コーラスワークでの音程の取り方-基礎の基礎-

コーラス譜面 ボイトレジム

カラオケやライブでとても味のある上手い歌を歌っているあなたでも、

どうもコーラスは苦手だなぁ。

ハモって・・と言われると尻込みしてしまう。

こんな人、結構いるようですね。

安心してください。

コーラスについて不安になっているあなたも、ここで、コーラス、ハモリ、基礎の基礎ということでお伝えしていきましょう。

コーラスワークを難しくさせている原因は

  1. 主旋律、メインボーカルのメロディにつられてしまう。
  2. コードの話や音楽理論が出てくるので分かりにくい
  3. なので、自信がない

この3点に集約されるのではないでしょうか?

コーラスとハーモニー

主旋律となるメインのメロディに対して、上のメロディを歌うことを「上ハモ」といいます。逆に下のメロディを歌うことを「下ハモ」といいます。

今回の内容は基礎の基礎なので、二声(メインボーカルとバックグラウンドボーカル)中心で進めていきましょう。

さて、音楽の三大要素は

  • リズム
  • メロディ
  • ハーモニー

です。

まず、あなたが何となく使っているこの「ハーモニーとコーラス」の用語の違いを押さえておきましょう。

【ハーモニー(harmony)】

ふたつ以上の音が醸し出す、調和した響き。または、音楽の構成要素のひとつとして、メロディを包み込んで全体としての調和を形成するコード。狭い意味での和声。ここから派生して「ハモリ」という言い方をするときもありますね。

ギリシャ神話のハルモニア(Harmonia, ギリシア語: ‛αρμονία)に由来する言葉で一般に物事の調和のこと。
◆引用◆フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

【コーラス(Chorus)】

A:バックグラウンド・ボーカルのこと。外国ではこの呼び方が周知。メイン・ボーカルを支えたりサポートする合唱パートのこと。またはそのパートを担当するメンバーを指したりもします。日本独自の表現であり、

B:楽曲の構成の中で、テーマ(主題)を示している部分。バース(リフレインの前にある序奏)とは区別され、コーラス部分は繰り返し演奏されたりする。

 

2コーラス目の●●小節で・・・。

と、言ったりします。

C:複数の人が複数のパートに分かれて各々のパートを複数で歌うもの。合唱を参照。
コーラス (ポピュラー音楽) – ポピュラー音楽におけるバックグラウンド・ヴォーカル。
◆引用◆フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

コーラス3つのスタイル

ここで、コーラスのスタイルを復習しておきましょう。

【ウーアー系】
コーラスの中で白玉( 全音符のこと、2分音符を呼ぶことも) を中心として「ウ」「ア」の母音を中心に音をのばす。
何故か「イ」「エ」段の音でやる事はあまりないため「イーエー系」とは言わないw

【ベルトーン】 
3 つ以上の鐘を1 つずつ鳴らした音に似ているのでこのように呼ぶ。
コードの構成音を時間差でハモるやり方。

【字ハモ】
メインボーカルと一緒に歌詞をハモるやり方。音が合う+αのスキルが必要となる。メインボーカルの特徴を判断してニュアンスの歩み寄りをしなければならない。自分でハモる場合も練習が必要になる。

レコーディングに参加
先日、生田のドーンスタジオでレコーディングを行いました。 音楽仲間でもあり、生徒さんでもあるタカ タカシさん。彼の率いるバンド、フラスコドールのコーラス入れでした。 ▼フラスコドールOFFICIAL WEB SITE CDは10月に発売の予定です。 コーラスのレコーディングはどういった事に気をつけた...

音が合うとは?

