高音域崇拝主義の弊害とは?!

ハイ・トーン・ボイストレーニングの弊害 ボイトレジム
HUDSON RAONEによるPixabayからの画像

令和に入ってからでしょうか?また、高音域に特長のあるボーカリストが多くなりましたね。

特にOfficial髭男dismMrs. GREEN APPLEKing Gnu など男性(性自認含めた)ヴォーカリストに多く見られます。

ここで、ワンバイブス-パフォーマンス活声課®の方針をお伝えします。当教室としては高音域を出すこと、出したいと願うことは全く否定しません。ただ、あまりにも高音域崇拝主義に陥ると危険だと感じています。

そのような理由から、

男性トレーナー
男性トレーナー

高音域に偏りすぎてはいけません。

これが大切になります。

音域拡張におけるパフォーマンス活声課®の方針

さて、今回の内容をひとことで言い表しましょう。次の3つになります。

  1. 音域拡張は偏りすぎないこと
  2. 音域を伸ばしたいなら、バランスよく
  3. 現在の身体と喉の状態を確かめながら、ケア・メンテナンスボイトレも忘れずに

それでは、ひとつずつ解きほぐしていきましょう。

音域拡張は偏りすぎないこと

まず、音域は伸ばせるのならドンドン伸ばしてください。そこでまず、現在のあなたが出せる高音域のレンジは、どこからどこまでかを確認しておくことです。ただし、音域のチャート通りに当てはまらない場合も出てきます。高音域の定義も音楽のジャンルによって、また人によって異なるからです。

そんな訳で、ここに音域チェックの目安としてのチャート表を載せておきます。

音名(イタリア語式と国際式)

●参考 音域表、音域チャート

さらに、一つのメソッドに偏りすぎるとよくありません。なぜなら・・・

理由

  1. あなたにとってはジャンルの異なった発声方法かもしれないから。
  2. 同じようなジャンルの発声メソッドでも現状の出来具合を把握しないとならないから。
  3. 特に初~中級者の方の場合、出したい高音域が出たとしても、これまで出せていた低音域が出なくなる可能性があるから。

以上の理由1. 2. 3.には全て対処療法と根本から改善できる方法があります。つまり、そのメソッドは対処療法なのか?それとも根本改善なのかを担当のトレーナーに確認してからやり始めてください。

音域を伸ばしたいなら、バランスよく

次に「バランスよく」についてです。音域を伸ばしたいのなら低音域から高音域までバランスよく出せるようになることです。

ここでまたATIの登場です。ATIとは適性処遇交互作用を英語にした頭文字です。この内容に関しましては、前に記事にしましたのでご確認ください。

ボイトレは個性に応じてやり方を変えよう

ボイトレは個性に応じてやり方を変えよう
同じことをやっていても明らかに伸び率の違う生徒さんがいます。言い換えると、同じレッスン内容をやっていても結果・効果・成果に差が出てくる場合があります。 ウチ(→ワンバイブスではありません)のスクールは、高音域の出る、滑舌の良くなるスーパー・メソッドを開発! なんて言っていても差が出てくるというわけで...

仮に30分~1か月で高音域が出て歌えたとしても、それは対処療法に過ぎません。対処療法は否定はしません。が、それだけに頼りすぎると危険です。

ケア、メンテナンスボイトレも忘れずに

また、伸びてゆく過程の段階では、ケア、メンテナンスボイトレも忘れてはいけません。つまり喉を傷めない、そして声枯れしないためのトレーニングが必要なわけです。

あなたが習得したい「高音域の出せるメソッド」は、伸ばすメニューとケア、メンテナンスのメニューが揃っているでしょうか?

仮にどちらか片方しかないのなら、あなたの高音域は継続して安定した発声になりません。また、たとえ両方が揃っていたとしても、カリキュラムやメニューの押し付けになっていたとするのなら、考え直しましょう。

ボイストレーニング2つの柱

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まとめ

それでは今回のまとめです。最近の音楽分野でのボイトレには3つの課題があります。これらは、安定した腹式呼吸を抜いてのトップ3といわれている課題です。(以下、当教室調べ)

まず第3位は、音程。音痴を治す。
つづいて第2位。喉を傷めずに歌える。
最後に第1位。音域拡張。特に高音域を伸ばす。

ナント、「腹式呼吸をマスターする」は4位なのです。もちろん第1位から4位までの項目は繋がっています。とりわけ2位の喉を傷めずに歌えることと、1位の音域拡張は対立する関係になっています。

ボーカルは消耗品。かつてあれだけ音域が出ていたプロのシンガー(複数人)も年を重ねてくると歌うキーを下げてきます。このことの良い悪いを言っているのではありません。

長く続けてゆくためには低音域から高音域までバランスの良い伸ばし方と整え方(ケア、メンテナンス)。これらを両輪としてトレーニングしなければならないのです。

 

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