WBCをはじめとしたスポーツの観戦では、大きな声を出して応援する時がありますね。日の丸を背負い戦っている選手達を観ると燃えますよね。喉をやられて、声を嗄らしてしまった人はいらっしゃいませんか?
さあ、ここで皆さんは「声がれ」というとどういったことをイメージしますか?
- 風邪
- インフルエンザ
- 花粉症
- お酒の飲み過ぎ
- デカい声で応援のし過ぎ
または、喉に直結する病気だと
- 声帯結節
- 声帯ポリープ
などが挙げられますが、今回は
「この病気が声がれや声の出にくくなっている原因だ!」
といったことを知っていただく良い機会です。この病気、結構怖いです(><。)
なお、このコラム記事は今年(2017-03-15)、NHKの番組「ためしてガッテン」の放送内容を書き起こしたものであることを記しておきます。
NHKためしてガッテンのサイト
(2017年、WBCのウラ番組では、声に関するとても興味深い番組をやっていたわけです。あ、僕ですか?WBCは生放送で観て、この番組は録画しておいたのを後日観ましたw)
声がれに潜んでいるのは思わぬ大病♪
さてさて、声が出ない!
だからといってそのまま放っておくのは危険ですよ。
こんなことはどこのサイトにも書かれてあることなんですが、注意して頂きたいことは
- 声が出にくくなったらいろんな病気を疑うこと
- 何日間声が出にくいのかで迫っている大病の目安を知ること
このふたつです。
国際医療福祉大学の渡邊先生によると、病気の選択肢の一つに大動脈瘤(だいどうみゃくりゅう)が考えられるということを話しておられました。
大動脈瘤を疑おう
動脈とは、心臓から酸素を多く含んだ血液を各臓器に送る役目を果たしています。
しかし、動脈に風船のように膨らんだコブが出来てしまうことがあります。これが動脈瘤(どうみゃくりゅう)です。
いったん動脈が膨らんでしまうと、血圧を十分にコントロールできなくなってしまいます。
種類
動脈瘤のできる場所によって、
- 脳動脈瘤
- 胸部大動脈瘤
- 腹部大動脈瘤
などがあります。
原因
動脈硬化や大動脈の炎症、高血圧などが原因といわれています。
症状と見分け方
- 脳動脈瘤(声がれやかすれの後遺症が残る場合がある)
- 胸部大動脈瘤(声がれや出しにくい状態が続く 21%)
- 腹部大動脈瘤(腹痛が起きる 12%)
大動脈に大動脈瘤ができると、脳からの命令が出来なくなります。
反回神経を圧迫されている状態のため、声を出し終わったときに(主に母音を出し終わったときに)片方の声帯が動いていません。
声帯がこのような状態にある時、一息で長く声を出すことが出来ません。
そこで、声がすれや声がれに気づいたら次のことをチェックしてみましょう。
☑原因に心当たりがない
☑1週間以上経っても変わらない
☑むしろ日に日に悪化してきたこういった方は何らかの病気を疑ってください。ひゃあ、コワいよーーー。
大動脈瘤の動画
声のかすれる理由
ここで、胸部大動脈瘤を患った方は何故かすれた声になるのか?
それを見ていきましょう。大動脈と声帯は離れているのにどうしてでしょう?
血液を送れ!と命令を出しているのは脳です。脳から鎖骨のあたりを通って喉に回ってくる反回神経の通り道が胸部の動脈に近いところを通っているからです。ここが刺激されると声がかすれやすくなるワケです。
では、病気が見つかる前にケア、メンテナンスのボイトレの範囲でできる事ってあるんでしょうか?見分け方ってあるんでしょうか?
ロングトーンのメニューを試してみる
そうです。これが何秒ぐらい続けられるのか?をやってみてください。
1_楽な姿勢をとる
立っていても座っていても可。2_息を吸う
放送では思い切り吸うとありましたが、胸式呼吸になりやすいこと、また余分な力が入りやすくなるため、ボイストレーナーとしてはお勧めしません。この場合、ストローでジュースを飲むように口をすぼめて吸ってみてください。この時、一瞬で吸うのではなく、時間をかけて吸います。3_ロングトーンで発声する
そしてできるだけ長く「あー」と声を発します。高さは普段話している出だしの高さ位の声でやりましょう。声の大きさは小さな声でも大丈夫です。
あなたも、原因不明なかすれ声が1週間以上続いた場合、ロングトーンをやってみて10秒未満なら、耳鼻咽喉科へ行って、声がれやカスレの原因を調べてもらってください。
大動脈瘤なのか、ポリープなのか、声帯結節なのか?ここから先は、耳鼻咽喉科、脳神経外科などの専門のお医者さんにお任せです。
ロングトーンが続かない場合、呼吸の仕方や声の老化が原因の場合もあります。
お医者さんに「声の訓練しましょうね」と言われたら、ボイストレーニングをやりましょう。歌う、滑舌練習、朗読など、ボイトレは何歳からでも始められる習い事です。
当教室でも体験レッスンを受け付けておりますので、興味関心がおありなら受けてみましょう。
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