音が合うとは、物理的側面、音楽的側面、感覚的側面など、いろんな解釈の仕方がありますが、初心者の方は難しく考えずに

聞いていて気持ちの良い響き。

と捉えてよいでしょう。

【ヴォイシング】←音楽用語としての意味です。

与えられたメロディにハーモニーをつけることです。メロディとコードに従って、具体的にコードの構成音をどう配置するかで響き方が変わってきます。その音の配置のことです。

例えば、ドミソの並び方でどの音に対してミの音で合わせる、1オクターブ以内に収まっているヴォイシングをクローズドヴォイシングと呼びます。また、1オクターブより離れた音のインターバルでオープンヴォイシングでのやり方もありますが、ドロップ2だ4だの話になってしまいますので、またの機会に譲ります。

コーラスやハモリの基礎や仕組みが分からない人でも、カラオケでデュエットをしたときに、何となくハモっていて決まった!という場合もありますよね。そうです。

ハモリ方の正解はひとつではない!

のですよ。メインメロディと一緒に歌ってみて気持ちが良ければ、二声の場合は自由度と工夫ができます。三声四声となってくると大変ですが・・・。

さて、ここで注意!

正解はひとつではないからといって、曲の中でコーラスパートとしてハモリを入れる場所をやたらと多く入れたがるのはNGです。そもそもですよ。何故ハモリを入れるのでしょうか?

原曲、楽曲を良く聴きましょう。メインの歌メロを際立たせ、引き立たせ、厚みまたは広がりの効果を出すために入れるのです。曲によって入れたい場所は異なりますので、よく考えながら入れていってください。

ピッチとチューニングとニュアンス

以前書いた「正しい音程の取り方」の記事で、ピッチチューニングという用語が出てきましたが、もう一度復習をしておきましょう。

音の合わせ方ということで取り上げています。ご参考までに。

正しい音程の取り方
今回の内容は 正しい/音程の取り方 でしょうか?① 正しい音程の/取り方 でしょうか?② 微妙にニュアンスが違う。これがお判りでしょうか? 「音程の正しい取り方」にすると①とほぼ同じ意味になりますが、しっかりと狙おうとするあまり、味のある歌ではなくなってしまう。そんな意味にも取れます。また、②「正し...

さて、綺麗なコーラスを聴かせるためには、

音が合うだけではなく、ニュアンスの歩み寄りをしなければならない!

といえるでしょう。

イメージを声にのせてメインボーカルに歩み寄っていく

ともいえますね。

さらに、音楽のジャンルでも変わりますし、ボーカリストの歌い方のクセにも関係してくるわけです。

だから、

音が合っていると思うんだけれど、どうも何だか気持ち悪いぞ( ;∀;)

といった状態になってくるのです。

メインボーカルのクセを掴むのは大変かもしれませんが、これが勉強になるのです。よく、自分の出しているコーラスの音がこれでイイのかどうなのか?不安になるあまり、メインボーカルよりも大きな音量で歌う人がいます。これだと意味がありません。聞こえにくいのは良く解りますが、次のことを考えてみてください。

1.メインボーカルよりも音量が大きくて良いか?

掛け合いの場合や一部のソウルミュージックの曲は別として、やっぱりメインボーカルより勝ったら、まずいでしょう(笑)

2.メインボーカルと同じか、それ以上に感情が入っても良いのか?

過去に、自分自身の歌声に感情がほとんどなく、個性(個声?)がないと悩んでいた生徒さんがいました。少なくとも彼女自身はそのように感じていたようです。でも見方を変えると、その声でバックボーカルを務めれば、どの声にでも合わせることはできるということに気づいたのです。その後、彼女はコーラスやサウンドロゴの仕事で、いろんな声のボーカルのバックで歌っています。また、ボイストレーナーとしても自分の経験を武器にして生徒さんに伝えています。

3.ドミソなど、楽器でコードを鳴らした時のそれぞれの音のバランスはどうか?

例えば、Cコードで鳴らした時

ミの音だけ大きく聞こえた!

なんてことはないですよねw 3つの音が和音として調和の取れた音で鳴っていますよね。


きれいなコーラス=音が合う×ニュアンスの歩み寄り
メインボーカルの【クセ→個性、個声】をつかもう


是非これを覚えておいて、あなたのコーラスワークに活かしてください。

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