ボイストレーニングのレッスンも楽器のレッスンもそれぞれの自主練や個人練も、続けているからこそ分かってくることがあります。当然続けていないと分からないことなのですが、始めてしばらく続けてみると、だんだんと分かり始めてくることがあります。
それは、
あなた自身の基準を設定したくなることです。
ところが、基準の設定の仕方によっては、効果が半減どころかバックスライディングにもなりかねません。
今回は、それをお伝えしましょう。
あなたの調子の基準はどこにある?
あなたはあなたの基準をどこに持っていきますか?
提案したいことは、
3つの基準を作りましょう
ということです。言い換えるとあなたの体調のスケールです。
ボーカルや声を使うことが多い生活をしている場合、ご存知のように声は体調によって大きく変わってきます。
人は何か習得して伸び始めてくると、基準を伸びたところにおいて判断しがちです。もちろんそれはそれで間違ってはいませんが、一度うまくいかなかった時にどうするのでしょう?
例えば筋トレ、昨日より今日の方が少なかった。
例えばタイム、昨日よりも50m泳いだタイムが悪くなっていた。
例えば音域、1週間前よりもB4~C5が出なくなっていた。
など、こういう状態になった時にあなたはどう判断しますか?
3歩進んで2歩下がる。揺れです!
スランプかしら?
定着化かはたまた化石化か?!
バックスライディングかも・・・
「出来ないことを知る」ことができる
出来なかったから自主トレやめちゃえ!または出来ないから頑張る!
こんな視点からではなく、上の吹き出しのどれかの状態になったら次のことを考えてください。
例えば、ジョギングやウォーキング、
昨日は50分で7461歩だったのに今日は同じ時間帯で6525歩。明らかにペースが落ちています。それは昨晩夜更かしをした。または飲みすぎたとか、いろんな理由が考えられます。当然、先月の平均は50分で7618歩だったのに、今月は6537歩に減ってしまっている。なんていうこともあります。
筋トレでも、3セットに分けてやれば各セットずつの回数が増えます。一度に40回やってみたら1週間前よりきつかった。それよりも、14回ずつに分けて行なってみると合計42回となるなどです。
うまくいっていないことが続いたら少しずつ変えていけばよいのです。
3週間から2カ月の間ほぼ毎日続けていると、あなた自身の中でデータをとることができます。いえ、何も難しく考える必要はありません。
✅ 調子の良い時
✅ ノーマル(普通)の時
✅ 調子の悪い時
この3つの基準を設定出来るのです。
この3つを大きなスケール=目安として比較をしながらやっていきましょう。やることがすすで行くにつれて目標値を変えることもかまいません。
要は、やらない理由をつけて言い訳をするよりも、できなかった理由を考えて次に活かすほうがよいのです。
続けているからこそ、扉が開かれステップアップできる
生徒さんの中には、今回のコロナ騒動~ウィズ・コロナを受けて自主練に励む人が何人か出てきました。それは彼、彼女たちとって小さな扉かもしれません。でもその扉を開いたときに次の課題がご挨拶に来ます。それは扉を開いた人にしか分からない感覚です。その扉を開くためにも、基準を3つ位持っておいた方がよいと考えています。
これはあなたの自己肯定感にも関係してくることですね。どれだけ自分を認められるか?人から認めてもらおうなんて思わずに、まず自分で出来ていることを認めましょう。
毎日でなくてもいいです。とりあえず習慣にできるかどうかが第一関門!
それは、やらされている感ではなく、やりながら工夫ができている感です。
工夫ができれば遊び心が生まれますし、楽しくもなるでしょう。
ただメニューをこなせばよいというわけではなく
例えば、ロングトーンが同じ音の高さで30秒伸ばせたとしましょう。ところがそれが最高値で、なかなか30秒以上伸びない状況が続いたとします。
これはよくよく考えてみると、上達のきっかけになっていることなのです。
始めはですね。ただこなせばよいと考えてやってみるわけですよ。それはそれで否定はしません。
むしろ一度こなしきってほしいわけです。
しばらくやり続けていると、自主練のメニューに確かさを求める段階にステップアップします。
するとサラッと上っ面をこなすよりも、今度は質(クオリティ)を重視するようになります。
ここで、少ない時間でも、例えば30秒よりも15秒から20秒しっかりできる方が腹に落ちてくる感覚を得たいと思うようになります。(僕はどちらかというとそのタイプなのです)
そして、もう暫く続けていると・・・、
激しく(着実に、気づいたら激しく)変わっていることでしょう。
「激」的にはスグにではありません。
それではみなさん、
今日もボイトレを、歌の練習を、原稿読みを、セリフの表現力を!そしてあなたが日課にしている自己練を・・・Keep on practicing.