歌っている時に音を外さないようにするには、どうすればよいのでしょうか?
もちろん、課題曲によって異なってきます。ここでは共通することを挙げてみたいと考えています。
なお、今回の記事を読み進める前に、以下の記事を読んでから入ると理解しやすいので、参考にしてください。
今回は「歌で音を外さないための心得とは?」の続編になります。
基礎的な部分はこちらを参考にしてください。
外しやすいインターバル♪
インターバルとは、音と音との隔たり、間隔のことです。音楽用語の中でもコード理論として使う場合は、2つの音の高さの差を度数(ディグリー)と呼んだりもします。全て音程という意味合いが絡んでくるため、音楽理論は難しい、ややこしいと思われてしまうんですね。
音程の使い方の例
4度のインターバルはピッチがとり難い などといいます。
ピッチを外しやすいインターバルは、ほぼ決まっているんです。
ボイトレで外しやすいメロをチェック
1_Ⅰ-Ⅲ-Ⅴ-Ⅷ-Ⅴ-Ⅲ-Ⅰ度の流れはやはり基本
これは度数をローマ数字で表しています。つまり
ド(ルート音)-ミ-ソ-ド(オクターブ上)-ソ-ミ-ド(ルートに戻る)
は基本なのです。
それを踏まえて、ミと半音下げると
Ⅰ-♭Ⅲ-Ⅴ-Ⅷ-Ⅴ-♭Ⅲ-Ⅰ度にすると、マイナーになりますよね。
メジャーとマイナーの違いをしっかりと体感しておきましょう。
2_下るメロディ
まず確実に言えることは、上るメロディよりも、下るメロディの方が外しやすい傾向にあります。もちろんしっかりとした発声が出来ていないと、上るメロディは上がりきらずに♭してしまいますが・・・。
逆に言うと、上がるメロディは意識しやすいため、イメージと体の使い方の練習次第ででピッチを外さずにすみます。
ところが、メロディが下る時、安心してしまうのでしょうか?2→1(レ→ド)、3→2→1(ミ→レ→ド)が不安定になりやすいのです。しっかりと「ド」に着地をしてください。
誰ですか?こんなこと言っているのは・・・
確かにそういうこともアリですが(笑)
3_細かな音符のメロディ
細かな音符のメロディ、特に下るメロディをしっかりと歌えるとカッコイイですよね。黒人音楽(ソウルミュージック)などはそういったフレーズが良く出てきます。
分かりやすいのは、マライア・キャリーのアノ(笑)「マライア節」です。
こういった細かな音符から成り立っているフレーズは、YouTubeで速度を遅くして練習してみると研究できますね。1音1音とるのは大変ですが、こういった細かな作業が、カバーやコピーに繋がっていくのです。
▼参考記事はこちら
▼カバーとコピーの違い
4_メロディと外しやすいインターバルとを把握する
以前、スタッフと
ということを話していました。
- オクターブ
- ルート音に対しての4度と6度の音
- maj7(M7、△7:メジャーセブンス)
- 5度から3度に下がる音
- 2度からルート音
- ルート音に戻る音
などなどいろんな意見が出ました。
外しやすい音というのは、その人の発声の癖なども出てきますので、一概に「コレ!」ということはできないかもしれません
結局のところ、
ドレミファソラシド / ドシラソファミレド
が大切ではないか?との意見に落ち着きました。
ドレミファソラシドという音の階段、半音と全音の組み合わせから出来ている音の並び方を理解し、体で感じる。そして発声できる。
これが基礎の基礎だと感じています。
ピッチの正確さを決める音とは?
では、ピッチの正確さを決める音とは何でしょうか?
今回は、発音面から考えていきましょう。
何故ピッチが外れてしまうのかは、呼吸、発声面からのアプローチとなりますので、このサイトの他の記事を参考にしてください。
または、教則DVDを観たり、レッスンでトレーナーと行なってください。
ボイストレーニングを1年続けているあなたにとっては、納得できることではないかと判断します。意外と忘れられがちで、言われてみると理解できることです。
まず、意識すべきは母音と半母音
ピッチ感、音が外れているかいないかの確認ができるかできないかは、音の聞こえの度合いによって異なります。
人の耳に聞こえっ安い音と聞こえにくい音を把握しておきましょう。
聞こえやすい音とは、
母音と半母音
です。半母音とは、/w/(ワ行の子音)や /j/(ヤ行の子音)の渡り音のことです。
日本語の場合、開口音で終わる音が多いため、歌っている時、特に母音に注意をしてピッチを意識してみましょう。
子音でピッチを意識できる音もある
では、子音の場合、すべての子音のピッチは考えなくて良いのか?
というとそうではありません。
子音でピッチを合わせるといった考え方が可能なのは、次の音です。
- 鼻音
- 弾き音
- 震え音
- 側面接近音
まず口音以外の音、つまり、鼻音です。鼻音は、発声練習ではハミングとして使われている音ですよね。ピッチは考えられます。
別の記事では、特殊拍の「ん」、撥音、跳ねる音という名前ででてきています。
次に、弾き音、震え音、側面接近音もピッチを意識できる音です。特に洋楽を歌っているあなたにとっては練習しなければならない音になります。
練習の仕方は、母音とは異なります。何故なら子音だからです。子音は、息の流れが妨げられたり、狭められたりして出てくる阻害音です。
母音や半母音を高音域で出す以上に、子音は喉に負担がかかってしまうからです。
弾き音[ɾ]:日本語の「ラ行」の音です。一瞬、閉鎖されて舌を弾くように発音します。
震え音[r]:瞬間的な閉鎖が繰り返されます。
側面接近音[l]:舌の先を歯茎に付けますが、弾き音[ɾ](日本語の「ラ行」)よりも、くっつく時間が少し長いです。
発声練習で音がとれていても歌で音を外してしまう
発声練習で音がとれていても歌で音を外してしまう理由がコレ‼なのです。
つまり、上記以外の子音はピッチを意識しにくいということです。ピッチを意識しにくいということは高低強弱のアクセントをつけにくいということなのです。
気をつけてくださいね。アクセントは母音にしか付きません。英和辞典の発音記号をよ~く眺めてみましょう。
✔ 母音の響きを土台に子音のアタックを考える
✔ アクセントは母音につく
間違って子音にアクセントをつけようとすると、望まないアタック感が出てしまいます。子音はアタックです。子音のアタックばかりに気をとられてしまうと、息の流れが不安定になってしまうのです。だからピッチも不安定になり音程が外れてしまうのです。
別の気合でお話しますが、中国語の有気音や韓国語の激音で歌う難しさがここに出てくるのです。