必要なこと(以前の記事も参考にしてください)
今あなたの持っている声のリソース(資質)と置き換えてもよいでしょう。
- 先天的リソース
骨格、声帯の大きさなどその人が元々持っているもの - 後天的リソース
今、持っている発声のクセはなにか? - 身体の状態と気持ち
今、健康なのか、気分がよいのか、落ち込んでいるのか?
直接関係するのは、2と3です。特に2は、担当トレーナーに診てもらったり、判断してもらいます。
クセを2つに分けよう
次にトレーナーと一緒にクセをチェックしましょう。
クセとは?
クセとは、その人が気づいていない振舞い全部をいいます。
例えば、発声の時、首が前に出る。
歌のサビで高音域にかかると、アゴを上げすぎる。または、あごを引きすぎて首に余分な力が入るなど。
スマホなどで録音して一緒に聴いてみましょう。コメントを貰えますのでチェック!
「えー!自分の声聴くの嫌だぁ」と言っているそこのあなた…。
「日本人は声に対しての意識が100年遅れている」とは、『8割の人は自分の声が嫌い』の著者、山﨑広子氏のことばです。
まあ、普段は自分の声の好き嫌いなんて意識しないで毎日を送ってますから。いきなり意識しなさい。と言われても困るのは理解できます。
ただし、自分の声が嫌=自己否定とならないようにしましょう。
よいクセを個性に変えていく
その人にとってのクセとは、よい場合も悪い場合もあります。
- 悪いクセなら減らす、無くす。
- よいクセは、個性に変えていく。
よいクセかどうかは、トレーナーと一緒に探していきましょう。
言い方を変えると、自分自身で意識ができていれば、その歌声は個性。
例)サザンの桑田さん、ユーミン、中島みゆきさん
上の例は、当然意見の違いがあると思います。
でも、クセを個性(→個声)に出来た時、自分の声の管理ができる一歩が踏み出せることでしょう。
まとめ
まとめです。今回はちょっと難しかったでしょうか?
伸び悩んでいる時が上り坂!上のレベルに上達できる真っ最中!きっと出来ますよ。
☑ 現状の伸び悩みのパターンを知ろう
☑ 今の声のリソースを確認しよう
☑ クセを洗い出そう
☑ クセは自覚すれば個性にもできることを理解しよう