歌を楽しむ上で、音の出だしが上手くいかないという悩みを抱える方は少なくありません。
歌い出しの音をもっとスムーズに取りたい…
このように感じている方も多いでしょう。この記事では、歌い始めの音をスムーズに取るためのヒントをご紹介します。一緒にステップアップしていきましょう!
チューニングメーターを体に設置しよう
まず始めにお勧めしたいのが、自分の身体そのものに「チューニングメーターを設置する」イメージです。楽器を演奏するみなさんは、演奏の前には必ずチューニングをしますよね?
実は、歌も楽器と同じようにチューニングが重要なんです。
え?でも自分の声はチューニングできないでしょ…
と思った方、ご安心ください! 私たちには、生まれながらにして「チューニングメーター」が備わっているんです!それが音の体感=音感なのです。
つまり、正しい音程で歌っているときの体の感覚を覚えることで、より正確に音程を取ることができるようになります。特に重要なことを復習しましょう。以下の3つのポイントがそれです。
音程(ピッチ、チューニング、インターバル)の復習
ここでチューニングメーターの話を深掘りする前に、音程という用語に関しての復習をしておきましょう。
【音程】ピッチ+インターバル+チューニング
✔ピッチ(pitch) とは、音の高さ(高低) の調子のこと。音程が悪いという言い方は、ピッチが悪いということ。別の意味では、基音そのもののことをピッチともいう。
✔インターバル(interval) とは、 音の高さと低さの間隔(隔たり) のこと。
例えば、「ドとラの6度のインターバルは、ピッチがとりずらい」という言い方をします。✔チューニング(tuning)とは、音の高さなどの調律が取れている状態(一致している状態)のこと。 同調。 周波数が合っている状態。
そして、さらに「そのピッチを補正する」。当教室ではこのような用語の使い方をいたします。
✅補正=おぎないただすこと(広辞苑)
✅矯正=欠点をなおし、正しくすること
ということも付け加えておきます。
▼音程練習人気メニュートップ4
基本形と転回形
さらに「チューニングメーター」の精度を上げるための重要ポイント! それは、コードの「基本形」と「転回形」を理解することです。
よく勘違いされる例ですが、根音(ルート音)が一番下の音と捉えてしまうことです。それを上の図で説明しましょう。まず、基本形の場合、ルート音は一番下にある音符で合っています。一方、第一転回形や第二転回形の場合、ルート音は必ずしも一番下にはきません。
(ここでは、これ以上の説明を省きます。詳しくは音楽理論の分数コード(onコード)の項目を参照してください)
転回形でどれかの音をチューニングしている
実は音が取れないと言っていても、ある期間ボイストレーニングを続けている初心者には次のことが確認できます。歌い出しはコード・トーン内にあるどれかの音で歌い出していることの方が多いのです。
例えば、「最初の音を外した!」と感じていても、その時出した音はオクターブ下の歌い出しの音だった(③’)。他方、「ミ」から始まる音を「ド」で歌っていた(上記①②③①’②’③’全て、コーラスOKじゃん)。
またはこんな例もあり得るのです。歌い出しが「ミ」の曲だとします。 この時、多くの人は「ドレミ」と頭の中で鳴らしてから「ミ」を出そうとしていませんか?
実は、これが音程を不安定にする原因の一つなんです。つまり、私たちが歌い出しの音を取る際、必ずしも主音(ドの音)を探している必要はありません。和音の中のどの音でも、確実に取れる音を基準にすれば良いのです。
さらに、固定の「ド」からではなく、移動「ド」で身体に覚え込ませる。これも大切なことです。「移動ド」は相対音感と関係している「移動ド」で音を取ってみるのです。これは絶対音感とは音の捉え方が異なりますが、トレーニングで身につけたり鍛えたりできます。
まとめ 完璧を目指すよりも小さな完了を目指そう!
音を正確に取ることは、練習によって確実に改善できますが、何よりも大切なのは
完璧を目指すよりも小さな完了を目指すこと
です。日々の練習で少しずつでも音程がとれるようになったことを喜びましょう。一歩ずつ進み、小さな完了を自分自身に出してあげることで、いつの間にか大きな進歩を遂げることができます。
そして、毎日の練習で少しずつでも成長を実感できれば、それが次への意欲につながります。完璧な音程(ド真ん中のストライク)を目指すのではなく、まずは「音が取れている!」と実感できる瞬間を増やすのです。音程に自信が持てるようになれば、歌うことがさらに楽しくなるでしょう。
参考に、【音痴の治し方】音程を正確にとれない3つの原因を徹底解説。の動画を添付しておきます。