自分の声が嫌いな人にとっては、自分の声を聴いた時のイメージは良いモノを持っていません。自分の声が嫌いな人は、話す・読む声と歌う声の比較をしていない人の割合が多い。そんな統計もでています(7割の確率で)。
僕は、体験レッスンやフロントの講座で声の診断をすることがあります。その中でどうしてもどちらかの分野の声を診断したくない!頑なに拒んでいる方もいらっしゃいます。
例えば
話し声の診断だけでイイ。歌う声には自信がないから診断されると恥ずかしいし、嫌です。
なるほど。診断というのは「今」の声の状態をチェックするのです。ということは、これから伸びていくという伸びしろが隠されているんです。
今回は話す・読む声と歌う声の比べ方について考えてみましょう。
ボイストレーニングで話す・読むと歌うを比較してみたら
まずは、今日お伝えしたいことを手短に話すと次のようになります。
話す・読む、歌う。比べてみると短期間で伸びる可能性が見えてきます。
比較をするということは、歌うことが嫌いな人に
歌ってください。
と押しつけているのではありません。比べてみてくださいと言っているのです(笑)
次に自分の声が嫌いな人のことを書いた記事を載せます。お時間ある方はクリックしてください。
▼あなたの声をどう「きく」か?
さらに「比べる」という言葉の意味合いです。
途中までは同じである段階から違う
話す・読む声と歌う声とでは、途中まで同じで途中段階から異なる。
僕はこのようなう立場をとっています。鶏が先か?卵が先か?の論争ではありませんが言葉が先だろうがメロディが先だろうが、声が鳴るステップまでは共通していると判断します。声を出して表現するのは歌でも話でもひとりの人間からなので、対照という言葉を使わず比較(比べる)という言葉を使っています。
言語学の比較言語学と対照言語学の違いだと考えてもらえると分かるかもしれません。
▼比較と対照
ただし、教えるトレーナーによってはですよ、
話す・読む声と歌う声は全く別物です。
こう言い切っている方もいらっしゃいます。それはそれで否定はしません。何故ならそのように言っている先生は、その認識で表現やパフォーマンスが出来ているからです。
話す・読むと歌うをハッキリ分けた結果、起きてしまった弊害
話す・読むと歌うをハッキリ分けてしまった結果、起きてしまった弊害には次のようなことが挙げられるでしょう。それらを例示列挙しますね。
✅外郎売をタダ早口言葉の道具としてしか扱われなくなってしまった。意味を考えずに読むだけの結果、そこに書かれてある大切な事柄を幾つか見落としてしまっている。これは残念。
ボイトレで滑舌練習をする時の教材 その使い方ボイトレで滑舌練習のバイブルとして続けて使われている教材をご存知でしょうか? 今回は、有名どころの滑舌練習教材3種類をご紹介します。 以前、ボイトレでボイトレで滑舌が良くなるマル秘ツールというコラム記事お届けしました。 ではまず言葉の意味から、 滑舌を英語にすると、enunciate(明瞭に発音する...✅英語の歌を歌う時でも、大意を知らずに歌ってしまっている。大意くらい知って歌っていれば、対照言語のリズムの作り方の違いを明確に習得できるのに。
✅歌はうまいが、MCと進行の仕方には疑問が残るミュージシャンがプロでも複数組いた。別に100点満点を目指さなくても良いが、もう少しよく出来たのにと感じた平成のとある時期。
✅舞台では素晴らしい声が出るのに、ミュージカルをやると別人のようになってしまう。本人は舞台もミュージカルも好き!にもかかわらず出来上がりに差がつきすぎてしまうのが残念。
✅感覚は大切。しかし気づいた表現をただ引出から出す。これをオリジナリティと勘違いしている。感覚の背景にあるタイミング、理論、努力や慣れを深掘りしていない。残念。
✅その他
もう一度書きますが発声という意味合いを大きくとらえた場合、話す・読む、歌うには共通する部分がたくさんあります。
昭和、平成と令和の芸能人
それが証拠に、歌も演技も、演技も歌も、イケてる芸能人はたくさんいますよね。今は芸能人でない人たちも、ユーチューバ―やVチューバ―、clubhouseやstand.fmなど自己表現をする機会がたくさんたくさんありますからね。
昭和から平成の時代では、俳優が歌うよりも歌手やミュージシャンが演技力を発揮していることが多かった。そんな状況でした。昭和の時代では石原裕次郎さん、舘ひろしさん、西城秀樹さん、平成では河島英五さん、藤井フミヤさん、長渕剛さん、世良公則さん、福山雅治さんなど・・・。
平成後期から令和では
平成後期から令和に入ると、演技も歌も・・・という両刀遣いの人が増えています。
ここで次のようなサイトを見つけましたので参考にしてください。
今回は男性ばかりあげましたが、女性もたくさんいますね。ちょっと考えてみればいろんな方を思い浮かべることでしょう。
因みに、女性の方が声の出し方ではもともと持っているキャパシティが広いです。男性は延長線上で声の引出を作っていきますから。
やりたい人は両方の分野を習得すればよい
ここで言いきります。両方の分野が出来る方は、歌うボイトレだ話すボイトレだとこだわらず、両方習得すればよいのです。ただしご自身の声を聴くのが苦手な方は、どちらかの分野に偏見を持って判断しているのはあるかもしれません。
身体はひとつです。歌も発話も共通した発声器官から出しているから偏見持たないでね。
歌うボイトレ、話す・読むボイトレには共通する部分があるのです。ある段階から上は異なる部分もあります。というのが結論でした。